「それぞれの自尊心がぶつかる作品に」伊達政宗を主軸とする “斬劇『戦国BASARA』蒼紅乱世”『蒼』ゲネプロレポート
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2018年12月7日(金)~16日(日)まで公演されていた、“斬劇『戦国BASARA』蒼紅乱世”『紅』未来への誇り と対になる物語、“斬劇『戦国BASARA』蒼紅乱世”『蒼』THE PRIDE が12月21日(金)に開幕した。2作品で大きなひとつの物語になるという本作、今回の『蒼』では奥州筆頭・伊達政宗(眞嶋秀斗)を中心とした物語が描かれる。
――この報に、男達が突き動く。
自分はどう切るか?
どのような未来を築くか?
ある者は悩み、ある者は戦い、
ある者は散っていく…
新たなる群雄割拠の鐘の音とともに、
激動の時代の幕があがる!
明智光秀が本能寺の変で織田信長を破り、そして豊臣秀吉(佐々木祟)に敗北するところから物語は始まる。豊臣は天下統一に向け各大名に恭順を勧めるが、それに従わない者もいる。政宗も織田の残党や豊臣の兵が領内に侵入してくるため、その対応に追われているところに豊臣方の人間が現れて……。
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『紅』に比べて、『蒼』はストーリーがとても重い。今回初めて揃うという豊臣秀吉、竹中半兵衛(末野卓磨)、石田三成(沖野晃司)の三人。雷鳴と共にとどろく魂の叫びには会場全体が震えた。
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石田三成には袂を分けたかつての友、徳川家康がいる。『紅』の方で家康も気にかけていたが、三成も家康を想うと我を忘れてしまうほど。またかつての友であった豊臣秀吉と前田慶次(伊阪達也)も信念から対立する。真田幸村と伊達政宗は互いに相手を尊敬し、どう生きたらいいのか、相手に恥じない生き方をしようと努めている。このように各キャラクターがその相手をどう思っているのか、心情と現実との板挟みで揺れ動くその想いも注目どころだろう。
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両公演に出演する山中鹿之助(橘龍丸)はふたつの物語を行き来し、縁をつなぐ。『紅』に出演した黒田官兵衛が探していた後藤又兵衛(汐崎アイル)は『蒼』に出演し、豊臣を離れてある男を討つために動く。最上義光(寺山武志)は飄々とした動きが特徴の『蒼』の癒し(!?)担当。
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ゲネプロ公演前に行われた会見では8名のキャストと構成・演出・映像のヨリコジュン、そして企画・原作監修の小林裕幸(CAPCOM)が登壇し、見どころなどを語った。
「それぞれの自尊心がぶつかる作品」ゲネプロ公演前の会見
伊達政宗役 眞嶋秀斗
自分自身にとって4度目となる『斬劇 戦国BASARA』、そして今回初のシリーズは2作品展開、『紅』未来への鼓動に続く今作『蒼』THE PRIDE で特に自分が感じるのは、すごく現代にも通じるようなお話になっていると思っております。激動の時代の中で何を楽しみとして、何に向かって、誰とどのように生きていくのかっていうのをすごく自分自身考えさせられながら、こうしてみんなで一丸となって進んできました。BASARAファンのみなさまにももちろん、2018年スカッと締めくくりたいという方々、役者に興味がある方、戦国時代に興味あるという方々、いろんなお客様に観にに来てもらいたいと思っております。
石田三成役 沖野晃司
私は前回ケガをしまして、舞台上には上がったんですが力を発揮することはできませんでした。今回はしっかりと地に足をつけて頑張りたいなと思っております。私も座長の秀斗と同じく4度目のBASARAです。この度、石田三成としては初めて秀吉様、半兵衛様と舞台で共演できるのがすごく嬉しいなと思っております。復活した豊臣と、皆様があっと驚くラストを期待していただきたいと思っております。
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前田慶次役 伊阪達也
僕は久しぶりにBASARAに呼んでいただきました。お話を頂いたときはまた慶次をやれるんだ! とすごく嬉しかったです。『紅』からの勢いそのままに、みんなで突っ走っていけたらと思っています。お客様も『紅』、『蒼』両方観て大変と思いますが、祭りだ祭りだ! という感じでこのメンバーとみんなで明るく楽しくやっていけたらと思っております。
山中鹿之助役 橘龍丸
今回、『蒼』のほうでは雰囲気も変わり、稽古にはあまり行けておりませんでしたが、『紅』の熱に負けることなく『蒼』の方もしっかりとみせていきたいなと思っております。千秋楽まで応援のほどよろしくお願いいたします。
後藤又兵衛役 汐崎アイル
それぞれの自尊心がぶつかる作品だと思っております。劇場も小さく、キャストの人数も今までよりもきゅっとなっていますが、小さくなったのではなく濃縮されたという取り方をしてくださると嬉しいです。この熱をカンパニーみんなで客席に届けられるように全力で戦っていきますので、どうぞ最後までご声援のほどお願いいたします。
最上義光役 寺山武志
いよいよ斬劇 戦国BASARA『緑』気高きお茶を求めて、が始まるので(会場、キャストともに堪えられず笑ってしまう)、……さっき裏でやれって言ったの誰ですか! 言わされました。ということで、僕は2作前に北条氏政として出演させていただいて、今回改めて最上義光として出演します。僕の役割は相変わらず、みなさんが緊張感走るお芝居をする中、ちょっとほんわかする、リラックスしてみていただけるような役どころです。忘年会シーズンで例えるとしたら焼肉、居酒屋、イタリアンでちょっと重たくなったなって頃に「おそば食べたいな」って思いますよね。わたしがそばでございます。よろしくお願いします。
竹中半兵衛役 末野卓磨
僕は今まで風魔小太郎という役で3回出演させていただいておりました。今回竹中半兵衛になりまして、セリフを初めてしゃべります。そして顔の出る範囲がちょっと増えました。そんな僕を見ていただけたらなと思います。豊臣軍として秀吉くんを支え、三成くんを引っ張りぶつかりあう、僕らの豊臣の絆を見ていただけたらと思います。見終わった後に「豊臣良かったな」と、豊臣推しが増えたらと思います。
豊臣秀吉役 佐々木祟
今回、本当に多くの方に愛されている作品に初めて参戦させていただきます。稽古初日からずっと緊張はしていましたが、温かいカンパニーのみなさんに支えられて、こうして初日を迎えられることがとても嬉しく思っております。この作品はそれぞれのキャラクターが際立っています。稽古最終日にヨリコさんが「それぞれの役割がちゃんと果たせている」と仰っていましたが、どのシーンもとても楽しく、かつきゅっとしまるシーンはしまるし、最上さんが出てくるとふわっとするし、あっという間に時が過ぎていくのではないかと思っております。2018年最後、観劇納めの方も多いと思いますが、それに見合うようにプライドをもって豊臣軍に、そしてこの『戦国BASARA』に取り組みたいと思っております。
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構成・演出・映像:ヨリコジュン
『蒼』チームもすごく個性的な俳優陣が集まって、とても楽しく稽古ができました。僕は『紅』と『蒼』両方演出させていただいていて、最初にどんなイメージにしようかと思ったとき、子供の頃に使った赤と青のU字の磁石を思い出しました。これを自分が持ってうまくコントロールして、お客さんが持ってる磁石をうまくひきつけて、くっついたら離れないような良い作品をつくろうと思ってやってきました。そういう作品ができていると確信をしていますので、楽しんでいただけたら嬉しいです。
企画・原作監修:小林裕幸(CAPCOM)
『紅』公演はいつもの「BASARA」よりもちょっと面白い感じで終わりました。この『蒼』公演は比較的いつもの「BASARA」で、重めのしっかりとしたストーリーもありつつ、笑いもあるというところで、通常BASARAと僕は呼んでいます。笑劇というスペシャル公演もありますので、そこで思う存分笑いをやっていただけるのではないかと思っています。役者だけではなくスタッフもすごく大変なこの笑劇を僕も楽しみにしております。『紅』と『蒼』両方あわせてひとつの作品になっておりますので、『紅』見た人はより『蒼』で全体像が見えますし、『紅』見てない人でもひとつの「BASARA」としてしっかりお話ができていますので、楽しんでいただければと思います。
取材・文・撮影:松本裕美
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公演情報
眞嶋秀斗/沖野晃司、伊阪達也、橘龍丸/汐崎アイル/寺山武志、末野卓磨/佐々木祟 ほか
映像出演:松村龍之介、中尾拳也 ほか
■公演日程・会場
2018年12月21日(金)~12月30日(日) オルタナティブシアター(有楽町)
原作:CAPCOM(「戦国BASARA」シリーズ)
構成・演出・映像:ヨリコジュン
企画・原作監修:小林裕幸(CAPCOM)、山本真(CAPCOM)
シナリオ協力:松野出
プロデューサー:都田和志(エースクルー・エンタテインメント)、山浦哲也(エイベックス・エンタテインメント)
製作:エイベックス・エンタテインメント、エースクルー・エンタテインメント
エイベックス・エンタテインメント、エースクルー・エンタテインメント、サンライズプロモーション東京