平間壮一のソロイベント『Ｓ×？』vol.1、満を持して開催～「まだまだ上を目指したい」

ずば抜けた身体能力とリズム感をもって、様々な舞台でダンスパフォーマンスを見せる俳優・平間壮一。平間が企画を務め、ゲストと共にダンスパフォーマンスを披露するソロイベント『Ｓ×？』vol.1が、2018年12月26日（水）東京・品川 Club eXにて上演された。今回はゲストにダンスのみならず表現力にも長けているs**t kingz（シットキングス）のOguriを招き、一夜限りのクリスマススペシャルダンスショーを披露した。

歌あり、ショートストーリー仕立てのパフォーマンスあり、もちろんダンスもガッツリ踊りまくる、平間がやりたいことを全部詰め込んだ内容となっていた本イベント。特に平間が力を入れたのはショートストーリーのパート。満たされない思いを持つ少年が、夢のような世界で命を持ったかのように動き出した人形と出会い、心を通わせる。一緒に踊っているうちに少年は前向きに生きていけるようになったので、今度は少年から別のさみしそうな子どもにその人形を受け継いでいく……というハートフルストーリーだ。少年に扮した平間は人形役のOguriと共にパントマイムのようなダンスを交えつつ、ほっこりする世界を表現していた。

平間はダンスの合間にMCも務める。「普段は舞台で僕を見るお客さんの方が多いと思うので、ダンスだけでガッツリやるのはどうなんだろう？と思い、簡単なショートストーリーを作れないかな……ということで、このような内容にしてみました。ホッコリできましたか？」とおでこや前髪の汗を手でぬぐいつつ会場に呼びかけると、あたたかい拍手が沸き起こっていた。

MCの途中でOguriを招き入れると「ウィング高輪で買い物してきた」と今回のオフィシャルグッズを手にしたOguriが登場。グッズの紹介をひととおりした後、歌のコーナーでうまく歌えなかった話へ。「今日は（客席に）エリアンナが来ているから緊張しちゃって。歌上手い奴がいると緊張しちゃうよねー」と堂々と（笑）人のせいにして笑いを誘っていた。

今回の公演用の撮影時の話になると、平間とOguriの気が合い過ぎて「同じお母さんだな」とOguri。兄弟のようだったと語ると「本番が始まる前の言葉も同じ」と平間。二人とも少し自信がなくなるそうで「皆怖い顔で観ていたらどうしよう」という心境になると語り、観客が大笑い。そんな似た者コンビの“兄貴”Oguriは、平間の事を「吸収力が凄い。俺が教えた事をすごく練習してくるんです」と褒めると、平間は照れながら「もっと上を目指さねば」と口にしていた。

なお、今後の『Ｓ×？』で呼びたいゲストについては「テレホンショッキングみたいにゲストから次のゲストを紹介する形式でやってみようかな」と茶目っ気たっぷりで話した平間。「目指せYOSHIEさんだな……まだまだ先だなあ」と憧れの大先輩の名前を出し、いつかゲストとして迎えたいと希望を語っていた。

平間は最後に「4年前、初めて単独イベントをやった時、お客さんの顔を見た瞬間、僕が大泣きしてしまうというハプニングがあって（笑）。それまでのお仕事は僕じゃない誰かを観に来ているんだという感覚だったんです。応援しているよ、と言われても『そんなまさか』という気持ちで。それが単独ライブとなったときに目の前に多くのお客さんがいてうわっと（泣いてしまった）。今日も僕がやりたいダンスが皆さんの前で出来ると思うと泣きそうになっちゃって」と照れながら語り、改めて「もうすぐ29歳になるのでまだまだ（上を）目指そうと思います」と力強く宣言、観客は平間の姿がステージから姿が見えなくなるまで大きな拍手を送り続けていた。

終演後にこの公演をやってみての感想を平間に聞いてみたところ、「一つの夢が叶って、また自分に足りないところも分かって。こういう場を作れるのが本当に嬉しかったです。会場のお客さんがあったかいですね。あたたかいお客さんに恵まれています。皆、見守ってくださってるんです」とファンに対して感謝の想いを言葉にしていた。またショートストーリー部分については、「自分が想像しちゃうとダークな話になっちゃうんです。行き過ぎたアートみたいに伝わらない事になると皆が止めてくれる。最初はあの人形の頭に袋をかぶせたいと思っていたくらいなんです」とサイコホラーかサスペンスかと思うようなドキッとする発言を。だがその真意が「目から受け取るモノっていろいろあり、それを塞ぐ事で感情を無くしてしまった人が他の人の目を見るのが怖い、というイメージを作りたかった。その話を皆にしたら……こんなほっこりするストーリーになりました」と笑顔を見せていた。

取材・文・撮影＝こむらさき