ナオト・インティライミ、気合いと覚悟の“オマットゥリ”でファンに感謝「こうしてついて来てくれる、みんなが心の支えです」
撮影=新澤和久
12月29日(土)、ナオト・インティライミが、自身2度目、3年振りとなる単独ドーム公演『ナオト・インティライミ ドーム公演2018~4万人でオマットゥリ!年の瀬、みんなで、しゃっちほこ!@ナゴヤドーム~』を愛知県・ナゴヤドームで開催した。ライブ中には、2019年7月10日「ナオトの日」に毎年恒例のスペシャルライブをマリンメッセ福岡で開催することを発表している。
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世界を旅するシンガーソングライターとして知られるナオト・インティライミ。2018年は全国47都道府県の弾き語りツアーで日本を巡っていた彼が、3年ぶり、自身2度目となる単独ドーム公演をナゴヤドームで開催した。三重県出身ということで、“最寄りのドーム”であるナゴヤドームは彼にとって念願の場所。全国各地から駆けつけたファンと共に、年の瀬の晴れ舞台を存分に楽しんだ。
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ステージ上に置かれた小さな神社や、“煩悩の達人”と銘打って始まったリズムゲームなど、ファンを楽しませるアイデアが開演前のワクワクを後押しする。暗転するとお客さんの持ったペンライトが黄色にきらめき、ナオトが登場すると大歓声がこだました。「FUNTIME」でダンサブルにスタート。数十名のダンサーを引き連れ、軽快にステップを踏みながら歌うナオト。「ついにこの日が来たぜナゴヤドーム!ダンサーがいて、バンドがいて、っていう公演は2年半ぶりです。待たせたなー!」と挨拶し、「今日のセットリスト、エグいです。誰一人として置いていかないから覚悟しな!」とお客さんを焚きつけた。安定感抜群の歌声はもちろんのこと、軽妙なトークも彼のライブの魅力だ。
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お客さんを楽しませたいという思いをそのまま形にしたように、セットリストも演出も盛りだくさんだったこの日。そのひとつが「お初ティライミの人も楽しめるように!」と用意されたシングルメドレーだ。イントロの度に歓声が沸いた「恋する季節」や「君に逢いたかった」などの人気曲を終えて去ると、「皆様は、株式会社インティライミの社員ですね?」とアナウンス。そのまま“(株)インティライミグローバルパートナーズ”の会社説明ムービーがスタートした。その映像のクオリティに加え、スーツに着替え、代表取締役社長に扮したナオトが千鳥足で忘年会のスピーチをする演出にはお客さんも大爆笑。そんなユーモラスな味付けでありつつも、ムービーで伝えた“Catch the Global”の目標、「こころことば」で歌に乗せた〈ありがとう〉の気持ちは、彼の本心そのものだっただろう。
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半年間の旅を経て生まれた最新アルバム『7』からの楽曲も、趣向を凝らしたパフォーマンスで披露した。「Start To Rain」はカラフルな傘を使ったダンスで、「Sing a song」は動画配信サイト風にスクリーンの映像を連動させた。アップチューンが続く中で、「未来へ」の前には「2018年、あなたにとってどんな一年でしたか?」と静かに問いかけたナオト。今年日本で起きた災害の多さを振り返りながら、「生きていたら、明日いきなりどうにかなっちゃう可能性もある。みんな2018年、お疲れさま。歯をくいしばって頑張っているあなたへ贈ります」と続けて、噛みしめるような歌声に、全員吸い込まれるように耳を傾けた。
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「Ole!」からは再びお祭りソングが続き、ライブはいよいよ佳境へ。「サイコーだ!本当に、いい景色を見せてくれてありがとう」とナオト。「去年、日本での活動を休止して、世界に旅立った時にリスキーだって声もあった。実際に少なからずファンも減ったし(笑)、まだ前と同じような立ち位置に戻れてないと思う。でもあの決断がなければ、ニューアルバムも、ドームでのライブを作りあげることもできなかった。こうしてついて来てくれる、みんなが心の支えです。ありがとう」と清々しい表情で感謝を伝えた。サンバカーニバルさながらの華やかな「The World is ours!」で本編を締めくくると、アンコールではペンライトを使った光のウェーブが圧巻だった「いつかきっと」や、マイクを通さないナオトの生歌で始まった「カーニバる?」で文字通りのお祭り騒ぎ。ナオトの並々ならぬ気合いと覚悟に溢れた集大成の“オマットゥリ”は、大成功のうちに終幕した。
撮影=新澤和久
※原文ママ
ライブレポート=青木美穂