伊藤健太郎が『春のめざめ』で舞台初主演 南沢奈央は『恐るべき子供たち』で念願の白井晃演出に挑戦!

レポート
舞台
2019.2.7
(左から)松岡広大、柾木玲弥、南沢奈央、白井晃、伊藤健太郎、岡本夏美、栗原類

(左から)松岡広大、柾木玲弥、南沢奈央、白井晃、伊藤健太郎、岡本夏美、栗原類

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KAAT近現代戯曲シリーズ『春のめざめ』『恐るべき子供たち』が2019年4、5月に連続上演される。この製作発表会が2月6日(水)に神奈川・KAAT神奈川芸術劇場にて行われ『春のめざめ』に出演する伊藤健太郎、岡本夏美栗原類、『恐るべき子供たち』に出演する南沢奈央柾木玲弥松岡広大が2作品の演出を務める白井晃と共に出席した。

まず、白井から「昨今ミュージカルとして知名度を上げてきた『春のめざめ』ですが、今回の再演でもストレートプレイである事をしっかりとお見せしたい。初演時に好評を得たこの作品をKAATで継続的に上演できたら」と意欲を見せ、「新キャストの伊藤さん、岡本さんと初演から継続して出演いただく栗原さんと、新しい『春のめざめ』を作りたい」と語った。またもう一つの『恐るべき子供たち』について「ジャン・コクトーによる本作は若き頃より愛読していた。この作品を演劇にできないか、と思い、上演台本をノゾエ征爾さんに小説から書き起こしていただいてます。南沢さん、柾木さん、松岡さんという若きエネルギーで一緒に作り上げたいです」とそれぞれの出演者にエールを送った。

白井晃

白井晃

『春のめざめ』で主人公・メルヒオール役を演じる伊藤は「今回舞台が2度目なので、まだまだ素人のようなもの。白井さんやキャストの皆さんの胸を借りてしっかり演じていきたい」と語った。「台本を一度読んだ時はよくわからなかったが何度も読むと思春期の子どもたちが考えている事は時代を超えても変わらないと感じ、演じる上でさまざまな世代の人たちが思春期を想いながら楽しんでもらえるように頑張りたい」と初主演に向けて思いを馳せた。なお役どころに関連して自身の思春期を振り返った伊藤は「僕は心より図体の方がデカくなっちゃって心が追い付いてなく片っ端から反抗していました」と笑っていた。

伊藤健太郎

伊藤健太郎

メルヒオールの幼なじみ・ヴェントラ役の岡本は「前回の『春のめざめ』を客席で観劇させていただいたんですが、その日の日記に“ヴェントラ役をやりたかった”と書いてありました。その後ヴェントラ役のオーディションを受けさせていただけるという奇跡のような出来事がありました。ヴェントラは清潔な心を持った女の子ですが、身体と心に行き違いがある、そんな彼女の繊細な気持ちを表現できたら」と役に気持ちを寄せていた。自分自身の思春期は「既に大人と一緒に仕事をしていて、大人っぽいねとよく言われていたんですが、心が追い付かなくて。一方で好奇心も強くそんな点がヴェントラにも似ているので共感しながら演じていこうと思います」と振り返っていた。

岡本夏美

岡本夏美

もう一人の幼なじみ・モーリッツ役を演じる栗原は「朗読どんなに時代が進んでも、思春期に起こる身体の違い、そして身体と脳の違いは誰もが経験する苦痛や葛藤があると思います。白井さんの演出では美しさと人の醜さが前面に出ていたので、僕はすごく楽しんで演じていました。再演が決まったことは純粋に嬉しいです。前回白井さんから受けた稽古を今でも覚えているので今も引きずりそうですが、例え本が同じでもキャストが変われば新作だと思うので一から再構築していく気持ちで作っていきたいです」とコメントしてた。なお実際の自分はモーリッツよりはメルヒオールに近いそうで、「大人の言っている事が分からず、社会は自分に嘘をついていると思って生きていました。逆にモーリッツが自分で自分を追い込むような発想なのか不思議で仕方がなかった」と役と重ねて思い浮かべていた。

栗原類

栗原類

一方『恐るべき子供たち』で主演のエリザベート役を演じる南沢は「白井さんの演出は初めてなのですが、実はずっとご一緒したいと思っていたので、このお話をいただいたとき是非やりたいと思いました。原作を読みましたが、すごく難しいなという印象がありました。私も年齢が三十代に近づいてきて『大人っぽくなってきた』と言われてきたところで子供役をやりますが、子どもの複雑な心境を表現できたらと思っています。白井さんからも『大変だと思うけれど、覚悟して』と言われたので、心して挑みたいです」と気合いを入れた。なお白井の作品に心惹かれたのは「細やかな所まで描かれている事やいろいろな仕掛けがある事、計算されて一つの作品が作られている事」とのこと。

南沢奈央

南沢奈央

エリザベートの弟・ポール役を演じる柾木は「僕は最後の舞台出演が3年前で、経験も浅いですが、繊細なポールを一生懸命演じて素敵な作品にできたら」と語る。柾木自身とポールの共通点は「青白い肌と病的なところ(笑)。内面的なところはまだこれからなので、台本をあと500回くらい読む予定」と笑いを誘った。

柾木玲弥

柾木玲弥

ポールの友人・ジェラール役を演じる松岡は「今回、白井さんの演出を受けられる事、KAATで芝居が出来る事を光栄に思っています。戯曲は初挑戦で緊張していますが、本番までしっかり頑張っていきたいです」と意欲を見せていた。自身が演じる役については「ジェラールは客観的に物事を見ているタイプで、一線は超えたくはないが、でも二人とは離れたくない。思春期に入ると相手とのそんな距離感を考えるようになるし、誰もがそういう経験をしていくんじゃないかなと。原作の小説は3周目に入りましたが台本が出来上がったら僕も500回くらい読みたい(笑)」と柾木の発言に乗っかっていた。

松岡広大

松岡広大

『春のめざめ』を再演するにあたり、初演からの変更点を聴かれた白井は、「初演時は少年少女が社会と隔絶された形で、まるで実験のプラスチックの箱に閉じ込められたような窮屈さの中で青春期を送っているという設定で作りました。その部分はまったく変えるつもりはありません。ただ、新しい俳優と一緒に作ると、どうしても変わってくることもあるし、稽古中に新しいアイデアが浮かんでくるかもしれませんね」と語る。

また『恐るべき子供たち』の上演台本をノゾエに託した理由については「自分だけの視点で見るよりは俯瞰で見たいと思ったんです。劇作家でもあるノゾエさんがどう見るか、ノゾエさんは演劇的な仕掛けを必ず一つは入れてくるのでそこに興味があったんです。現時点の台本はノゾエさんの視点が含まれていて面白く読んでいます」と出来上がりに気合いをさせていた。

取材・文・撮影=こむらさき

公演情報

KAAT 神奈川芸術劇場プロデュース『春のめざめ』
 
原作:フランク・ヴェデキント
翻訳:酒寄進一
構成・演出:白井晃
音楽:降谷建志
振付:平原慎太郎
出演:伊藤健太郎 岡本夏美 栗原類
小川ゲン 中別府葵 古木将也 長友郁真 竹内寿 有川拓也 川添野愛 三田みらの
あめくみちこ 河内大和 那須佐代子 大鷹明良
 
■公演日程:2019 年 4 月 13 日(土)~4 月 29 日(月・祝)
会場:KAAT 神奈川芸術劇場 大スタジオ
チケット発売日:2019 年 2 月 10 日(日)
チケット料金:一般 6,500 円
U24 チケット(24 歳以下)3,250 円 高校生以下割引(高校生以下)1,000 円
シルバー割引(満 65 歳以上)6,000 円 ※全席指定・税込
窓口:KAAT 神奈川芸術劇場 2F(10:00~18:00) ほか
企画製作・主催:KAAT 神奈川芸術劇場 http://www.kaat.jp/
お問合せ:チケットかながわ 0570-015-415(10:00~18:00)
 
■地方公演
<東広島公演>
公演日程:2019 年 5 月 6 日(月・振休) 13:00
会場:東広島芸術文化ホールくらら 大ホール
チケット発売日:2019 年 2 月 10 日(日)
チケット料金: S 席 6,000 円、A 席 5,000 円、B 席 4,000 円(学生 B 席:3,500 円)※全席指定・税込
主催:東広島芸術文化ホール指定管理者/東広島市教育委員会
お問合せ:東広島芸術文化ホール くららチケットセンター 082-426-5990(10:00~19:00 土日祝営業)
 
<兵庫公演>
公演日程:2019 年 5 月 11 日(土)18:00、12 日(日)13:00
会場:兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール
チケット発売日:2019 年 2 月 10 日(日)
チケット料金:一般 6,500 円 ※全席指定・税込
主催:兵庫県、兵庫県立芸術文化センター
お問合せ:芸術文化センターチケットオフィス 0798-68-0255(10:00~17:00/月曜休み ※祝日の場合翌日)
 

公演情報

KAAT神奈川芸術劇場プロデュース『恐るべき子供たち』
 
原作:ジャン・コクトー(コクトー 中条省平・中条志穂:訳「恐るべき子供たち」/光文社古典新訳文庫)
上演台本:ノゾエ征爾
演出:白井晃
出演:南沢奈央、柾木玲弥、松岡広大 ほか
 
公演日程:2019年5月18日(土)~6月2日(日)
会場:神奈川県 KAAT神奈川芸術劇場 大スタジオ
 
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