『クマのプーさん展』が大阪・あべのハルカス美術館で開催 貴重な原画や資料から、魔法の森の物語をひもとく

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2019.2.27
「ながいあいだ、三人はだまって、下を流れてゆく川をながめていました」、 『プー横丁にたった家』第6章、E.H.シェパード、鉛筆画、1928年、  ジェームス・デュボース・コレクション (C) The Shepard Trust

「ながいあいだ、三人はだまって、下を流れてゆく川をながめていました」、 『プー横丁にたった家』第6章、E.H.シェパード、鉛筆画、1928年、 ジェームス・デュボース・コレクション (C) The Shepard Trust

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2019年4月14日(日)まで、東京・渋谷のBunkamura ザ・ミュージアムで開催中の『クマのプーさん展』。大阪展が、4月27日(土)~6月30日(日)まで、あべのハルカス美術館で開催される。

食いしん坊でおっちょこちょい、いまでは誰もが知る世界一有名なクマ「プーさん」は、1926年にイギリスで生まれた。物語を書いたA.A.ミルンと、イラストを描いたE.H.シェパード。ふたりの共作によって生まれた機知とユーモアあふれる世界は、いまも世界中の人々を魅了し続けている。シェパードが鉛筆で描いたプーさんの原画を世界最大規模で所蔵するイギリスのヴィクトリア・アンド・アルバート博物館(V&A)から2019年、『クマのプーさん展』が、日本にやってきた。「クマのプーさん」がどのように生まれ、愛されてきたのか。魔法の森の物語をひもといていこう。

見どころ1:V&Aによる決定版の「クマのプーさん展」、待望の日本開催

「バタン・バタン、バタン・バタン、頭を階段にぶつけながら、クマくんが二階からおりてきます」、 『クマのプーさん』第1章、E.H.シェパード、鉛筆画、1926年、V&A所蔵 (C) The Shepard Trust

「バタン・バタン、バタン・バタン、頭を階段にぶつけながら、クマくんが二階からおりてきます」、 『クマのプーさん』第1章、E.H.シェパード、鉛筆画、1926年、V&A所蔵 (C) The Shepard Trust

1973年、「クマのプーさん」の作者のひとりであるE.H. シェパードが、270点以上にもおよぶ原画や資料をV&Aに寄贈した。本展は、この貴重なコレクションを中心にして企画された初めての『クマのプーさん展』であり、シェパードの鉛筆素描画をはじめとする作品200点以上で構成されている。母国イギリス(ロンドン)とアメリカ(アトランタ、ボストン)を巡回し、2019年、ついに日本で開催となった。

見どころ2:「クマのプーさん」誕生秘話を貴重な資料で

「枝には、ハチミツのつぼが10ならんでいて、そのまんなかに、プーが…」、『クマのプーさん』第9章、 E.H.シェパード、ラインブロックプリント・手彩色、1970年 英国エグモント社所蔵  (C) E.H. Shepard colouring 1970 and 1973 (C) Ernest H. Shepard and Egmont UK Limited

「枝には、ハチミツのつぼが10ならんでいて、そのまんなかに、プーが…」、『クマのプーさん』第9章、 E.H.シェパード、ラインブロックプリント・手彩色、1970年 英国エグモント社所蔵 (C) E.H. Shepard colouring 1970 and 1973 (C) Ernest H. Shepard and Egmont UK Limited

シェパードは原画とともに、貴重な制作資料や写真、手紙などもV&Aに寄贈した。ミルンとシェパードは、どのように世界中で愛される「クマのプーさん」を生み出したのか。そこには、ふたりとその家族の物語があった。貴重な資料で、プーさん誕生の秘密に迫る。

見どころ3:プーさんの冒険の名場面をぬくもりあふれる鉛筆画やペン画で

「プーとコブタが、狩りに出て…」、『クマのプーさん』第3章、E.H.シェパード、ペン画、1926年、  クライブ&アリソン・ビーチャム・コレクション (C) The Shepard Trust

「プーとコブタが、狩りに出て…」、『クマのプーさん』第3章、E.H.シェパード、ペン画、1926年、 クライブ&アリソン・ビーチャム・コレクション (C) The Shepard Trust

ミルンの言葉と、シェパードの絵が響き合って生まれた名作『クマのプーさん』(1926)と『プー横丁にたった家』(1928)。世界中を魅了する「クマのプーさん」の世界の原点は、全20編の短編からなるこの2冊の児童文学だ。この物語の中でプーさんたちが暮らす「百町森(100エーカーの森)」は、ロンドン郊外にいまもある「アッシュダウンの森」がモデルとなっている。この森を舞台に繰り広げられる冒険の数々の名場面を、シェパード直筆の原画で紹介する。

見どころ4:アートとしての「クマのプーさん」

「ハチのやつ、なにか、うたぐってるようですよ」、『クマのプーさん』第1章、 E.H.シェパード、鉛筆画、1926年、V&A所蔵 (C) The Shepard Trust

「ハチのやつ、なにか、うたぐってるようですよ」、『クマのプーさん』第1章、 E.H.シェパード、鉛筆画、1926年、V&A所蔵 (C) The Shepard Trust

最終的に本として印刷されるにあたっては、言葉と絵がどのように配置されるかというページレイアウトにもこだわったふたり。シリーズの初版本から、独創的で遊び心に満ちた画面で読者を魅了した。1926年に出版されて以降、50以上の言語に翻訳され、全世界で5,000万部以上のシリーズ本が出版されている「クマのプーさん」。展覧会では、今まで気がつかなかったその魅力の奥深さをアートの視点からもひもといていく。

A.A.ミルン、クリストファー・ロビン・ミルンおよびプー・ベア、ハワード・コスター撮影、1926年 (C) National Portrait Gallery, London.

A.A.ミルン、クリストファー・ロビン・ミルンおよびプー・ベア、ハワード・コスター撮影、1926年 (C) National Portrait Gallery, London.

イベント情報

クマのプーさん展
会期:2019年4月27日(土)~ 6月30日(日)
会場:あべのハルカス美術館
開館時間:火~金 / 10:00~20:00、月土日祝 / 10:00~18:00 *入館は閉館30分前まで
休館日:5月13日(月)、20(月)、27(月)
公式サイト:https://wp2019.jp/
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