ニューフィル千葉は山下一史を迎える

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創設者以来の「音楽監督」として

11月10日、ニューフィルハーモニーオーケストラ千葉(以下ニューフィル千葉)は「2016年4月より山下一史を音楽監督に迎える」と発表した。

今年の7月に、現在常任指揮者を務める大井剛史の任期満了(来年3月末)での退任が発表されてから、ニューフィル千葉の後任人事については注目されてきた。そしてオーケストラはこの期間に熟慮検討した上で、大井の「次の常任指揮者」ではなく、オーケストラの創設者である伴有雄(1933-1985)以来の、演奏のみならず楽団全体の方針にまで責任を負う音楽監督として山下を迎える。1993年の顔合わせ以来これまでに24回に及ぶ共演などを踏まえての決断だろう。

山下一史が1988年に鮮烈にデビューしたことを記憶しているファンも多いだろう。1986年にニコライ・マルコ国際指揮者コンクールで優勝し、ベルリンではカラヤンのアシスタントを務める若き指揮者はその後、海外では1993年から5年にわたってヘルシンボリ交響楽団(スウェーデン)の首席客演指揮者を務め、国内では現在まで九州交響楽団、大阪音大ザ・カレッジ・オペラハウス管弦楽団や仙台フィルハーモニー管弦楽団のポストを歴任した。

ニューフィルハーモニーオーケストラ千葉は、千葉県唯一のプロオーケストラとして県内を中心に活動している。団の定期演奏会や県のイヴェントのほか、各地での学校コンサートなどで県民には親しまれている。

2009年10月から常任指揮者を務めた大井剛史は在任中にベートーヴェンの交響曲全曲演奏会を成功させるなどの成果を残したつつも前述のとおり契約を延長しなかったが、それは「ニューフィル千葉を愛するがゆえ、更なる発展を願」(大井剛史 退任の挨拶より)うが故だ、としていた。そして今回発表されたとおり、ニューフィル千葉は山下一史と「新しい展開」(同挨拶より)を始めることになった。

ニューフィル千葉にとってのみならず、首都圏のオーケストラに腰を据えての音楽監督の職は山下にとっても大仕事となることだろう。新時代を迎える山下一史とニューフィル千葉に注目、である。

なお山下一史は、今月15日(日)には東京芸術劇場で開催される「第6回音楽大学オーケストラ・フェスティバル 2015」にて東京藝術大学のオーケストラを指揮してシュトラウスの「ツァラトゥストラはかく語りき」を披露するが、この演奏会は彼が近年注力してきた後進育成の集大成ともなるだろう。ニューフィル千葉と創りあげる未来はそこにも見える、かもしれない。

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