現代美術家・中島晴矢の映像作品『バーリ・トゥード in ニュータウン』3部作を一挙上映する個展が開催

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アート
2019.3.29

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現代美術家・中島晴矢の個展『バーリ・トゥード in ニュータウン』が、2019年4月12日(金)〜4月30日(祝・火)まで、東京・阿佐ヶ谷のTAV GALLERYにて開催される。

中島晴矢は、映像、絵画、立体など、さまざまな手法により作品を制作する作家であり、通底するスタイルとしては、創作活動において極めてコンセプトを重視している点が挙げられ、Chim↑Pomを率いる卯城竜太やカオス*ラウンジ代表の黒瀬陽平、東京都現代美術館学芸員の藪前知子から高い評価を受けるなど、日本の現代美術の地殻変動を象徴する作家のひとりとして注目を集めている。

また、中島晴矢は、法政大学文学部で日本近代文学を学んだ傍ら、美学校出身、渋家創設メンバーであったという出自が示す通り、アートシーンにおけるオルタナティブな領域を活動の足場とし、時代を牽引するさまざまなアート・コレクティブと活動を共にし続け、さらに、近年は、カルチャーメディアCINRA.NETが主催するイベント「NEWTOWN」にて、企画展のキュレーションをおこなうなど、美術家としての活動領域を拡げている。

こうした幅広い活動は、中島が、展覧会のみならず、前衛演劇への参加や、ヒップホップユニット「Stag Beat」のMCのほか、執筆活動として「アート・ランブル」(Ohta Collective)、「Street ReView」(M.E.A.R.L) を連載するといった現代美術の枠に収まらない経験を積み重ねてきたなかで生み出してきたものだ。

中島晴矢「バーリ・トゥード in ニュータウン」Video, サイズ可変, 2014

中島晴矢「バーリ・トゥード in ニュータウン」Video, サイズ可変, 2014

本展覧会は、中島晴矢の現時点での代表作といえる、同名の映像作品シリーズを一堂に上映。全3部からなる本シリーズは、2014年の第1作の発表から最終作が完成した2018年まで、これまでに1展示1作品の発表しかされておらず、その全てが一挙に上映されたことはない。

『バーリ・トゥード in ニュータウン』は、端的に言えばニュータウンの街中で延々と路上プロレスを繰り広げる映像作品であり、もともと、大日本プロレスのレスラーたちが商店街で何でもありのデスマッチを敢行する『ケンドー・ナガサキの バーリ・トゥード in 商店街』という、中島晴矢が中学生の時に衝撃を受けたカルトビデオを下敷きにして、ニュータウンという強固な日常を虚実の入り混じったプロレスの介入よって読み替え、非日常化しようと足掻く試みとして制作された。

中島晴矢「バーリ・トゥード in ニュータウン-パルテノン-」Video, サイズ可変, 2017

中島晴矢「バーリ・トゥード in ニュータウン-パルテノン-」Video, サイズ可変, 2017

シリーズ完成を機会にした今回の個展は、それぞれ2日間の上映など発表が限られていた『バーリ・トゥード in ニュータウン-パルテノン-』『バーリ・トゥード in ニュータウンーエキスポー』を含む、全3部に通しで立ち会うことになる初めての展覧会となる。

また会期中には、哲学者である千葉雅也を招いた、中島晴矢とのトークイベントも開催される。

中島晴矢「バーリ・トゥード in ニュータウンーエキスポー」Video, サイズ可変, 2018

中島晴矢「バーリ・トゥード in ニュータウンーエキスポー」Video, サイズ可変, 2018

イベント情報

中島晴矢個展『バーリ・トゥード in ニュータウン』
会期 : 2019年4月12日 (金) – 4月30日 (祝・火)
会場 : TAV GALLERY (東京都杉並区阿佐谷北1-31-2) [03-3330-6881]
時間 : 13:00 – 20:00
休廊 : 水曜、木曜
レセプションパーティ : 4月12日 (金) 18:00 – 20:00
トークイベント :
4月19日 (金) 13:30 – 15:00 / 千葉雅也 × 中島晴矢
一般2,000円、学生1,000円

プロフィール

中島 晴矢(なかじま・はるや)
Artist/Rapper (Stag Beat) / Writer
1989年神奈川県生れ。法政大学文学部日本文学科卒業、美學校修了。
http://haruyanakajima.com/
[主な個展]
2017「SURGE」(gallery TURNAROUND, 仙台)
2017「麻布逍遥」(SNOW Contemporary, 東京)
2015「ペネローペの境界」(TAV GALLERY, 東京)
2014「上下・左右・いまここ」(原爆の図 丸木美術館, 埼玉)
2014「ガチンコーニュータウン・プロレス・ヒップホップー」(ナオ ナカムラ, 東京)
2012「REACH MODERN」(ギャラリーアジト, 名古屋)
2011「BAD ROMANCE」(棚ガレリ, 東京)
[主なグループ展]
2018「SURVIBIA!!」(NEWTOWN2018, 東京)
2018「変容する周辺 近郊、団地」(品川区八潮団地内集会所, 東京)
2018「Preview」(EUKARYOTE, 東京)
2017「ニュー・フラット・フィールド」(NEWTOWN, 東京)
2017「ground under」(SEZON ART GALLERY, 東京)
2016 カオス*ラウンジ新芸術祭2016 市街劇「小名浜竜宮」(萬宝屋, 福島)
2016「現在戦争画展」(TAV GALLERY, 東京)
2015「前線」(ナオ ナカムラ, 東京)
2014「旅公演(どりふと)」(東京都美術館 ギャラリーA, 東京)
2013「美學校ダウナーサイド」(Trans Arts Tokyo 2013, 東京)
2013「イケる気がする 展」(HIGURE 17-15 cas, 東京)
2012「Village Project HOUSE100」(The Container, 東京)
2011「Art Gig Tokyo 2」(玉井病院, 東京)
2011「わくわくSHIBUYA」(トーキョーワンダーサイト渋谷, 東京)
2011「VIVA☆CO」(棚ガレリ, 東京)
2010「渋家トリエンナーレ2010」(渋家, 東京) 
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