全国の地酒と日本橋界隈の名店を探検できる呑助イベント『日本橋エリア日本酒利き歩き』に参加してみた

レポート
イベント/レジャー
2019.5.2

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『第7回 日本橋エリア 日本酒利き歩き』
2019年4月13日(土)日本橋エリア

今回レポートするイベントは『第7回 日本橋エリア 日本酒利き歩き』。日本酒を利き酒しながら歩き回る、ということである。ホームページを見てみると「時間の許す限り、好きなだけ飲み放題」的なことが書いてあるではないか。この時点ですでにワクワクである。

イベント当日は13:00(当日券は14:00)から、人形町の新川屋佐々木酒店、大伝馬町のDALIA食堂、室町のコレド室町日本橋案内所の3箇所で受付開始。表敬訪問を兼ねて、このイベントの中心的な役割を果たしている新川屋佐々木酒店で受付をすることにする。

人形町駅から甘酒横丁を進むとすぐに行列に遭遇。おおー、すでにここから行列しているのか、と思いきやここは日本三大鯛焼きの一つ、柳屋の行列であった。これを通り越して進むと、おおおー! これはこれはもの凄い行列ではないか。前売り券の行列と、当日券の行列が左右から1ブロックを囲むように続いている。呑助大集合である。

受付と言っても、チケットのもぎりと交換に利き歩きセットをもらうだけなので、スムーズに進んでいく。利き歩きセットの中身は、利き酒用のお猪口、利き歩きマップ、参加のお店とそこで飲める日本酒の銘柄と肴の解説冊子、お手拭き、ボールペン。

スタートの前に作戦会議である。日本橋エリアというと、非常に広範囲なのだ。ちなみに“日本橋ホニャララ”というような、日本橋を冠する住所は19箇所あり、本家日本橋を入れると20箇所になる。マップによると今回のイベントは、水天宮前駅から人形町駅を通り小伝馬町駅に続く、人形町通りの左右に広がるエリア。もうひとつが日本橋室町から『麒麟の翼』で有名な日本橋に続く、中央通り沿いに広がるエリアである。これはかなり広範囲。詳しくはマップを参照してほしい。

この範囲内の60箇所のお店で、65種類の酒蔵のお酒と各店自慢の肴が、飲んで食べてと手招きしているのである。その他、22箇所の振舞酒コーナーでも、今回参加している酒蔵のお酒を飲むことができる。

さてさてどこの店から、どのように巡っていこうか、悩んでしまう。と、地図を見て検討していると、受付を終えた参加者がお猪口を手に、続々と追い越していくではないか。いかん、出遅れてはいけない。まずは近場でエネルギー注入だ。

さあ、マップとお猪口を手に利き歩きのスタートである。地図を見ながらと思っていたら、そこかしこにオレンジ色の利き歩きののぼり旗が立っているではないか。なーんだ、悩んで損をした。のぼり旗を目指して行けばいいのである。

受付場所の近くは行きやすいこともあり、すぐに行列ができている。まずは最初のお店の列に並んでみよう。前に並ぶおじさん(失礼)は早くもうっすら赤ら顔である。なんと、すでに2軒まわり、ここが3軒目とのこと。やるなぁ、なかなかのツワモノである。ちなみに亀有在住の方であった。

ずらりと7銘柄の一升瓶が並んでいる。ここではスタートから飲めるのが5銘柄、14:00開栓と16:00開栓が2銘柄。冊子には、各銘柄の能書きと金額、そしてその蔵の特別なお酒の開栓時間が記載されている。開栓時間が決められているのは、蔵の中でも希少なお酒である。14:00開栓は1升で8,333円の大吟醸、16:00開栓は一升で10,000円の純米大吟醸である。

なるほど、このイベントの常連さんは、これを元に利き歩きルートを決めているのだな。運良く14:00過ぎだったので、特別なお酒からいただくことにしよう。一升瓶の前には、注ぎやすいように予めカラフェに移してある。お猪口にトクトクトクっと注ぐ。参加証として配られた、うさぎの絵の入ったお猪口は2.5勺サイズ。すり切りで45ccのお猪口である。普通に7分目ほど注ぐと30ccというところか。

さぁ、本日の1杯目である。ゴクリ、と喉は鳴っていないが、そんな感じで味わう。う~ん、旨い! 先程、金額を書いたが、このときは金額を知らなかった。本当に美味しい1杯である。思わず「美味しいですね!」と感想が出てしまう。すると「お代わりしてください」と蔵元の方がニッコリするではないか。そうそう、この利き歩きは1銘柄1杯などという制限はなく、飲み放題なのである。もちろん節度を持って常識の範囲で、ではある。酔っ払う前に、できるだけ美味しいお酒から飲んでいこうと決心し、次の店に向かおう。

行列に並んでいる間にもおすすめのお酒を振る舞ってもらえることも♡

行列に並んでいる間にもおすすめのお酒を振る舞ってもらえることも♡

歩きながら考えてみると、蔵毎に3銘柄、多いところでは12銘柄を飲むことができる。それかける65蔵なので、全部飲んだら(肝臓的にも時間的にも無理だとは思うが)すごい量になる。これは気をつけて、できれば計画的に回りたいところである。と思っていたら次のお店の行列にたどり着いたので並んでみよう。

並ぶこと15分くらいで入店。和食のお店であるが、このイベントのためにテーブルや椅子は片付けられている。ここでは新しく仕込んだお酒の初披露に遭遇。酵母も造りも全く違う大吟醸とのこと。早速いただいてみよう。お猪口を差し出すとなみなみと注いでくれたのである。ほんのりデリシャス香を含んだ芳醇な吟醸香である。では一口。ほほおぅこれは、予想通りというか、それ以上の美味しさだ。

「このお酒の発売は決まっているのですか?」と訊くと「まだ決めていないんです。このイベントでの評価を含めて決めようと思っています」と。他の蔵元も「日本酒好きの集まるイベントだけに、参加者の意見はとても参考になります。酔うと本音が聞けますから」とおっしゃる。商品のサンプリングとマーケットリサーチの場として、蔵元にとってこのイベントは絶好の機会のようだ。

おつまみのレポートもしておこう。お酒には肴がつきものである。何も食べずに飲み続けると、気分的にも早く酔ってしまいそうだ。でもご安心を。このイベントに参加している店では、各々オリジナルのおつまみを用意している(※料理は別料金)。例えば鳥の竜田揚げ、ししゃもの天ぷら、ホタルイカの沖漬け、季節のお浸し、アワビの柔らか煮、豆腐の酒粕味噌漬けなど日本酒がすいすい進んでしまう酒の肴から、酒粕を使ったリゾット、カレー、薪窯焼きのピザなどお腹にたまるメニューもある。利き酒はもとより、日本橋界隈の銘店をお試し的に探検することもできるイベントのようだ。

土曜日の日本橋ビジネス街エリアは、人もクルマも少なく、営業している店もまばら。歩いている人を見かけると、ほとんど手にお猪口を持っているのである。その人についていくと、オレンジ色ののぼり旗にたどり着ける。

その後、数軒はしごをして小伝馬町エリアに突入。ここも受付場所だけあって、ポイントがたくさんある。

比較的空いている店があったので入ってみると、そこは振舞酒コーナーであった。カウンターの上には10種類ほどの日本酒が並んでいる。吟醸酒に征服されつつある脳みそを振り絞って銘柄を読むと、通り過ぎてしまったお酒があるではないか。そうかぁ、振舞酒コーナーはこんな時のためにあるのか、ありがたい、と勝手に思いながらお目当てのお酒をトクトクトク。

泥酔する前に振舞酒コーナーで、参加者に話を聞いてみた。

「去年は飲みすぎてちょいとやらかしてしまったから、今年はおとなしくしていました(笑)」とほぼほぼ出来上がっている二人組の男性。やらかした内容は訊かないことにして、このイベントの魅力を訊いた。

「あなたもかなり飲んでわかったでしょう。いい酒、旨い酒、高い酒が思う存分飲めて、普段は敷居の高そうな日本橋のお店を体験できるなんて、呑兵衛にはたまらなく幸せなイベントですよ」と上機嫌である。また、近くにいた女性ははじめての参加とのこと。「いつもは通り過ぎてしまっていた日本橋の裏路地も体験できて、楽しかったですぅ。食べ物だけでも充分楽しめるので、来年はお酒が飲めない友達も誘おうと思います」。期待通りの素晴らしいコメントである。

それぞれの蔵元さんの仕込み水もいただくことができます

それぞれの蔵元さんの仕込み水もいただくことができます

ふ~、かなり酔っ払ってしまった。飲んでも飲んでも、もっと飲みたいと思うお酒ばかりである。今回は14箇所のポイントを回り、50あまりの銘柄を試したところでタイムアップの18:00。残念ながら室町エリアは諦めるしかない。

日本酒好きにとって、こんなに素晴らしいイベントがあったとは。過去に参加できなかったのがとても残念だ。後日聞いたところによると、今年は7,500人もの参加があったという。来年は肝臓の調子を整え、室町エリアからじっくり楽しみたいと思う。今年のマップと小冊子を参考書として、一年かけてじっくりと利き歩き計画を練ろうと思いながら沈没したのである。

取材・文=ハルマキケンジ 撮影=SPICE編集部

■出展銘柄
大天狗(福島・大天狗酒造)
綿屋(宮城・金の井酒造)
水鳥記(宮城・(株)角星)
角右衛門(秋田・木村酒造)
上喜元(山形・酒田酒造)
豊賀(長野・高沢酒造)
今錦(長野・米澤酒造)
吟田川(新潟・代々菊酒造)
鶴齢(新潟・青木酒造)
亀甲花菱(埼玉・清水酒造)
昇龍蓬莱(神奈川・大矢孝酒造)
雄東正宗(栃木・杉田酒造)
土田(群馬・土田酒造)
龍力(兵庫・本田商店)
白木久(京都・白杉酒造)
池雲(京都・池田酒造)
一博(滋賀・中澤酒造)
羽根屋(富山・富美菊酒造)
谷泉(石川・鶴野酒造店)
加賀鳶(石川・福光屋)
越前岬(福井・田辺酒造)
三千盛(岐阜・(株)三千盛)
若葉(岐阜・若葉(株))
田友(新潟・高の井酒造)
臥龍梅(静岡・三和酒造)
蓬莱泉(愛知・関谷醸造)
楽の世(愛知・丸井合名)
田光(三重・早川酒造)
作(三重・清水清三郎商店)
誉池月(島根・池月酒造)
龍勢(広島・藤井酒造)
旭鳳(広島・旭鳳酒造)
華姫桜(愛媛・近藤酒造)
豊能梅(高知・高木酒造)
古伊万里前(佐賀・古伊万里酒造)
末廣(福島・末廣酒造)
隠岐誉(島根・隠岐酒造)
沢の鶴(兵庫・沢の鶴(株))
賀茂鶴(振舞)(広島・賀茂鶴酒造)
三芳菊(徳島・三芳菊酒造)
萩錦(静岡・萩錦酒造)
白龍(福井・吉田酒造)
日下無双(山口・村重酒造)
廣喜(岩手・廣田酒造店)
上善如水(新潟・白瀧酒造)
神渡(振舞)(長野・豊島屋)
桃川(青森・桃川(株))
門外不出(栃木・西堀酒造)
半蔵(三重・大田酒造)
宮の雪(三重・宮崎本店)
若鶴(富山・若鶴酒造)
名倉山(福島・名倉山酒造)
豊祝(奈良・奈良豊澤酒造)
梅の宿(奈良・梅乃宿酒造)
喜楽長(滋賀・喜多酒造)
李白(島根・李白酒造)
NAMI(メキシコ・SAKECUL)
英君(静岡・英君酒造)
御前酒(岡山・辻本店)
酉与右衛門(岩手・川村酒造店)
富久心(茨城・椎名酒造店)
睡龍(奈良・久保本家酒造)
まんさくの花(秋田・日の丸醸造)
常山(福井・常山酒造)
香住鶴(兵庫・香住鶴(株))
山本(秋田・山本合名)
 
 
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