舞台『ピカソとアインシュタイン』開幕! 川平慈英、同役の村井良大の演技を「相当パクってます!」と笑顔

2019.4.27
レポート
舞台

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2019年4月25日(木)、東京・よみうり大手町ホールにて舞台『ピカソとアインシュタイン』が開幕した。20世紀を代表する二人の天才ピカソとアインシュタインがまだ20代の血気盛んな頃、もし、本当に出会っていたら? という着想から生まれたファンタジック・コメディーだ。初日が開けた翌日、同劇場にて公開フォトコールと囲み会見が行われた。

フォトコールでは、BLUEチームとROSEチームに分かれてそれぞれ10分ほどの場面を披露する形式で行われた。

BLUEチームではアインシュタイン(村井良大)と、店の客全員がピカソ(三浦翔平)が店に来るのを願っていると、そこへピカソが登場するという場面。三浦は店に入って来るやいなや、全身を最大限に使って劇場のすみずみまで若きエネルギーを発散する。もう一人の天才・アインシュタイン役の村井は、三浦とは逆にほとんど動かず静かにもう一人の天才の言動をどこか観察しているように見つめている。と思いきや、突然動き出し三浦への興味と共に自身のこだわりや好奇心を嬉しそうにさらけだし、ジャンルこそ違うがもしかしたら二人はどこか似た感性を持っているのでは? と感じさせた。

一方のROSEチームではピカソ(岡本健一)とアインシュタイン(川平慈英)の議論がいつの間にか店全体を巻き込み、まったく共通項がないと思っていた二人が議論を重ねるうちに自分たちの共通項に気づき始めるという、BLUEチームよりさらに先の時間の場面を見せた。三浦、村井とはまた違う色合いを見せるROSEチームは、川平が熱弁(?)を振るい、語りまくるアインシュタイン像を見せ、そんなアインシュタインをピカソ役の岡本がじっと見つめていた。だが、岡本いやピカソも一度議論に火が付くと溢れんばかりの熱を放ち出す。BLUEチームで感じた予感が的中するような光景だった。

フォトコール後に行われた囲み取材には、岡本健一、三浦翔平川平慈英村井良大が演出のランダル・アーニーと共に出席し作品への想いを語った。

ランダル・アーニー(演出)は、「19年前に健一さん、慈英さんと同じ作品でご一緒させていただきましたが、また戻ってくることができた事を非常に喜んでいます。さらに若いお二方(三浦、村井)が二人の天才の違う局面を見せる事ができてとても嬉しいです」と喜びを口にする。今回は役柄を変えた2チーム制で上演することとなったが、「まったく同じ台詞を喋っていただき、同じステージ上の動線をたどっていただくんですが、4人ともそれぞれが独自のピカソ、独自のアインシュタインを演じていました」と話す。

川平は、岡本と19年ぶりの共演について「若干、身体が重くなったかな? でも健一と再会した時、19年はさーっとなくなりました」と語る。すると、岡本も「タイムトラベルしたみたいだね」と笑顔。川平は現在の自分たちについて「むしろ僕たちは幼児化している。年を取る事で恥ずかしさがなくなっています。少年のような感じで取り組めたのが嬉しかった」と分析していた。

阿吽の呼吸を見せる岡本・川平コンビを見つめる三浦と村井。村井は「(先輩コンビは)初演、再演と2回本番を経験しているから、全然違いますね。息もぴったりだし。そんな空気に僕らも追いつかないと、と必死でした」と尊敬の念を示すと、三浦も「お二人は土台がしっかりしているから大丈夫でしょうが、僕らは土台から作らないとならなかったので大変でした」と初日までの道のりを振り返っていた。

若い二人が自分たちが演じた役を演じる事について質問が振られると、川平は同じアインシュタイン役を演じる村井の演技を「相当パクっています!」というと皆爆笑。だが、村井の演技から「あ、そういう事だったんだ! と初めて理解したこともありますね」と気づきを述べた。
その言葉に村井は「慈英さんの演技はパクりたくてもパクれない。“慈英さんイズム”がありすぎて」と笑いをこらえきれない様子。稽古場でも爆笑の連続だったそうだ。すると川平は「そんなの、ムムッ! とかクーッ!って言えばいいんだよ」と笑いを誘っていた。

“慈英さんイズム”がさく裂しています!

ピカソを演じる岡本は、三浦が同役を演じる事について「若いエネルギーに溢れていますね。若い、とは全然意識していなかったんですが、本当に若い人を見ると『(若いとは)こういう事か』と肌で感じました。もう自分はそこには戻れない。だからといって戻りたいとも思わない。だからこそ、彼に負けないピカソを演じられたら」と力を込め、「ピカソとアインシュタインという、今世紀を変えた二人が、若い頃はある種僕らと変わらない部分もあって、こんなに人間的だからこそ、こんな素晴らしい作品ができたのかという発見もあって、脳が刺激されますね」と作品の魅力に触れていた。

三浦は「僕はピカソの役を演じるにあたり、分からなくなるとすぐ健一さんに聴いて真似ていました。エネルギーでしか勝てないので(笑)、とにかく見て、学んでいましたね」とコメント。

会見ではアーニーを挟んで、互いに向かい合い言葉を交わす岡本・川平チームと、そんな先輩たちを見つめる三浦・村井チームという構図となっていた。この先、若手チームが熟成を重ねていき、先輩たちの背中を追うのではなく、互いに向かい合って話していくようになると、きっとさらに楽しい物語が生まれるのかも。そんな未来を感じさせていた。

(左から)村井良大、三浦翔平、ランダル・アーニー、岡本健一、川平慈英

取材・文・撮影=こむらさき

公演情報

舞台『ピカソとアインシュタイン~星降る夜の奇跡~』

作:スティーヴ・マーティン
演出:ランダル・アーニー
翻訳:香坂隆史
 
出演:
(ROSE) 岡本健一 川平慈英/水上京香 吉見一豊 間宮啓行 香寿たつき 松澤一之/村井良大 三浦翔平 
(BLUE) 三浦翔平 村井良大/水上京香 吉見一豊 間宮啓行 香寿たつき 松澤一之/川平慈英 岡本健一 
★ROSE配役 ピカソ=岡本健一 アインシュタイン=川平慈英 シュメンディマン=村井良大 訪問者=三浦翔平
★BLUE配役 ピカソ=三浦翔平 アインシュタイン=村井良大 シュメンディマン=川平慈英 訪問者=岡本健一
 
ピカソ、 アインシュタイン、 シュメンディマン、 訪問者がWキャスト
他のキャストは、 ROSE・BLUEとも同じ配役 
 
■東京公演 
2019年4月25日(木)~5月9日(木) よみうり大手町ホール
お問い合わせ:ホリプロセンター 03-3490-4949(平日10:00~18:00、 土10:00~13:00、 日祝休)
料金:S席 8,800円、 U-254,500円
HPアドレス http://hpot.jp/stage/picassoeinstein2019 
公式ツイッター @picassoeinstein
主催:ホリプロ
GWには作品に関するイベント開催予定。 詳しくはHPへ。 
 
■大阪公演 
5月12日(日)森ノ宮ピロティホール 全2回
お問い合わせ :キョードーインフォメーション 0570-200-888(10:00~18:00)
料金 : 全席指定 9,800円
HPアドレス http://www.kyodo-osaka.co.jp/schedule/E021318-1.html 
主催:キョードーマネージメントシステムズ
企画制作:ホリプロ
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