千葉雄大と山田五郎、『みんなのミュシャ』展オフィシャルサポーターに ミュシャ作品《舞踏》のポーズを披露
(左から)山田五郎、千葉雄大
2019年7月13日(土)〜9月29日(日)まで、東京・渋谷のBunkamura ザ・ミュージアムで開催される『みんなのミュシャ ミュシャからマンガへ―線の魔術』の展覧会オフィシャルサポーターに、千葉雄大と山田五郎が就任した。6月4日(火)に開催された就任会見に、タキシード姿のふたりがフラワーシャワーのなか登場。以下、囲みインタビューの模様をレポートしよう。
千葉雄大は、本展音声ガイドも担当
――『みんなのミュシャ』展スペシャルサポーターに就任した意気込みを教えてください。
千葉:本当に光栄ですし、責任を感じています。
山田:私は還暦を迎えまして、残り少ない人生、これに賭けてがんばらせていただきたいと思います(笑)
――山田さんは過去にも多くのミュシャ展をご覧になっていると思いますが、今回のミュシャ展はいかがでしょうか?
山田:ミュシャ展は人気がありますから、毎年のように開催されていますよね。今回は、ミュシャが60年代の終わりから70年代のアメリカ西海岸の、いわゆる「フラワームーブメント」「サイケデリックムーブメント」と呼ばれる音楽シーンに与えた影響。そして、同じく70年代の日本の少女漫画に与えた影響。こういったほかの時代のほかのメディアにフィーチャーしている点が、今までの展覧会と違うところです。絶対に、新しい発見があると思います。
――出展作品の中で、それぞれ気になる作品を教えてください。
千葉:僕はミュシャに関する知識が全然なかったのですが、作品を見せていただいて、《椿姫》が目に留まりました。使われている色数は多くないのですが、すごく繊細で好きです。指先までポーズが美しいですよね。
山田:そうなんだよね。やっぱり、うまい画家は手がうまいからね。僕が注目しているのは、1894年に描かれた《ジスモンダ》です。サラ・ベルナールという、19世紀末の大女優を描いた、ミュシャの実質のデビュー作。細かな衣装の模様もビザンチン風という、ヨーロッパの中でもフランスやドイツとは少し違うギリシャ正教やロシア正教の教会でよく使われる装飾なんです。ミュシャはチェコの出身で、純粋なフランスのアーティストとはちょっと違う、東ヨーロッパ的なセンスを持っていました。これがミュシャの人気の秘密でもあると思うので、このデビュー作にミュシャのすべてがあるんじゃないかと思います。
――千葉さんは、本展で音声ガイドも担当されますね。
千葉:展覧会に来ていただいた方に、より作品を知っていただけるよう、がんばっていきたいと思います。今回は趣向を凝らしまして、作品をご紹介するのはもちろん、ミュシャに扮しての語りもあるんです。
山田:そうなんだ! 「わしはミュシャじゃ!」みたいな?
千葉:それはまあ、ご想像にお任せします(笑)
――ミュシャは後世の多くのアーティストに影響を与えた画家と言われていますが、おふたりがこれまでに影響を与えられた人や作品はありますか?
千葉:最近だと、『アベンジャーズ』のアイアンマンがめちゃくちゃかっこいいなと思っています。今影響を受けているのは、ロバート・ダウニー・Jrですね。
山田:僕は、漫画原作の映画『町田くんの世界』の町田くんにめっちゃ影響を受けています。町田くんのように生きたいな。
70年代日本、少女漫画の黄金時代とミュシャ人気
――今回、サブタイトルが「ミュシャからマンガへ」となっていますが、普段漫画は読まれますか?
千葉:僕はそこまで詳しくはないですけど、高橋留美子さんは好きですね。『犬夜叉』はタイムリーに読んでいました。
山田:僕は未だに漫画雑誌いっぱい買っていて、お風呂で読んでいます。
――今回、漫画家さんの作品も展示されますが、そちらも楽しみにされていますか?
山田:うん。高度経済成長期は、『巨人の星』や『あしたのジョー』のような少年漫画の時代でした。でも、70年代は少女漫画の黄金時代だったんです。それまでの少女漫画とはまったく違う、「花の24年組」と呼ばれる文学的な少女漫画が登場した時代なんですけど、逆に、少年漫画がダメになった時代でもある。高度経済成長期はスポコンだったけど、「美しい、自然を大事にした暮らしを大事にしよう」という動きがあった70年代にミュシャが支持されたのは、意味があるのかなと思います。ミュシャが活躍した19世紀末のアール・ヌーヴォーの時代も、産業革命が進んで公害問題が出てきた時なんだよね。それで、「自然に還ろう」という動きが流行った時の様式が、日本で同じような動きが出てきた70年代に流行ったというのが、おもしろいと思います。
《舞踏―連作〈四芸術〉より》のポーズをするふたり
本展は、ミュシャが手がけた繊細で華やかなポスター作品群に加えて、初来日となるカリカチュア(風刺画)を含む、ミュシャ初期の貴重なイラストや、彼自身の収集品を展示。ミュシャ作品とならび「目玉」となるのが、その影響を受けた日本の文芸誌やマンガ、イラストの数々だ。天野喜孝をはじめとする、日本を代表するグラフィック・アーティストやマンガ家の作品を数多くも展示予定となっている(※一部複製を含む)。