巨人の土台を支えるMVP男「丸佳浩の丸ポーズ」
もし「3番センター丸」がいなかったら、今季の巨人はどうなっていただろうか?
うん、もう正直に書くと、交流戦優勝争いもリーグ首位奪取も難しかったと思う。あ、ゴメン開始2行でコラムの結論が出てしまった。それだけ、2年連続MVPプレーヤー丸佳浩という選手は巨人の再生に必要な選手だった。
ちなみに個人的にFA移籍組を見る時に勝手に基準にしているのは、「もしこの選手が巨人じゃなくセ・リーグ他球団に加入していたら?」という視点だ。いや森福や野上は別に……じゃなくて、例えば、山口俊が今の広島や阪神のローテにいたら怖いように、丸がヤクルトで山田哲人や村上宗隆とクリーンナップを結成したり、DeNAで筒香嘉智とコンビを組まれたら死ぬほど脅威だ。そう考えると、移籍組に「本当に来てくれてありがとう」なんつって心から謙虚になれる。
しかも、丸の場合はチームのベース、つまり再建の土台になれる選手だ。巨人でこのクラスの大物移籍選手は06年オフのガッツ小笠原以来だろう。あの年の日本ハムを日本一に導いたガッツは本塁打王と打点王を獲得し、パ・リーグMVPにも輝いた。当時33歳、全盛期バリバリの日本を代表する打者が、トレードマークの髭を剃り落し巨人へFA移籍したわけだ。チーム状況も2007年と2019年は似ている。いわば困った時のタツノリ頼み。4年連続で優勝から遠ざかり、チームの再建を託されたのはどちらも原辰徳監督である。
丸はここまで68試合、打率.315、13本、42打点、OPS.948、得点圏打率.328(22日現在)。近年は巨人へFA移籍すると成績を落とす選手が多い中、広島時代と遜色のない数字を残している。なにより慣れない環境で、ここまで怪我なく全試合フル出場というのも近年のFA選手ではレアだ。頼みの阿部慎之助も40歳となり、若いビッグベイビー岡本和真も実質的に1軍2年目のシーズン。キャプテン坂本勇人に重くのししかる負担をワリカンしてるのが、3番センター丸の存在だ。
坂本は今季リーグトップの21本塁打を放っているが、先日のスポーツ報知で原監督はこの爆発について「丸という同世代のいいライバルがいるというのもね、相乗的にいいんじゃないでしょうか」とコメントし、ヤクルトのキャッチャー中村悠平は2番坂本について「丸さんが後ろにいるから簡単に歩かせられない」と証言する。ベンチでは坂本やベテラン亀井善行と相手投手の情報交換している姿もよくテレビカメラに映される。
半端ない丸効果。マジで美味い東京ドームの『丸の“丸型”ホームランミートピザ』。なんだかよく分からないけど好調の秘訣は早寝早起き。最近はさすがに坂本も徐々に調子を落としているが、ここに来て背番号8のバットがチームを牽引する。20日のオリックス戦では12号同点2ランを含むチーム全4得点を叩き出し、21日のソフトバンク戦では13号アーチに猛打賞。22日も先制タイムリーを含む2試合連続の猛打賞。そりゃあタツノリもベンチで丸ポーズをかますぜ。
いや、俺らも丸ポーズやりたいっすよ。ってことで、今年のイープラスナイターは「丸佳浩ボブルヘッド」が特典に付くが販売される。これまで他球団のボブルヘッド配布を見る度に巨人でもやってくれないかなあ……と思っていただけに、自分がデザイナーとして参加する企画でついに実現にこぎつけられて嬉しい。
令和元年の原巨人を象徴する背番号8のスゴいヤツ。
ぜひ、あなたの部屋にも丸ポーズを。