燐光群が、つかこうへい作品『熱海殺人事件』と『売春捜査官』を同じ舞台に出会わせる

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舞台
2019.6.27


燐光群は、『熱海殺人事件』VS『売春捜査官』を、2019年7月26日(金)~8月6日(火)に下北沢ザ・スズナリで上演する。本作では、つかこうへいの代表作『熱海殺人事件』(第18回岸田國士戯曲賞)と、その発展形の『売春捜査官』を出会わせる。上演台本・演出は燐光群主宰の坂手洋二。出演は、猪熊恒和 大西孝洋 杉山英之 武山尚史 川中健次郎 樋尾麻衣子・円城寺あや・木下智恵。

20年前に既に「女性の社会での立ち位置について関心が向けられる必然性」を強く意識して『売春捜査官』を作り上げたつかの慧眼に敬意を表し、ある意味通底していて、また真逆の構図をとっているとも言える両作品のエッセンスを舞台上で出会わせるという。表裏関係の面白さ、男性中心と女性中心の違い、あるいはつか作品初期と後期の対比など、競い合う二作品として、並行しながら絡み合ってゆく構造をとり、つかオリジナリティーの根源を追究する部分と、新たな方法論とを共存させる試み。坂手は両作品を舞台上で出合わせる誘惑を断ち切れなかったとして「この冒険を許してくれたつかこうへい事務所さんに感謝したい」と述べている。今回、つか作品特有の「反語の連鎖で語る」「あえてシンプルにする」力を発展させ、「いま」を構造化して、「私たちの時代」を見つめ直すことを目指す。

【あらすじ
東京警視庁、木村伝兵衛部長刑事の捜査室。
そこへ赴任してくる熊田留吉刑事。
幼なじみの山口アイ子を腰紐で絞め殺したという、大山金太郎の殺人事件の捜査が始まる。
同時に、木村伝兵衛部長刑事を名乗る、警視庁の女捜査官が登場する。
真相が明らかにされながら、それぞれがどこに向かおうというのか。


そもそも坂手が演劇の世界に関心を持つようになったきっかけの一つが、1978年に三浦洋一主演版の『熱海殺人事件』を観たことだった。いのうえひでのり、マキノノゾミら同世代の演劇人らと同様、坂手洋二もまたつか作品、特に『熱海殺人事件』に影響を受けている(ちなみに過去、坂手が書き下ろし・演出した作品『たたかう女』には、『寝とられ宗介』のヒロイン・岡本麗が、また『心と意志』にはつかこうへい事務所の中心人物だった平田満が、それぞれ出演している)。

つかは大分や北区で、地域の公共劇団を立ち上げた先駆者でもあった。折しも、その北区でつかの薫陶を受けた木下智恵と坂手が出会ったこともあり、いつかは向き合うべきだったつか作品への挑戦を決意するに至ったのだという。

人種・出自・性的指向による差別の「根」はどこにあるのか、女性の「社会的地位」は変わらないままなのか、現実と本質・本音に迫り、人間が持つ弱さや醜い部分から目を背けることなく、あえて露悪的な表現や逆説的な手法をも用い、混沌と矛盾を抱えた人間の本質を明らかにする「つかワールド」が、現在に対峙する祝祭空間として今新たに生み出される。

公演情報

 
燐光群 『熱海殺人事件』VS『売春捜査官』

■作:つかこうへい
■上演台本・演出:坂手洋二
■出演:
猪熊恒和 大西孝洋 杉山英之 武山尚史
川中健次郎 樋尾麻衣子・円城寺あや・木下智恵

■公演日程:2019年7月26日(金)~8月6日(火)
■会場:下北沢ザ・スズナリ
代金:
一般前売3,800円 ペア前売7,000円 当日4,200円 U-25/大学生・専門学校生2,500円
高校生以下1,500円 ※U-25以下の割引は当日受付にて証明書の提示が必要

■演出・坂手洋二とゲストによるアフタートークショー
7月29日(月)19時公演 岡本麗(女優)
7月30日(火)19時公演   横内謙介(劇作家・演出家・扉座主宰)
7月31日(水)19時公演   加藤和夫(東映ビデオ常務取締役エグゼクティブ・プロデューサー)
8月1日  (木)19時公演   マキノノゾミ(脚本家・演出家・俳優)
8月2日  (金)19時公演   松岡錠司(映画監督)
8月3日  (土)19時公演   渡辺弘(彩の国さいたま芸術劇場 事業部長)

■公式サイト:http://rinkogun.com/
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