ITOプロジェクト公演・糸あやつり人形芝居『高丘親王航海記』(脚本・演出:天野天街)が名古屋で待望の上演
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(撮影:吉永美和子)
ITOプロジェクト公演・糸あやつり人形芝居『高丘親王航海記』(原作/澁澤龍彦、脚本・演出/天野天街)が、2019年11月に愛知県名古屋市・愛知県芸術劇場小ホールで上演される。同作品は、2018年4月に東京と兵庫で上演され、大好評を博したもので、天野の活動拠点である名古屋への初凱旋公演となる。
【動画】ITOプロジェクト 『高丘親王航海記』PV 稽古編 2019年11月愛知県芸術劇場にて上演
幻想文学の碩学であった澁澤龍彦(1928-1987)の遺作となった小説(第39回読売文学賞受賞)を原作とする本作は、平安時代、仏教求道のために天竺(インド)を目指した高丘親王の不思議な航海を描いた冒険ファンタジーだ。卵、石、少女、悪女、夢、鏡、入れ子構造、円環、時間錯誤、空間錯誤など、様々なテーマが溢れて絡み合い、澁澤龍彦の集大成と言われる。同作は1992年に少年王者舘と維新派が合同で、名古屋・白川公園において野外劇として上演したこともある(脚本・演出/天野天街、主演/松本雄吉)。また、高取英の月蝕歌劇団や笠井叡によって舞台化されたこともある。さらに近藤ようこによるコミックも2019年3月より連載中だ。
(撮影:吉永美和子)
これほど様々な人を惹きつけてきた傑作小説の人形劇化に挑んだのが、大阪のITOプロジェクトだった。飯室康一(糸あやつり人形劇団 みのむし)や山田俊彦(人形劇団ココン)といった人形劇アーティストたちによって2001年に結成されたスーパーユニットであり、かつて、大反響を呼んだ『平太郎化物日記』(2004年初演)も今回同様、天野天街を脚本・演出に迎えての作品だった。
(撮影:吉永美和子)
2018年初演の『高丘親王航海記』は、原作のエッセンスを崩すことなく、人形造形や操りテクニック、そして演出等々、あらゆる面で『平太郎化物日記』を凌駕するほどの驚きと、美の郷愁を観客にもたらした。音楽や舞踊の面から見ても、完成度が極めて高い。ゆえに手前味噌ながら「SPICEステージアワード2018」でもグランプリに選出した(https://spice.eplus.jp/articles/226433)。一度観た者は、この夢のような舞台を何度でも味わいたいと思うのではないだろうか。しかし、あまりに複雑緻密な人形劇すぎて、そう簡単に再演ができないのが、この作品の宿命だった。にも係わらず、主に名古屋の関係者たちが動き、ITO側も真摯に対応し、11月の再演に漕ぎ着けたのである。
なお今回の公演で、11月3日(日)19時の回をイープラスが半館貸切をおこなう。新国立劇場で少年王者舘の「1001」でも貸切公演をおこなったイープラスが、天野の最高傑作のひとつに数えてもいい、この人形劇を是非多くの舞台ファンに観て欲しいという思いで、半館貸切の実施を決意したという。この際、中部地方の舞台ファンだけでなく、全国の舞台ファンにとって観劇の価値ある公演であると言い切れるだろう。
【動画】ITOプロジェクト 『高丘親王航海記』PV 対話篇 2019年11月愛知県芸術劇場にて上演
公演情報
ひまわりホール・愛知人形劇センター30周年記念特別企画
ITOプロジェクト公演・糸あやつり人形芝居
「高丘親王航海記」
■脚本・演出:天野天街
■日程:2019年
11月2日(土)19時
11月3日(日)14時
11月3日(日)19時 ★e+(イープラス)半館貸切公演
11月4日(祝)14時
■上演時間:2時間(休憩無し)
■料金/前売3,500円 当日4,000円
(日時指定・全席自由席)
■
イープラス先行=7月27日(土)12時~7月31日(水)18時
・当日、開演の1時間前より整理番号を配布したします。
・開演10分前を過ぎますと、当日券のお客様を優先させて頂くことがございます。
・開演5分前にお越しいただけない場合はキャンセルと受け取らせて頂く場合があります。
・未就学児のご入場はお断りさせていただきます。
■主催/特定非営利活動法人愛知人形劇センター
■協賛/損害保険ジャパン日本興亜株式会社
■提携/愛知県芸術劇場
■後援/愛知県、名古屋市、(公財)名古屋市文化振興事業団
■問合せ:mail@aichi-puppet.net