興奮のOZZFEST2日目の模様を最速レポ。オジーはやっぱり凄かった。

レポート
音楽
2015.11.23
Ozzy Osbourne & Friends

Ozzy Osbourne & Friends

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OZZFEST JAPAN 2015もいよいよ二日目。圧巻のアクトが続いた1日目だっただけに、期待は膨らむ。わくわくを抑えきれないまま、2日連続の幕張メッセへ。

※初日の「大興奮」を、写真付きレポートでご覧になりたい方はこちら。
http://spice.eplus.jp/articles/24835


HER NAME IN BLOOD

HER NAME IN BLOOD



さてこの日一発目はHER NAME IN BLOODから。実に堂々の幕開けを決めてくれた。まだ若手とは思えない程の貫禄と重厚感で、この邪悪でラウドなフェスの開幕を、充分な程に飾っていた。畳み掛けてくる激鉄なリフとシャウト。それだけではなくしっかりと歌い上げるフレーズもある。まさに「メタル」を感じる。しかしメンバーそれぞれがメタルコアなどだけでなく、様々な音楽から影響を受けているというから、それも納得の楽曲群だ。今後海外へ飛び出して行きそうなバンドの筆頭かもしれない。これからの楽しみな伸びしろも見え、彼らから今後も目が離せないと思ったオーディエンスも多かったんじゃないか。会場の反応も最高だった。
 

OLDCODEX

OLDCODEX

キャンバスに夜光塗料でライブペイントを行ったのはOLDCODEX。YORKE.がSKULLのような、またOZZYの顔のようなアートなどを描き出していく。浮かび上がるアートの数々はとても怪しげで、オズフェスの場にとてもマッチしていた。
Ta_2のタフな歌声と、耳触りのいいシャウトで「Feed A」や「Eyes in chase」などを歌い上げ、サウンド面でもラウドロック、エモ、スクリーモといったジャンルの音をベースに、耳に入りやすいメロディと中低音域で刺さる日本語詞が絡み合う。

最初は「どんなパフォーマンスなのか?」と遠巻きに探っていた感のあったオーディエンスも、曲が進むにつれて次第に多くの人が身体を揺らし、手を挙げて彼らの音と視覚的エンタテインメントを楽しんでいた。
 

Fear, and loathing in Las Vegas

Fear, and loathing in Las Vegas



更に続くは、ステージ前までは到底行けない程のオーディエンスを集めていたFear, and loathing in Las Vegas。やはり大きなステージが本当に板についてきたと感じる。ラウドを基調にしながらも、打ち込みのサウンドを駆使する、バラエティに富んだ楽曲で、時にオーディエンスを踊らせ、跳ねさせ、頭を振らせ、一心不乱に暴れさせる。「Rave-up Tonight」からスタートし「Meaning of Existence」とDROP。その後も「Let Me Hear」、「Party Boys」と、ラスベガスの極上パーティーチューンが続く。会場は前から後ろまで、そのクオリティの高い演奏とパフォーマンスに酔いしれ、身体を揺らす。最後は「Love at First Sight」で、いつものように手をあげ皆で踊る様は圧巻。

前日から続く、それぞれのバンドが良いパフォーマンス、良いセットリストでステージが繰り広げられる波はまだまだ続いている。OZZFESTだからこそ、そのコンセプトと雰囲気に合わせてのステージングは、皆いつもよりもヘヴィで激しい。だからこそまたそのむき出しな熱が引き出されている。

 
A Day To Remember

A Day To Remember



程よい高揚感を残したままA Day To Rememberへとバトンは渡される。非常にノリやすく、身体に入ってきやすい、エモ、パンク色の強いサウンドにメタルやヘヴィロックの要素が混ざっている彼らのサウンド。日本勢目当てに来たオーディエンスも、スッと彼らのアクトに入って行き、かなり多くの人が楽しんでいるのが印象的だった。シンガロングできる横乗り曲から、ブレイクダウンで身体を揺らす事もできて、親和性は高めだ。やはり音は国境を超える。僕の前に居た、初見であろう人たちも、口々に「かっこよくない?」を連呼していた。こうしてグッドミュージック、グッドアクトがそろい、どんなバンドでも汗をかけるのは素晴らしい事。
 
9mm Parabellum Bullet

9mm Parabellum Bullet


そしてそして、やはりこのフェスは休ませてくれない。息つくまもなく9mm Parabellum Bulletが登場。いきなりの「Discommunication」のドロップで、会場のボルテージはマックス!OZZFESTの9mmかなりメタルチューンに寄せてきていてやばい。フェスに合わせて全くセットリストを変えてくるのも彼らの魅力の一つ。ぴたりとくるナンバーが続く。「Cold Edge」、「生命のワルツ」、「Black Market Blues」と続け様に叩き込む。滝(G)のアクロバティックなプレイはやはり目を惹くし、菅原(Vo/G)は、張り裂けんばかりの声ながら安定したメロディを突き刺してくる。その後も「Living Dying Message」、「新しい光」と続き、最後の「Punishment」での締めは御見事。様々なフェスで伝説的なアクトを残してきた彼らが、また一つ圧巻のステージをここに刻んだ。
 
Black Label Society

Black Label Society


更に続くはBlack Label Societyだ。いよいよきましたメタルモンスター・ザック・ワイルド。個人的にもう正直言葉に鳴らない。全てが規格外、圧倒的。ザック大健在を見せてくれた。
音、スキル、迫力、ルックスの格好良さ、相変わらずの大股開きで弾くリフ、チキンピッキング、全てが完璧すぎた。
これがメタル。これがラウド。これがギターヒーロー。もう多くの言葉はいらない。もし機会があるならば、絶対に彼のアクトをみておくべきだと付け加えておく。
 

人間椅子

人間椅子



続いてはオジーを除けば唯一のオズフェス・ジャパン連続参戦となった人間椅子の登場だ。それもそのはず、和風なホラーテイストから繰り出されるそのサウンドはブラック・サバス直系のハードロックだ。和嶋(Vo/G)のSGは唸りを上げてヘヴィな重低音から突き刺すようなハイトーンまで自在に音を奏でる。楽曲自体の構成もプログレッシヴで、中間にリズムやリフ、テンポまでもがガラリと変わるものがほとんど。長尺のギターソロも用意されており、そのスペクタクルなアンサンブルはコアなロックファンの欲求を満たすものであった。

かと思えばMCでは低姿勢に挨拶をしたり、自分たちの見た目をイジってみたりとサウンドとは真逆の親しみやすさ。「遅れてきた昭和のヤンキー」と形容されたノブナカジマ(Dr)の「アニキって呼んでくれいー!!」のシャウトには歓声が起きる。

 

人間椅子

人間椅子



その後も人間椅子ワールドは続くが、中でも出色の出来だったのは「宇宙からの色」だろう。小刻みなカッティングとリズミカルなスネアの連打が推進力を生み、オーディエンスは半強制的に頭を振る事に。2度目のオズフェスでもしっかりその真価を見せつけた彼ら。勢いは止まりそうにない。
 
Hatebreed

Hatebreed



さあいよいよ終盤戦。思えば、Hatebreedを前回見たのはMachine Headと一緒に行なった渋谷のO-EASTだった。新作も引っさげてのライヴとなったわけだが、しかし彼らはずっとパワーダウンしないで存在し続けていると感心する。いや昔よりももしかしたら攻撃性高いんじゃないか。終止落ちないテンションで、後半に向けて会場を完全につくりあげたのは彼らかもしれない。新旧おりまぜたセットリストで、最後は納得の「I Will Be Heard」!
もう諸手をあげて叫ぶしかない。これがラウドロックのライブだ!と改めてラウドキッズの心を呼び覚ましてくれる。そんなライブだった。

 
BABYMETAL

BABYMETAL


そしてやってきましたBABYMETAL。印象的だったのは、この日会場に来ていた外国人の方々の中に、BABYMETALのTシャツを着ている人が多かったことだ。メタルとアイドルのフュージョン。日本生まれのカルチャーと、海外生まれの音楽が融合したこの奇跡を、こうして海外の方々が愛してくれているのはいいなとしみじみ。グッズも開演前に売り切れていたというのだから、その人気も伺える。肝心のアクトはというとコレも圧巻。序盤いきなりの「ギミチョコ!!」で会場は完全にこの日一番とも言えるくらいの盛り上がりをみせる。SU-METALのコール&レスポンスが、実に可愛く、またカッコ良くもあり、神バンド達の圧倒的な演奏に、彼女達3人の振り付けが映える映える。

BABYMETAL

BABYMETAL


随所に挿入される動画にも、メタル界の中でのベビメタのポジションが、実にうまく、ユーモアも交えながら表現されていて、映像の度に会場のボルテージはあがっていた。ラストは「メギツネ」から「イジメ、ダメ、ゼッタイ」のコンボでフィニッシュ。もう断言する。日本を代表する「メタル・グループ」といって良いだろう。最高だった。
 
Jane's Addiction

Jane's Addiction


この2日間に渡る「響宴」も後2組。寂しくもありつつスタートしたのは、Jane's Addiction。何を隠そう筆者はこの2日間彼らのTシャツを着て参加していた(笑)。出演が決まったときから、どうしてもデイヴ・ナバロがみたくてしょうがなかった。あんなにセクシーで、かっこよくて、いやらしくて、ロックなギタリストもいないくらい魅力的。そのステージは期待通り、女性ダンサー達が時に踊り、時にメンバーに絡み、時に宙づりになるなど、セクシーで怪しい雰囲気を出していた。今回のアクトの中でも、一番「演出」という意味で見せるショーだったように思う。大人な世界観だ。
前日に予告されていたX JAPANのYOSHIKIも「Classic Girl」で登場。そのピアノを惜しげもなく披露し、これもOZZFESTならではのスペシャル感を象徴する非常に贅沢な演出である。
最後はちらりとXポーズも飛び出す豪華版。その存在感をしっかりとオーディエンスの脳裏に焼き付けて行った。

 
Jane's Addiction、YOSHIKI

Jane's Addiction、YOSHIKI


いよいよ舞台は整った。OZZFEST JAPAN 2015全てのアクトはここに通じていた。もうこれは伝説でしかないステージ。
 
Ozzy Osbourne & Friends

Ozzy Osbourne & Friends


Ozzy Osbourne & Friendsと題して繰り広げられた今回のアクト。とりあえず、どの曲に誰が参加してというのを一個一個追っていこうとおもう。

1「 I Don't Know」 完全に会場は一つになる。
2「 Mr.Crowley」 トム・モレロ参加 ギターソロを歯で弾くと、ギターの裏ボディに「OZZY RULES」の文字。モニターに映し出された瞬間のオーディエンスの狂喜乱舞はすごかった。
3 「Bark at the moon」 トム・モレロ参加
4 「Suicide Solution」
5 「Flying High Again」
6  「Shot in the Dark」

この時点で「もう殺してくれ」と言いたくなるほどのキラーチューンが続いた。ここで、ちょうどいいタイミングで
ギターソロ、セッション、ドラムソロを挟み、

7 「IRON MAN」 トム・モレロ、ギーザー・バトラー参加で、ここから「NIB」、「Snowblind」、「Behind the wall of sleep」と往年の大名曲が、信じられないくらい豪華な布陣で叩き込まれる。そしてライブを終えたばかりのデイヴ・ナヴァロを加えて、「War Pigs」、「Fairlys wear boots」と、涙もののチューンが続く。

 
Ozzy Osbourne & Friends

Ozzy Osbourne & Friends


そしてここで、Ozzyバンドのギタリストと言えば、この人目たるモンスター・ザック・ワイルドが登場。「I don't want to change the world」そして、待ってました!の「Crazy Train」。ここで周りを見渡すと、自分と同じく涙腺崩壊している人が多くみられた。そりゃぁそうだ。夢の響宴はまだおわらない。

Ozzy Osbourne & Friends

Ozzy Osbourne & Friends


オジーが自ら「One more show!」とアンコールを促し、ラストは「Paranoid」。今までのゲストが全員参加。そして満を持して、ふなっしー登場。予想通りというか、安定のというか……オジーは、ふなっしーに白い液体をぶっかけて、おおいにこの祭典を盛り上げていた。

歌や曲ももちろんだが、オジーが生きていて、こうやって日本に来てくれたことが素晴らしい。
ゲストも実に豪華で、特に一番参加曲数が多かったトム・モレロは、オジー曲、サバス曲の中で、時に原曲通りのソロを弾き、時に得意のトリッキーなプレイにアレンジしたソロを弾き、その愛が大いに感じられた。本当に素晴らしいアクトが2日間続いたこのフェスだったが。このオジーのステージがあったというだけでもオズフェストの価値があったと思えるほどのライヴだった。あれだけのバンド達が本当に最高のステージをしていたにも関わらずそう思えるのは、やはりオジーが伝説なんだろう。生きる伝説をこの目に出来てよかった。そしてそんなOzzyだからこそ実現された『OZZFEST JAPAN 2015』。

今回のこのレポでどれくらい伝えられたかわからないが、次回があるのならば、絶対に足を運んで欲しいと心から思う。



文=秤谷建一郎、風間大洋
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