小早川俊輔×碕理人、舞台『銀河英雄伝説 Die Neue These』第三章インタビュー前編~小早川の笑いのツボに入ってしまった出来事とビジュアル撮影秘話~

2019.9.25
インタビュー
舞台
アニメ/ゲーム

(左から)碕理人、小早川俊輔

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田中芳樹の名作SF小説「銀河英雄伝説」を原作とする、舞台『銀河英雄伝説 Die Neue These(ディ ノイエ テーゼ)』。2018年10月に新・舞台シリーズ第一章を上演し、2019年5月に第二章と続き、早くも第三章が10月にスタートする。

10月開幕の公演を前に、作品の「顔」ともなるビジュアル撮影が行われた。今までにSPICEでは永田聖一朗(ラインハルト・フォン・ローエングラム役)、加藤将(ジークフリード・キルヒアイス役)、米原幸佑(アレックス・キャゼルヌ役)、伊勢大貴(ダスティ・アッテンボロー役)にインタビューをしてきたが(※関連記事を参照)、今回は自由惑星同盟の主役、ヤン・ウェンリー役の小早川俊輔と、第三章で登場するオリビエ・ポプラン役の碕理人に注目。

「碕くんといると大阪弁なるわ~」とインタビュー中でも素が出るほどに気心知れた仲のふたり。カンパニーの作品に対する熱量の大きさや、キャスト同士の仲について多く語ってもらった。

「ここに自分は何故いないんだ」第三章で舞台に帰ってきた碕理人

ーー小早川さんにお聞きします。このシリーズが始まってから3作目となるヤン・ウェンリーという役ですが、続投されるということについて感想を伺いたいです。

ヤン・ウェンリー役 小早川俊輔:作品もキャラクターも、出演させていただく前からとても魅力的だなと感じていたので、ヤン・ウェンリー役として舞台に立てることは嬉しく思っています。同じカンパニーで何作も続いていくというのはそんなによくあることではありません。その中で今回は3回目。新しく加わったキャストの方々とも一緒にこれまで繋いできたものの続きをまた作っていけるのは純粋に楽しみです。

小早川俊輔

ーー役を演じる前と今で、変わった印象ってありますか?

小早川:自分が演じる前の印象はもうかなりおぼろげです。自分が演じるようになってからの印象で言えば、人より卓越した才能の持ち主のためにどんどん世界の歯車に巻き込まれていく。それを望んだわけではないにしろ物語に積極的に前のめりになっていく感じが、周りの人間との関わり方とかを見ていても、ヤンというキャラクターの温度を徐々に感じるようになりました。

ーー碕さんにお聞きします。オリビエ・ポプランとはどのような人物ですか。

オリビエ・ポプラン役 碕理人:僕は第一章でジャンという役をやらせていただきましたが、性格的にも真反対。ジャンには「真っ直ぐ」なイメージがあるんですが、ポプランは「酒好き」、「女好き」、「陽気な性格」の持ち主で、あまり人に本音を見せないというか。自分の中で抱えている苦悩や葛藤もあまり人の前では見せず、だからこそ明るくふるまっているというような印象がありました。毒舌や皮肉を言ったりもしますが、誰かとの関係性をすごく大切にしています。一人だとすごくいろいろ考えているんじゃないかなって思いました。

ーーこの役を演じると決まったときの感想は。

:第一章でジャンが亡くなってしまったので、第二章はいち観客として観に行きました。初めて客観視しましたが、映像もすごくてまるで映画を見ているようでした。ここに自分は何故いないんだと、正直悔しさや悲しさもありました。第一章、第二章で自由惑星同盟のみんなが積み上げてきたものの中に新たに入るという不安や心配もありますが、上手く溶け込んでさらにそこを盛り上げられればいいなと思っています。

「色気出して!」「出ーへん」ビジュアル撮影秘話

ーー今回のビジュアル撮影はいかがだったでしょうか。

小早川:僕は以前に撮ってから3~4か月ぶり。舞台が終わってからも2か月くらいしか空いていないので、あまり久しぶりな感じもしませんでした。撮影現場のスタッフさんやキャストとも「ああ、こないだぶりですね!」みたいな。

:ラフな感じだね。

小早川:うん、アットホームな感じでしたね。碕くんはどうでした?

:僕は約一年ぶり。今回は違う役だから、ちょっと新鮮さもありますね。前回は地毛だったんですが、今回はウイッグを被ってます。

碕理人

小早川:え? ジャンって金髪だったけど……。

:うん、地毛だった!

小早川:えー! すごい! 自由惑星同盟軍で唯一の地毛。

:そう。なので「銀英伝」初めてのウイッグです♪

小早川:いやいや、地毛でいいやん。

:僕もこんな髪型したことあるし、地毛いけるんじゃない? って思った(笑)。でも撮影は楽しいです。こういう風に撮ってほしいと前回とは違う要望がスタッフさんから来ます。

ーージャンの時はどう言う指示があったんでしょうか。

:「誠実さ」とか、「紳士っぽく」ですね。今回は「チャラめに」でした。あとは「口角あげて」とも言われましたね。

小早川:それ言われがち。僕も言われる!

小早川俊輔

:「色気出して」もあるよね。

小早川:それ難しいやつ! 出ーへんから言われるんや(笑)。

:口角あげるって難しいよね。シャッター切る間、その状態で止めてないといけない。プルプルする。

小早川:「プルプル」で、手震えてたの思い出しちゃった。

ーー(しばらく笑い続ける小早川さん)何か面白いエピソードが?

:第一章でジャンがヤンと握手するシーンがあったんです。自分が手を差し出すんですが、その手がずっとプルプル震えてしまってて。それを俊はずっといじってくるんですよ~。震えないようにって力を込めたらカッチカチに固まった手を差し出すようになってしまって。

ーー舞台の上で緊張してるからでしょうか……?

:多分それもあります。でもひとつの動作で止まってないといけないとなると震えますよね。舞台上だけではなく今でもわりと震えるんですけど。

小早川:カッチカチの手で握手求めてきて、それがもうすっごく面白かったんです。「プルプル」で思い出してしまった……(笑)。

ーー今回の衣装で気に入っているところとか見てほしいポイントはありますか?

:僕はこの胸のハートのエースですね。

碕理人

小早川:これライフポイントなので、削られるとダメなやつです。

:いやいや、違うからね!? でももうハート1つしかないやん?

小早川:違うのは知ってる。けど、碕くんが着てるの見たらツッコミを入れたくなってしまった(笑)。

:演出の大岩さんと「これいじってくる人絶対いるよね」って話していて、僕は真っ先に俊を思い浮かべました。そしたらもう会った瞬間にコレです。

小早川:いじり甲斐しかないやん! それとこれ(首元のモフモフ)は北極の人なの?

:かわええやろ? これすごく暖かい。

小早川:僕はこの腕の金のラインかな。線が増えてどんどん階級もレベルアップしてる! 第二章の終わりあたりでは今回の三本になってたから、前からの変化は特にないかな。

ーー以前、伊勢大貴さんにインタビューさせていただいたときは「帽子を正しい向きで被るのが難しい」と仰っていました。おふたりはどうでしょう?

:確かに難しい。被り方や角度は何度やってもこれでいいのかな? って不安になるなぁ。

小早川:僕は舞台上で脱いだり被ったりが多いから、もう鏡見なくてもどこの紋章をどこに合わせたらってのはわかる。舞台上でヤンが鏡見て被ってたら面白くなっちゃうじゃない?

ーーユリアンが鏡持ってくれるといいかもしれませんね。

小早川:それは助かります!

小早川俊輔

楽屋での悪戯の犯人は?

ーー演出家の大岩さんやスタッフ、キャスト陣について教えてください。

:演出の大岩美智子さんはすごく親身になって疑問や質問に応えてくれます。

小早川:誰よりも「銀英伝」の世界観に精通している方なので、自分たちもそこに対する信頼は大きいです。そしてその船に乗ろうというキャストたちが集まっているので、稽古自体もみんなが考えて持ち寄ったものをもう一個上のレベルに上げてくれる存在ですね。自分で考えたものやみんなで話し合ったもの、そういう一つひとつを積み上げて作品を作っていくということにとてもやり甲斐を感じています。

:そういえば自由惑星同盟は関西人が多いですよね。なので、本当に楽屋もうるさい(笑)。

小早川:これで碕くんも戻ってきたからより関西色が強くなるね。

:稽古場での雰囲気も帝国側と全然違う! それも面白いなって思います。帝国側とは稽古時間も違うので、同盟の僕らはあまり帝国側と会わないけど……。

小早川:別々のシーンなので、同じ稽古場にいるのは最後の通しの時だけとかになることが多いんです。

:あとよく鍋あるやん。

小早川:そうそう! 鍋があります。

:大岩さんが鍋を持ってきて、日によって作る人が違うんです。キムチ鍋だったりおでんだったりしますが、稽古が終わって鍋を囲みながら稽古の話をするのが楽しい時間です。それにもまた参加できるのかと思うと!

碕理人

ーー「同じ釜の飯を食った仲間」のような感じですね。

:だからあまり外に食べに行くって機会ないよね。

小早川:そう。年齢の幅も大きい座組みなので、最後にみんなでご飯を食べながら話す機会を設けてくれるんだろうなと。……というか、碕くん隣おったら大阪弁なるわ~。普段こんなんちゃうのに~~。めっちゃ大阪弁なってまう~~~。

:絶対嘘やろ~! でも常に自由惑星同盟はこんな雰囲気です。第一章で出番が終わって楽屋に帰ってくると、僕の机の上がめちゃめちゃ綺麗に整理整頓されてるんですよ! 「誰がやったの?」って聞いても、知らんって言われて。次の日もその次の日も。

小早川:第二章でその犠牲者になったのが(ワルター・フォン・シェーンコップ役の)大高雄一郎さん。出番が終わって帰ってくると大高さんの楽屋前がめっちゃ豪華になってて。ソファーとか空気清浄器とかごみ箱が席の近くにあって、お菓子とか飲み物もセットして。

:意味がわからん(笑)!

ーーで、犯人は誰なんですか?

小早川:いや、それが誰かわかんないんですよ……?

ーーでは第三章での犠牲者は誰になるでしょうか?

小早川:誰なんでしょうねぇ~。

(左から)碕理人、小早川俊輔

インタビュー後編へ「米原はお兄ちゃん、加藤は大型犬、永田は小型犬……」に続く

取材・文=松本 裕美 撮影=iwa

公演情報

舞台『銀河英雄伝説 Die Neue These ~第三章 嵐の前~』​

(C)舞台「銀河英雄伝説」制作実行委員会

【原作】田中芳樹「銀河英雄伝説」シリーズ(創元SF文庫刊)
【演出】大岩美智子
【構成・監修】高木登
【脚本】米内山陽子
 
【日時・会場】
2019年10月24日(木)~27日(日)ZeppDiverCity(TOKYO)
2019年11月2日(土)・3日(日)ZeppNamba(OSAKA)
 
【出演】
<銀河帝国>永田聖一朗/加藤将/畠山遼 釣本南/君島光輝/藤原祐規
<自由惑星同盟>小早川俊輔/米原幸佑 伊勢大貴 小西成弥 碕理人 汐月しゅう/大高雄一郎 福永マリカ
 
平川和宏 稲田恵司 海部剛史 川上和之 有川マコト 内堀克利 堤匡孝 谷戸亮太 大力 中村哲人 すがおゆうじ 冨田佳孝
 
料金】全席指定8,800円(税込)
 
【公式HP】http://www.gineiden.jp/
【公式twitter】@gineiden_stage
 
【主催・企画・制作】舞台『銀河英雄伝説』制作実行委員会
【制作協力】らいとすたっふ
【東京公演お問合せ】イープラス:0570-06-9919(全日10:00~18:00)
【大阪公演お問合せ】キョードーインフォメーション:0570-200-888(全日10:00~18:00)

公演情報

「銀河帝国キャストが贈る!スペシャルトークショー」
 
日時:2019年10月5日(土)OPEN 11:30/START 12:30
場所:LOFT9 Shibuya(東京都渋谷区円山町1-5 KINOHAUS(キノハウス) 1F)
店舗HP(http://www.loft-prj.co.jp/loft9/
 
登壇キャスト:永田聖一朗、加藤将/畠山遼、釣本南
 
料金:前売2,000円/当日2,500円
※受付は先着順のため、予定枚数に達し次第受付終了となります。
※全席自由席となり、に記載の整理番号順でのご入場となります。
※1drink以上のオーダーが必要です。
※お食事をしながらお楽しみいただけます。是非お早目に会場にお越しください。
お取り扱い:公式HP(https://www.gineiden.jp/event.html)をご覧ください。
本イベント終了後に行われる特典会に参加できる“特典券付”舞台公演を販売中です。
ご購入いただいたお客様は、イベント終了後に、キャストとの特典会にご参加いただけます。
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