ゴールデンボンバー 歌い、踊り、飛び、12,000人を笑顔にした横浜アリーナ公演で見た、金爆のやさしさ
ゴールデンボンバー
地方民について本気出して考えてみた~4年以上行ってない県ツアー~
2019.10.20(日)横浜アリーナ
ゴールデンボンバーの全国ツアー『地方民について本気出して考えてみた~4年以上行ってない県ツアー~』が11月3日、兵庫・神戸ワールド記念ホールでファイナルを迎えた。SPICEでは、10月20日に神奈川・横浜アリーナで行われた公演のレポートを掲載する。
毎回、ストーリーに沿ったおもしろいライブを展開するゴールデンボンバー。今回は、東名阪という定石をあえて外して地方を回るツアーということで、段ボールアートの名手、喜矢武豊(ギター)が作った段ボール機材車で訪れた各地で、地方の良さを堪能するというテーマで展開された。
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オープニングVTRに登場した段ボール機材車がステージに登場すると、その中から鬼龍院翔(ボーカル)、喜矢武豊、歌広場淳(ベース)、樽美酒研二(ドラム)が降り立ち「ワンマン不安」が始まると、会場はたちまちヘッドバンキングの嵐! 続くデュエット歌謡「やんややんやNight ~踊ろよ神奈川~」では、鬼龍院が男性パートを歌い、ファンが女性パートを歌うのだが、完売で立ち見まで出た満員の横浜アリーナの12,000人がデュエットする姿は圧巻だ。
MCでは喜矢武が「地方の美味しいものが楽しみ。横浜にもお米に合う中華がありそう」と言えば、樽美酒が「地方で印象に残っているのは、ホタル。今はなかなか見られないけど、信じていれば必ず会える!」と地方礼賛。
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このMCが引き金となり、「抱きしめてシュヴァルツ」では喜矢武がてんこもりのゴハンを中華デザート“杏仁豆腐”をおかずにバクバク食べたかと思えば、樽美酒がホタルに扮し、Tバック姿で横浜アリーナの上空をフライングして沸かせた。「また君に番号を聞けなかった」では、「地方はファッションがビミョー」と言っていた喜矢武がファッションセンター風の店に入り、聖徳太子風などさまざまな古い時代の服に着替え、最後には股間を葉っぱで隠しただけの“はっぱ隊”衣装(?)に変身すると、歌広場と樽美酒もこれに続き、「令和」では鬼龍院も加わった全員がはっぱ姿で熱唱。喜矢武は段ボールのショルダーキーボードでソロプレイ(もちろんエアー)も披露した。
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中盤は恒例の演劇コーナー。いつもは鬼龍院が台本を書いているが、今回はなんと、鬼龍院→歌広場→樽美酒→喜矢武がリレー方式で台本を書くという初の試みを行った。高校生鬼龍院と歌広場が他高の学園祭に出かけ、そこで出会った樽美酒と喜矢武と恋に落ちたり、殺人事件に巻き込まれるという学園LOVEサスペンスもの。金爆らしい下ネタや、キャン様のガチャピンのコスプレ「ガチュピン」なども挟み込まれ、最後の「世界平和」では4人が全裸(風衣装)でENDを迎えた。
「また君に番号を聞けなかった」のはっぱ衣装からずっと裸だった喜矢武は、「6曲ずっとハダカだった。下手するとフェスの待ち時間丸々ハダカだから!」と愚痴りながらステージ上で衣装に着替えると、「地方は自然が豊かでいいよね。人生で一度くらいはハンティングをしてみたいな」という前フリで「ガガガガガガガ」のギターソロ部分で鳥を撃ち、ホタルを撃ち、バズーカまで撃ち盛り上げると、「ぼくの世界を守って」ではメンバーたちがトロッコで客席を周りファンを煽る。
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メインステージに戻ったかと思えば、前日のライブで初披露した新曲「かまってちょうだい///」で“下手、上手、センター!”と歌詞に合わせて会場を扇動。ここからは「毒グモ女(萌え燃え編)」、「暴れ曲」と、BPMも上がり怒涛の盛り上がり。「こぶしくれー!」という鬼龍院の絶叫を合図に再びトロッコで会場を回ると、「イヤホン」を客席の美しいシンガロングで締めくくった。
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アンコールにはツアーTシャツで登場。配信が始まったばかりのEDM+ハードコアな新曲「首が痛い」を歌った後は、喜矢武の「地方の空気はウマいけど、ライブ会場の空気が一番。この空気を吸い込んで成長していこう!」という前フリで氣志團に提供した「きかせて!!アンコール」へ。そして、喜矢武がいろいろなものを吸い込むというカオスを経てラストを飾ったのは、おなじみの「女々しくて」だ。最初のリリースから10年(2011年に再発)というこの曲だが、ゴールデンボンバーに「女々しくて」は外せない。最後は全員がポンポンを持って踊って、ステージに華を添えた。
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ダブルアンコールに応えてメンバーたちが登場すると、鬼龍院からの「今年のイブ、空いてる?」というお誘いで、『ゴールデンボンバークリスマスライブ ~聖夜の再陀魔~』を12月24日に開催することを発表。「大きい会場が空いてないんだ!」と大宮ソニックシティでの開催を詫びたが、これは、大激戦になりそうだ。
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最後の最後は日替わりのダブルアンコール。「なかなかライブでやらなくて埋もれてたから、知ってる人が少ないかもしれないけど、そろそろやらないと忘れそうだから」と「こんにちは孤独」を、再び会場をトロッコで回りながら熱唱。歌い終わるとメンバー全員が歩いて横浜アリーナのセンター席エリアを1周して別れを惜しんだ。
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ゴールデンボンバーのライブは、本当に楽しい。歌詞がわからなくても、フリがわからなくても大丈夫。ライブご新規さんにも配慮した言葉をかけてくれる。そんなやさしさと楽しさが、ファンを増やしていく所以なのだろう。
11月16日には、同ツアーの特別追加地方無観客ライブとして開催される無人島・沖ノ島でのライブが全国へ緊急生配信される。メンバーたちを地方に運んできた段ボール機材車は、無人島に向けて水陸両用に変身し、4人を乗せて大海原を進んで行った。
取材・文=坂本ゆかり 撮影=菅沼 剛弘