『スヌーピーミュージアム』が南町田に開館! 巨大スヌーピーにも出会える、かわいさあふれる「ピーナッツ」の世界を満喫
(C) Peanuts Worldwide LLC
大人から子供まで、世界中の幅広い世代に愛されているスヌーピー。12月14日(土)、南町田グランベリーパークにスヌーピーミュージアムがオープンした。もともと六本木にあった当ミュージアムは期間限定であったため、惜しまれながらも2018年9月に閉館。1年以上の月日を経て、南町田に移転してのリニューアルオープンである。広々とした空、緑豊かな公園のある恵まれた立地である南町田は、六本木に比べて約2倍の敷地面積を持つという。この度開催された内覧会で、どんな人でもゆったり楽しめるミュージアムの全貌が公開された。
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年間を通じて行われるワークショップや屋上テラス
たくさんのスヌーピーが結集するテラスは必見
ミュージアムに入ってすぐに目に留まるガラス張りの部屋はワークショップルーム。ワークショップは六本木時代も人気があったため、南町田では通年で開催するためにこのスペースを確保したとのこと。12月はキャンドル製作のワークショップを開催しており、ニット帽やマフラーなどをデコレーションし、自分だけのスヌーピーをつくることができる。
スヌーピーのキャンドル(ワークショップ) (C) Peanuts Worldwide LLC
他にもトートバッグやぬいぐるみ、練り切りなど、スヌーピーにまつわる幅広いジャンルのワークショップが開催予定だ。既に満員で締め切りになっているワークショップもあるので、こまめにホームページをチェックしたい。
スヌーピーのぬいぐるみ(ワークショップ) (C) Peanuts Worldwide LLC
ギャラリーは3階から始まり、同階にあるスヌーピー・テラスは必見のかわいさだ。スヌーピーの親戚・友達が大勢集まった壁面と、ゴルフ場のような緑色の床に、赤い帽子をかぶったスヌーピーがポーズを取っており、色のコントラストも鮮やか。スヌーピーでいっぱいの空間で、南町田の自然豊かな景観を楽しんでいただきたい。
屋上テラスにはスヌーピーと仲間たちがたくさん……! (C) Peanuts Worldwide LLC
掲載時の新聞を再現したダイナミックな壁面
スヌーピーをより深く知り、発表当時の雰囲気が体感できる空間
ギャラリーに入るとすぐに五角形のオープニング・シアターがある。こちらは2分半のアニメーションで、四面スクリーンを使ったプロジェクションマッピングになっている。観客は「ピーナッツ」の平面的な原画の中に入っていくような感覚に陥り、映像のキャラクターたちと一緒に遊んでいるような心地に浸ることができるだろう。
オープニング・シアター (C) Peanuts Worldwide LLC
オープニング・シアター (C) Peanuts Worldwide LLC
オープニング・シアター (C) Peanuts Worldwide LLC
続くチャールズ・シュルツ・ギャラリーでは、スヌーピーの生みの親、チャールズ・シュルツ氏が「ピーナッツ」のコミックを描いているところが投影されている。シュルツ氏は妻のジーン・シュルツ氏に話しかけながら描くこともあったそうだ。そのエピソードから、「ピーナッツ」の描画はシュルツ氏にとって、もはや身体に染みついた技術であったことが想像できる。
チャールズ・シュルツ・ギャラリー (C) Peanuts Worldwide LLC
「ピーナッツ」のキャラクターや定番エピソードを紹介するピーナッツ・ギャング・ギャラリーは、壁に近づいてみると、絵が全て赤・青・黄・黒の点で構成されている。「壁面のデザインは、コミックが連載されていた当時の新聞を踏襲して作成。新聞の印刷の網点(印刷物において色を再現する、小さな点)の少なさや、版ずれ(印刷の際、版がずれて印刷される現象)も再現されていて、独特のニュアンスを楽しむことができる」とスヌーピーミュージアム クリエイティブ・ディレクターの草刈大介氏は語った。
スヌーピーミュージアム クリエイティブ・ディレクターの草刈大介氏 (C) Peanuts Worldwide LLC
このグラフィックは、アメリカのチャールズ・シュルツ・クリエイティブ・アソシエイツのチーフ・クリエイティブ・オフィサーであるペイジ・プラドック氏も「かつて日曜版のカラー印刷で紹介された「ピーナッツ」のコミックを見事に落とし込んでいる」と絶賛。スヌーピーと仲間たちが描かれていた時代の雰囲気をダイナミックに体感しながら、エピソードやトリビアを知ることができるこの空間では、キャラクターたちをより身近に、より深く感じることができるだろう。
壁面のグラフィックデザインは祖父江慎+コズフィッシュが担当。 (C) Peanuts Worldwide LLC
紹介されているエピソードは子どもでも読みやすく、離れていても見える大きさで書かれており、また全部読まなくてもデザインとして楽しめるようになっている。ここで目にしたものを、別の展示で再び見て思い出したり、話をつなげたりするような味わいかたもできる。アクリルボックスの中にあるグッズはビンテージの貴重な品で、日本人のコレクターから借り受けたもの。こんなグッズもあったのか、という驚きと共に、日本におけるスヌーピーファンの層の厚さを実感する。
開放的な会場風景。会場デザインはトラフ建築設計事務所の手によるもの。 (C) Peanuts Worldwide LLC
日本のコレクターから借り受けたビンテージグッズも多数展示。 (C) Peanuts Worldwide LLC
8メートルの巨大スヌーピー!
見たことがないスヌーピーたちに囲まれる、新しい体験
2階に降りると、巨大なスヌーピーに圧倒される。壁一面が真っ白なこの空間は、純粋にスヌーピーたちの造形を楽しむことができるスヌーピー・ルーム。「見たことがないスヌーピーを選び、見たことがない大きさにして、かつ見たことがないようなアングルを空間の中で表現した」と草刈氏は言う。ここに置かれているスヌーピーたちは、高さ4メートルの高い天井まで届くような大きさだ。横たわっているスヌーピーは全長8メートルもあり、1950年代のコミックでライナスの毛布の上で寝てしまったというエピソードから採られたもの。裏に回り込むと、広い背中も確認できる。
巨大スヌーピーは全長8メートル (C) Peanuts Worldwide LLC
スケートをしていたり、ハロウィンでルーシーを驚かせたり、テディベアの変装をしてサリーにベッドへ運ばれたり、寝ぼけ顔だったり……。エピソードの中にいた多様な姿のスヌーピーたちは、立体になることでより一層愛らしさが際立ち、魅力を再確認させてくれる。
スケートをするスヌーピー。こちらはシュルツ氏が元旦に描いたという。 (C) Peanuts Worldwide LLC
本ミュージアムは企画展と常設展を同時に実施している。企画展『ビーグル・スカウトがやってきた!』は、シュルツ美術館から借用した貴重な原画で構成。スヌーピーが小さなウッドストックたちとともに野外で活躍するこの話は、ピクニックに適した公園が隣接する今回の立地にぴったり合っており、またシュルツ氏の妻・ジーン氏もお気に入りだという。
企画展『ビーグル・スカウトがやってきた!』 (C) Peanuts Worldwide LLC
隊長らしくふるまおうとするスヌーピーと、強固な意志と個性を持つウッドストックたちのやりとりは、かわいらしくも随所にはっとする気づきをもたらす。企画展は半年ごとに展示替えを行うそうなので、この機会を逃さずに鑑賞しておきたい。
(C) Peanuts Worldwide LLC
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そしてウッドストックのシンボルカラー、黄色で全面が塗られたウッドストック・ルームは、小鳥のふわふわした質感が再現された、ひときわかわいらしい空間だ。ここでは柔らかいクッションに腰掛けてアニメーションを鑑賞したり、関連書籍を読んだりしてリラックスすることができる。
ウッドストック・ルーム (C) Peanuts Worldwide LLC
壁面や棚など、「ピーナッツ」らしいデザインの内装も見どころの一つ。3階から広い展示空間を歩いてきて少し疲れたら、この空間で休みながら書籍や映像を見ると、見てきた展示を思い出しながら「ピーナッツ」の世界をじっくり味わうことができるだろう。
(C) Peanuts Worldwide LLC
(C) Peanuts Worldwide LLC
また、さまざまな場所に仕掛けがあるのも楽しい。壁に描かれた小さな案内係のようなスヌーピー、階段に描かれたスヌーピー、スヌーピーが結集したシャンデリア。このミュージアムには、小さな工夫と大きな喜びがあふれている。
手前はミュージアムの中へと案内するスヌーピー。奥に見えるのはたくさんのグッズが取り揃えられた「ブラウンズストア」。 (C) Peanuts Worldwide LLC
壁のいたるところに案内役が。 (C) Peanuts Worldwide LLC
階段の踊り場も見逃せない (C) Peanuts Worldwide LLC
スヌーピーのぬいぐるみで作られたシャンデリア (C) Peanuts Worldwide LLC
「ピーナッツ」のコミックは、軽妙なやりとりの中に鋭い指摘があり、ユーモラスなエピソードの中に哲学がある。内容も発表された時代を反映しており、現代という視点から読むと面白い発見がある。そしてキャラクターたちはシンプルだが洗練された線や色使いがなされ、一つひとつが完成されており、なにより全てがかわいらしい。大人も子どもも楽しむことができるスヌーピーミュージアムは、子どもが行けば忘れられない思い出になるし、大人が観れば再発見があるだろう。たくさんの人を夢中にさせるこの愉快で深い世界、是非ご堪能いただきたい。
イベント情報
再開日:2020年6月5日(金)
休館日:2020年8月18日(火)
時間:月曜日〜木曜日:10:00〜18:00(17:30入館締切)、金・土・日曜日・および祝日:10:00〜20:00(19:30入館締切)
所在地:東京都町田市鶴間3-1-1
電話番号:042-812-2723
アクセス:東急田園都市線・南町田グランベリーパーク駅より徒歩4分