【「闘龍門」同窓会興行開催直前!】“世界の究極龍”ウルティモ・ドラゴン独占インタビュー到着! メキシコ発のプロレスラー養成学校、闘龍門創始者ウルティモ・ドラゴンが熱い思いを語る
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――2020年1月31日(金)東京・後楽園ホールにて「闘龍門、再会。」と銘打たれた闘龍門の同窓会的な大会がおこなわれます。プロレスラー養成学校としてメキシコで設立され、1999年1月31日に日本逆上陸。衝撃の大会から20年の時を経ての開催ですが、まずは大会決定のいきさつについて教えてください。
「ボクがDRAGON GATEに戻る、というのは言葉にちょっと誤解があると思うんですけど、まずは吉野正人からDRAGON GATEのリングに上がってほしいと要請され、参戦するようになりましたよね。そこから吉野たちのグループと合流して、そのときに彼らの方から、いまの自分たちのリングにこれからも継続して上がってほしいと。前のリングとは違うんですと、いろいろ説明を受けて、自分もすごく納得ができたんですよ。そのなかで実は今年が20周年なんです、と彼が言ってくれたんですね。20周年というのはつまり、闘龍門が逆上陸してから20年になるんだと。彼らのなかで20周年というのは、闘龍門JAPANが逆上陸してからのカウントなんですね。彼らはDRAGON GATEの選手なんですけど、今と前のDRAGON GATEは会社が違うんですという話を聞きました。現在の社名は株式会社ドラゴンゲートエンターテイメントといって社名が違う。会社組織が変わったんですよ。オペレーションをしている会社が違う。そういう説明を受けました。すごくわかりやすい説明をしてもらったし、自分が彼らと再合流することにまったく障害がなくなったんだということがよくわかりました。ボクのなかで和解なんて100%ない。前のDRAGON GATEとは別の会社になったという話に納得できたので、OKしたんです。そのなかで、彼らが20周年というところにすごいこだわってくれていた。自分も、そういえば闘龍門が日本に逆上陸してちょうど20年だと思い出したんですね。20年だからこそぜひ(記念興行を)やりたいんだという話が出たんです」
(c)2020 DRAGONGATEmain
――つまりこれは、吉野正人選手の話があって決まったと。
「もちろん最初は吉野で、そこから斎藤了や、堀口元気、土井成樹、ドラゴン・キッドら、すべてね、彼らからやりたいという気持ちが伝わってきたんですよ」
――ウルティモ選手のなかでは、同窓会的な興行をやりたいという気持ちは以前から…。
「ないです。まったくなかったです」
――その話が出て驚きましたか。
「驚きというか、自分ってそのときそのときの感性で生きてるところがあるんですよね。だからまったく考えてもいなかった。そんななかで思い出させてもらったので、どうせだったらやってみよう、せっかくだからやってみようと思えたんです」
――ではもし今年、DRAGON GATEのリングに上がらなかったらこの話もなかった?
「ええ、なかったと思いますね」
――闘龍門では校長として後進を育てていたわけですが、今年、DRAGON GATEで試合をして、最高顧問という役職にも就任しました。最高顧問の役割とはなんですか。
「とくにこれをする、あれをするというのはないんですよ。基本的に現場は若い子たちがやっていますし、(団体の)象徴的な感じじゃないですかね、簡単に言えば」
――歩んできたレスラー生活や生き様を見せていくということでしょうか。
「団体側は選手たちがボクと一緒にいることによって、同じ空気吸ったり同じもの見たりとか、自分の姿を見ることによって若い子たちがなにかをつかんでくれればいいと、そういうふうに思っていると考えています」
――役職を得たということは、その役割とともに契約選手として継続的にリングに上がってほしいということでもありますよね。
「そうだと思います」
――DRAGON GATEのリングで実際に試合をしてみていかがでしたか。ここは以前の闘龍門JAPANと似ている部分があるなとか、ここはまったく違うなとか。
「もちろんベースは闘龍門なんですけど、それがさらに進化した。自分の想像を遥かに超えるような団体になっていましたよね。それは団体としてのオーガナイズ。たぶん、どこの団体にも負けないくらいのものになってると思います」
――組織として確立されていると。
「そうですね」
――選手の部分ではどうですか。実際、知らない選手がほとんどだったと思いますが。
「知らない選手ばかりでしたね。そういった選手たちがすでに主力としてやっている。まあでも、知らないといってもみんな間接的には自分の弟子みたいなものですから。弟子がいて、孫弟子がいて、みたいな感じですよね。なんだかんだとつながりがあるので、遠いところの選手だなというような気はしなかったですよね」
――ウルティモ選手が教えてきたことがしっかり受け継がれていた。吉野選手をはじめ、ウルティモ選手が直接育ててきた選手がしっかりと伝えていたということになりますね。
「そうだと思いますね」
――大会が開催される1・31は、くしくも逆上陸と同じ日、しかも同じ会場の後楽園ホール。よくホールが空いていましたね。
「たまたまなんですよ。これも全部、縁なんでしょう」
――運命的なものを感じますね。
「ええ、そうなんですよ」
――この大会にはどういったメンバーが参戦し、どのようなカードを組むつもりですか。
「発表会見でも言ったんですけど、自分は闘龍門の同窓会的な大会にしたいんですよ。闘龍門に在籍した子なら、ボクは誰でもウエルカム。ただ、いわゆる学校の同窓会と違うのは、プロとしてお客さんの前でプロのパフォーマスをすると。ですから、過去にほかの仲
間と問題があったとか、そういう子たちは和を乱すことになるのでちょっと呼べないかなというのはありますけどね」
――学校とはいえ、プロのレスラー養成所ですからね。
「そうです。リングに上がるのはプロとして上がるわけですから」
――在籍した時代や期間は?
「それは関係ないです」
――どんなカードを組まれますか?
「一応、闘龍門JAPAN時代の伝説のユニットを数グループ復活させようと思ってます」
――ということは…。
「M2Kがありますね。イタリアンコネクションがあります。このユニットを復活させようと思います。といっても、すべてオリジナルのメンバーでいけるかどうかはちょっとわからないです。まあとにかく、伝説のユニットを復活させたいなと思っています」
――ユニットとは別に、闘龍門では世代ごとにスタイルの異なるプロジェクトがありましたよね。闘龍門JAPANに始まり、T2P、闘龍門X。
「今回に関してはプロジェクトの復活というのではなく、まずは当時のユニットを復活させて、それを懐かしんでいただけたらなと思います」
――プロジェクトのなかで生まれたユニットを復活させたいと。
「ハイ、そういうことです」
――懐かしの顔合わせが再現されたり、当時は闘うことのなかったユニット、選手が闘うケースも出てきそうですか。
「まあ、それは当日のお楽しみです。なので、カードとしても当日発表のものが多くなるんじゃないかと思いますね。それでも参加メンバーに関しては、事前にある程度は発表すると思います。なかには当日まで伏せる選手もいるでしょうけど」
――サプライズ登場もあるという意味ですね。
「ええ、いますね」
――さまざまな事情でリングから去った選手もいますよね。引退であったり、フェードアウトであったり。そういった人たちについてはいかがですか。
「いくつか声はかけてます。というか、向こうから出たいという話がきますね。ボクとしてはリングを離れていたとしても、(当日までに)リングに上がるコンディションが整えられれば問題はないです」
――闘龍門といえば、ウルティモ選手はさまざまな選手にキャラクター付けをしていきました。当時のキャラクターも復活しますか。
「そうですね。それはある程度あると思いますよ」
――創設者のウルティモ選手自身はどうなりますか。
「闘龍門JAPANというのは、自分が選手として出ないことによって成功した部分ってあると思うんですね」
――当時は長期欠場中でしたからね。
「いま、自分が出るか出ないか、すごく迷っているんです。まあそれは、間近になっての空気で判断ですよね。これは出ない方がいいなってなれば出ないし、出た方がいいなと思ったら出る。あとはもう、当日出場するメンバーに決めてもらおうかなと。あくまでも闘龍門というのはウルティモ・ドラゴンの団体ではないんですよ。生徒さんたちのための団体なんですよ。ポスターには自分が一番デカくのってますけど、でも実際は、闘龍門JAPANのときには自分は試合してませんから。まあこれは、みんなに決めてもらいます」
――現在のDRAGON GATEの選手は?
「あくまでも闘龍門JAPANの同窓会なので、そちらはないです。そうでない子たちにはまた別にDRAGON GATEの試合もありますからね。自分はDRAGON GATEの方には引きつづき参戦しますから。海外もあったりしますから全戦というわけにはいかないですけどね、継続参戦はします。なので、そこで闘えればと思います」
――今回は逆上陸から20年を経ての大会となるわけですが、ジム設立はもっと前のことになりますよね。
「そうですね。だいたい23年になりますね」
――ここまでに何人のレスラーを輩出したのでしょうか。数えたことありますか。
「いやあ、覚えてないですね(苦笑)。何人でしょうね? ただこういうのって限界があるわけで、自分にとっては切りのいいところで終われたかなと思います」
――とはいえ、闘龍門で学んだ選手たちが教えを守り実行し、現在の主要団体すべてに卒業生がいると言っていいと思います。
「それはやっぱり自分にとって名誉なことだと思いますね。自分が教えた選手が業界のトップを取ってくれればうれしいし、もちろんそのために作った学校ですからね。ただ単にレスラーになりました、あとはなにもありませんでは、おもしろくないじゃないですか。そういった意味では、名誉ですよね」
――闘龍門がなかったら現在のプロレス界はどうなっていたか。
「それはたまたま結果論であって、べつにそれがなくてもほかから優秀な選手が出てきたかもしれないし」
――ただ現実として卒業生がさまざまなリングで活躍しトップを張っているのは間違いない事実です。
「そうですね。嬉しいことです」
(c)2020 DRAGONGATEmain
――では、1・31後楽園はどんな大会にしたいですか。
「お祭り的な大会にしたいですね。お祭りでいきたいです。デビューした子たちはまず闘龍門というプロレス学校に入学して、日本全国から神戸に集まり、そのあとメキシコに来て異国の地で一緒に暮らす。そのときの思い出って、やっぱりみんなあると思うんですよ。いま団体が違う子もいるじゃないですか。そうなると久しぶりに顔を合わせるような子たちもいると思うんでね。いまはいまでプロとしてのしがらみがあったりするんでしょうけども、その日だけは控え室に入ったらちょっと昔の彼らに戻って昔話をしてもらったりとか、初心に戻ってまた原点を見てもらえたらいいですよね。人間って、あるとき自分の人生を振り返ってみたり、おさらいみたいなことをした方がいいじゃないですか。だからこれはちょうどいい機会になると思うんですよ。この機会に自分のルーツとか、自分はなんでここにいるんだろうとか考えてみてもらいたいし。歳を取ってきたからかもしれないけど、それは最近ボクもよく感じることなんですけどね。この大会って、選手からしたら控え室が楽しみかもしれないですよね」
――選手たちは異国メキシコの同じ屋根の下で暮らしていたわけですからね。
「ボクにはわからない仲間意識もあると思うんですよ。自分は先生で彼らは生徒。ボクが知らない彼らの人間関係ってあると思うんです。いま話に聞けばわかっても、当時には理解できないこともある。だから逆に、彼らの方が昔の仲間に会えると楽しみにしてると思いますよ。ボクに会うというよりは、昔の仲間に会うことが楽しみになるんじゃないですかね」
――当時の闘龍門を見ていたファンも昔の仲間に会う感覚でしょうし、感慨深いものがあるでしょう。
「そうですね。自分にとってどの選手がもっとも優秀だったかとか、かわいかったですかとかよく聞かれるんですけど、自分からしたら全員一緒なんですよ。有名な選手もたくさんいますけど、みんな一緒。松山勘十郎も、アミーゴ鈴木も、自分のなかでは堀口元気だろうが吉野正人だろうが、土井成樹もみんな一緒で比べられないんですよ。なにも変わらないです。業界での評価ってみんな違うと思うんですけど、ボクのなかでの評価、評価というかボクのなかの思いですね。思いは全員一緒です。そこは本当に同じです」
――トップであろうが、マット界から去ろうが…。
「ええ、選手への思いはみんな一緒です」
――では、今回は逆上陸20年をキーワードに多くの選手が再集結するわけですが、同窓会が継続する可能性はありますか。
「それも、参戦する選手が決めればいいと思いますね。またやりたかったらやればいいし。それは自分のエゴでやってもしょうがない。みんながやりたければやっていい。ボクとしてはやりたいですよ、定期的に。昔懐かしいヤツらが集まると嬉しいじゃないですか、とくに歳を取ると(笑)。自分はやりたいですけど、やっぱり彼ら次第。今回、そこでまた何かが生まれるかもしれないし。それはボクにはわからない。プロレスってそうじゃないですか。とりあえずやってみないことにはわからない。どういう反応がお客さんからあるのか、そこからどんな融合があるのか」
――そうですよね。いずれにしてもプロレス学校の同窓会興行って非常に珍しいのですが。
「ないですよね」
――前代未聞だからこそ、なにが起こるかわからない。
「そうなんですよ、わからない。ハプニングもあるかもしれないし。それは逆に楽しみですよね。でも、そのハプニングが悪い方に向いてはほしくないですよね。同窓会なので、みんなで楽しく、ハッピーになれればいいかなと思います」
(取材・文:新井宏)
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《参戦予定選手》
ウルティモ・ドラゴン
ドン・フジイ
堀口元気
新井健一郎
このまま市川
ドラゴン・キッド
スペル・シーサー
斎藤了
セカンド土井(土井成樹)
しゃちほこマシーン壱号&弐号
Kagetora
K-ness.
大鷲透(フリー)
菅原拓也(ZERO1)
新井小一郎(のはしたろう=みちのくプロレス)
高梨将弘(DDT)
南野たけし(フリー)
松山勘十郎(松山座)
アミーゴ鈴木(フリー)
田島久丸(フリー)
CHANGO(フリー)
つぼ原人(フリー)
《M2K》
望月成晃
望月享(横須賀ススム)
神田裕之
《イタリアンコネクション》
YOSSINO(吉野正人)
“brother”YASSHINI(“brother”YASSHI)
コンドッティー修司(近藤修二=WRESTLE-1)
ミラニートコレクションa.t.(ツトムオースギ=フリー)
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