世界的指揮者チョン・ミョンフン 東京フィルハーモニー交響楽団とオペラ『カルメン』を演奏会形式で上演
チョン・ミョンフン指揮オペラ演奏会形式ベートーヴェン『フィデリオ』カーテンコールより 撮影=上野隆文
東京フィルハーモニー交響楽団は、2月の定期演奏会に2001年以来協働を重ねている世界的指揮者チョン・ミョンフンを迎え、 フランスの作曲家ビゼーが生んだ傑作オペラ『カルメン』を演奏会形式で3公演上演する。
古くからオペラでの演奏実績を数多く重ねている東京フィルは、演奏活動の柱の一つとして、オペラを「演奏会形式」で上演することで高い実績を重ねている。今回は日本で最も愛されている作品の一つ、ビゼーの歌劇『カルメン』を取り上げ、奔放なヒロイン「カルメン」役のマリーナ・コンパラートをはじめとして、世界各地で活躍するソリストに加え、合唱では世界的な指揮者や歌手からも高い評価を得る新国立劇場合唱団と杉並児童合唱団が出演、東京フィルとともに一丸となって公演を創り上げる。
チョン・ミョンフン 撮影=上野隆文
チョン・ミョンフンはインタビューで、「『カルメン』は熱いオペラですね。とても情熱が求められる。有名すぎて、軽くみられることもありますが、スコアを読むと、深い情熱が込められたオペラであることが分かります。ビゼーのイマジネーションには驚嘆させられます。彼はジプシーの生活を知っていたわけではないでしょうが、その音楽は生まれた頃からジプシーやスペインの生活に慣れ親しんでいたように感じられます。オペラの演奏会形式での上演は、視覚的な楽しみはありませんが、完全に音楽に集中することができます。すなわち、目をつむってシーンを想像し、耳で音楽に集中するのです。音楽的な見地からすれば、オペラの舞台上演は、歌手の動きなどもあり、妥協をしなければなりませんし、音楽の親密なディテールも犠牲にされます。とてもよく知られたオペラは、時々コンサート形式で演奏するのが良いと思っています」と語っている。