グレン・グールドの音楽表現でAIがピアノ演奏、東京ミッドタウン『未来の学校祭』にて日本初披露

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2020.2.5
『Dear Glenn』プロジェクト

『Dear Glenn』プロジェクト

 

2020年2月20日(木)から2月24日(月・振休)にかけて東京ミッドタウンで開催されるイベント『未来の学校祭』にて、グレン・グールドの演奏表現を習得したAIシステムによるピアノ演奏が披露されることが決定した。グレン・グールド没後から約37年、今は亡き伝説的ピアニストの演奏にAIで迫ったシステムによる演奏は、日本初披露だ。

「アートやデザインを通じて、学校では教えてくれない未来のことを考える新しい場」をコンセプトとする『未来の学校祭』。今回展示されるのは、AI(人工知能)と人間の共創の可能性を追求するためのプロジェクト『Dear Glenn』(ヤマハ株式会社)の成果として開発されたAI搭載のピアノ演奏システム。どんな楽曲でも楽譜のデータさえあれば、グレン・グールドのタッチでピアノを演奏することができ、その再現手法として世界初(※2019年8月現在、ヤマハ株式会社調べ)となる「深層学習技術」を採用しているという。本演奏は、昨年2019年9月にオーストリアで行われた世界最大規模のデジタルアートの祭典「アルスエレクトロニカ・フェスティバル」で初披露され、AIシステムによるコンサートでは会場が満員となるなど好評を博した。

今回の展示では、AIシステムによる演奏の日本初披露をはじめ、ドキュメントビデオのモニター上映、プロジェクトのパネル紹介などを行うという。AIシステムによる演奏披露では、グールドの代表曲として知られるJ.S.バッハ 《ゴルトベルク変奏曲》(BWV 988)のほか、彼の未演奏曲の演奏も予定。いずれの楽曲も学習データには含まれておらず、模倣する音源が無い状態でAIが独自に解釈したグールドの表現での演奏を披露するユニークな試みとなっているという。

イベント情報

『未来の学校祭』展示概要
 
期間:2020年2月20日(木)~2月24日(月・振休) 各日11時~21時
場所:東京ミッドタウン・ガレリア1F ツリーシャワー前
(〒107-0052 東京都港区赤坂9-7-1)
入場料:無料
展示内容:
AIシステムを搭載した自動演奏機能付きピアノの展示、
AIシステムによる演奏の披露(一部時間帯生演奏)、
ドキュメントビデオなどのモニター上映、パネル展示など。

グレン・グールドとは
1932年カナダ・トロントに生まれ、1982年に50歳の若さで没した伝説的ピアニスト。1956年に発売されたデビュー盤「ゴルトベルク変奏曲」を皮切りに、特にJ.S.バッハの演奏について極めて高い評価と功績を残したことで知られています。1964年、コンサートからの引退を表明し、以降、録音に没頭するなど、電子メディアでの発表に傾倒。また、低い椅子に腰掛けかがみこむように演奏する姿勢や、録音時にもかかわらず鼻歌を歌いながら演奏するなど、その斬新かつ独特の奏法も世間からの注目を集めました。晩年にはバッハの「ゴルトベルク変奏曲」をはじめ3枚のアルバムをヤマハのコンサートピアノで録音しました。
 
『Dear Glenn』プロジェクトとは
AI(人工知能)と人間の共創の可能性を追求するためのプロジェクト。グレン・グールドは、早くから電子メディアによる録音に傾倒し、奏者と聴衆の新しい関係性に着目したことでも知られます。プロジェクト名の『Dear Glenn』は、新しいテクノロジーに可能性を見出した彼の姿勢に敬意を評し、着想を得たことに由来します。プロジェクトや技術の詳細については以下の公式サイトをご覧ください。
『Dear Glenn』オフィシャルサイト:http://clk.nxlk.jp/JLuleb8n
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