イメージソングはB’z松本の書き下ろし!江戸のエンタメを感じる『俺たちの国芳 わたしの国貞』展、来春公開
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『俺たちの国芳 わたしの国貞』展 記者発表会の様子
ここのところ日本美術の展覧会が面白い。また新たな見せ方で浮世絵旋風を巻き起こしそうな展覧会が、来年3月より渋谷にお目見えする。Bunkamura ザ・ミュージアム『ボストン美術館所蔵 俺たちの国芳 わたしの国貞』展(会期:2016年3月19日~6月5日)では、浮世絵が最も華やかだった時代のツートップ、歌川国芳、歌川国貞の二人にスポットライトを当てる。江戸っ子たちが現代の私たちと変わらず、ヒーローやファッショニスタに憧れた熱狂ぶりが伝わる、見ごたえのある展示となりそうだ。
歌川国芳/国芳もやう正札附現金男野晒悟助 弘化2(1845)年頃 William Sturgis Bigelow Collection, 11.28900 Photograph ©2015 Museum of Fine Arts, Boston
歌川国貞/当世三十弐相 よくうれ相 文政4, 5(1821, 22)年頃 Nellie Parney Carter Collection-Bequest of Nellie Parney Carter, 34.489 Photograph ©2015 Museum of Fine Arts, Boston
現代と江戸、目線を合わせて
12月1日(火)、グリーンとピンクのポスターが鮮やかに彩る会場で記者発表会が行われた。主催する日本テレビ放送網株式会社・丸山公夫氏は「現代のわたしたちが江戸時代のひとたちと目線を合わせて、浮世絵をどう捉えるかということを考え、現代的な色使いのポスターやタイトルに力を入れた」と語った。また、開催館代表の株式会社東急文化村・西村友伸氏は「近年、海外からの観光客が増える渋谷で、江戸の大衆文化の代表である国芳、国貞の作品を見られるまたとない機会。ぜひ、若い世代や日本美術に触れたことのない人たちに見て欲しい」と意気込みを見せた。
二人の天才絵師の異なる世界に魅せられる
本展で主役となる歌川国芳、歌川国貞は、同じ時代を生きた歌川派の絵師。しかし、その作風はお互いに独特で、その違いこそ本展のみどころだ。
国芳は一言でいえば「ダイナミック」。物語のヒーローや任侠の世界を力強い筆致と、大胆な構図や色使いで描き出し、見るひとを圧倒した。中でも、大判3枚続きの大作は国芳の真骨頂。画面を埋め尽くすほどの大きな鰐鮫(わにざめ)や、迫り来るドクロの迫力は度肝を抜かれる。ちなみに、ドクロは国芳お気に入りのモチーフ。その作風から、男性からの人気がうかがえる。
歌川国芳/相馬の古内裏に将門の姫君滝夜叉妖術を以て味方を集むる大宅太郎光国妖怪を試さんと爰に来り竟に是を亡ぼす 弘化元(1844)年頃 William Sturgis Bigelow Collection, 11.30468-70 Photograph ©2015 Museum of Fine Arts, Boston
一方、国貞は「エレガント」。当時の人気役者の世界を、そのファッションから小物にいたるまで繊細に描き、ひきこまれるような美しい作品を残した。また、雲母を使ったキラキラした仕上げ、藍色一色の遊女シリーズなど、モダンさを追い求めた。江戸時代の女性たちは、華やかな国貞の浮世絵の世界にうっとりしたに違いない。
歌川国貞/「大当狂言ノ内 八百屋お七」五代目岩井半四郎 文化11, 12(1814, 15)年 William Sturgis Bigelow Collection, 11.15096 Photograph ©2015 Museum of Fine Arts, Boston
豪華なサポーター、ゲストアーティストにも注目
本展の音声ガイドを務めるオフィシャルサポーターは「伝統の型の世界で最大限に歌舞いた国芳、国貞に親近感をおぼえる」という歌舞伎俳優の中村七之助氏。そして、展覧会イメージソングはB’z松本孝弘氏の書き下ろしとなる。「ワイルドで生々しく、おどろおどろしくも夢がある作品にロックを感じた」というその楽曲は、本展の精神をあらわしている。
江戸時代に挑戦的な作品を人々に投げかけた国芳と国貞。その傑作を存分に味わえる、来年の春をたのしみに待とう。
会期:2016/3/19(土)~6/5(日)※会期中無休
開館時間:10:00~19:00(入館は18:30まで)※毎週金・土曜日は21:00まで(入館は20:30まで)
会場:Bunkamura ザ・ミュージアム
主催:Bunkamura / ボストン美術館 / 日本テレビ放送網 / 読売新聞社 / BS日テレ
公式サイト:http://www.ntv.co.jp/kunikuni/