UFCからプロレス復帰!“モノがちがう女”朱里インタビュー! リアルジャパン3・19後楽園目前!団体設立15年で初めての女子プロレス 「ストロングスタイルは得意分野。カッコよくて華やかで、バチバチした熱い闘いを見せたいです!」

2020.3.17
インタビュー
スポーツ

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――朱里選手は2年ほど格闘技に専念していましたが、昨年8月、プロレスに戻ってきました。

「そうですね、いまプロレスがすごく楽しいです。それまではUFCに出ていて、契約上、プロレスができなかったんですけど、だからこそプロレスに対する思いが募って、やりたい気持ちもさらに強くなっていきました。プロレスに復帰できてホントにうれしいし、いますごく楽しいです」

――戻ってきて戸惑いはありましたか。たとえば、調整の仕方や試合勘など。

「気持ちが高まっていて楽しい方が全面的に出たこともあり、戸惑いとかはあまり感じなかったと思います。ただ、戻ってくる前には不安とかももちろんありました。でも、リングに上がって試合をした瞬間に、楽しい気持ちが全面に出ましたね」

――格闘技に専念していたときからプロレスに戻ってくる気持ちはあったのですか。

「やっぱり好きなので、ありましたね。でも、やれなかった時間があったからこそ、さらにプロレスのことを考えるようになりました。なにか人に与えたり、見て感じられるものがある、ホントにプロレスって素敵だなって思います」

――自身の自主興行で復帰するって、いろいろとひとりでこなさなければならないことも多く、大変ですよね。

「そうですね。しかも決めたのが大会から1ヵ月を切っていたんですよ。ホントにバタバタで会場探しもどうしようかと。空いている日も2日くらいに限定されていて。それでもやるしかない。スケジュールも、ほかの選手のみなさんが空いてるかどうかもわからないなかで、なんとか新木場で開催できました。実際やってみて、いろんな方に助けてもらい自分のやりたい試合ができたので、よかったです。協力してくれた方、見に来てくれた方に本当感謝ですね。おかげさまで完売して、なかには(来場を)お断りする形にまでなってしまって。復帰戦がそういう(超満員の)空間でできたことは、ホントにうれしかったです」

――プロレス復帰後、現在上がっているリングは…。

「OZアカデミー、スターダム、アイスリボン、WAVE、センダイガールズ、SEAdLINNNG(シードリング)などですね。あと、YMZやガンバレ☆プロレスに参戦したり。プロレスではないですけど、自分の所属のMAKAIの公演が月イチであります」

――広範囲ですね。

「ありがたいです」

――格闘技、UFCの経験がプロレスに活かされている部分はありますか。

「海外でUFCという大きな舞台に上がれた事はものすごい経験になりました。普通では経験できないと思うし、声援とかもホントにすごくて、ひとりの選手としてのリスペクトや、待遇もしっかりしていて最高の場所に来たんだなという実感がわきました。UFCを経験したことによって、朱里という存在の見られ方が何倍も上がったと思います。プロレスに復帰したと同時にいろんな人からモノが違うというか、オーラがすごくなったという風に言ってくれる方もいました。そういう面でも、経験値がものすごい上がったと思います」

――大物感を醸し出すようになったと同時に、いい意味で変わらない部分もあるかと思います。“プロレスラー朱里”が帰ってきてくれたという感覚があるんです。変わった部分と変わらない部分。両方でもってプロレス界に戻ってきてくれたなと思います。

「そう言ってもらえるとうれしいです」

――格闘技とプロレスとの違いとは、あらためてなんだと思いますか。

「自分は昔からまったく違うものだと思っていて、プロレスをやってるから格闘技で勝てるかといったら絶対に違うし、格闘技をやってるからってプロレスができるかと言われたらまったく違うし。お互いがホントに違うものだし、それぞれしっかりと向き合って、それぞれのものを大切に練習していかなければ結果は出ないもの。ホントにそれぞれがまったく真逆で、ホントにそれぞれが素晴らしい競技だと思いますね」

――2つをこなすのが朱里選手のすごさです。

プロレスラーデビューしていて、はじめて格闘技に出た時、すごいバカにされたりもしたんです。プロレスラーが勝てるわけないだろみたいな。でも自分は、プロレスと格闘技どっちにも向き合って、ものすごい練習をしてきました。でも、それを認めてもらうには結果を出すしかない。自分は絶対に結果を出して見返してやるという気持ちでキックボクシングをやってました。キックボクシングでチャンピオンになり、3回防衛し、そこからさらにもっと自分を高めていきたいと思った時に、UFCの映像を見たんです。それまで総合格闘技は絶対にやらないと思っていたんですけど、でもUFCを見て、ホントに強い人たちが集まった世界一の舞台。ここに出たい!と胸が高鳴ったんです。私はUFCを目指す!と思って総合格闘技に転向しました。朱里にはUFCは無理だろうと最初は思ってた人もいると思うんです。でも絶対に見返してやろう、自分は絶対にここに出るんだ、チャンピオンになるんだと。そういう思いをパンクラスの酒井代表に伝えて、参戦させていただいたんです」

――UFCを見据えてパンクラスに参戦した。

「ハイ。酒井さんやパンクラスの方には本当に感謝しています。そこからパンクラスのチャンピオンになって、UFCからオファーをいただいて、やった!と」

――そして、日本人で初めてUFCで白星を挙げた女子選手になりました。

「ハイ。すごく嬉しかったですし、無理だと思ってる奴見たか!と思いました(笑)」

――プロレスと格闘技を両方経験しました。双方の決定的違いのひとつにタッグマッチがあると思いますが。

「ハイ。全然違っておもしろいですよね。志田(光)ちゃんはいまアメリカで活躍していますが、それまでは一緒にタッグを組んでいてベルトも巻いたりしていて、華やかで大好きなタッグチームでした。個々の力もあり、協力する部分もあり、志田ちゃんとは運命の人だと勝手に思っているのでまた一緒にタッグ組みたいなとも思ってます。タッグにはタッグのまた違うおもしろさがありますよね」

――今回、そのプロレスにしかないタッグマッチでリアルジャパンに初参戦することになりました。参戦が決まったとき、どんな思いがありましたか。

「最初にオファーをいただいたときに、あれ、女子ってやってたっけって思いました。それで聞いたら初めてで、(15周年)記念興行と聞いて、そこに出させていただけるのはホントに光栄だと思いました。みやここ(松本都)ちゃんがマッチメークしてくれたそうなんですけど、ホントにうれしい。女子を見たことない人もたぶんいっぱいいるので、(女子プロの)おもしろさを見せられればいいなと思ってます」

――朱里選手の場合、ハッスルでのデビュー当時から男子の団体で試合をするのはもはや当たり前でもありますよね。

「そうですね。違和感はまったくないです」

――リアルジャパンとはハッスルとは真逆というか、ストロングスタイルをテーマに掲げる団体でもあります。朱里選手のイメージするストロングスタイルとは?

「レスリングとか、蹴り合いとか、バチバチにやり合う。思い浮かぶのはホントに熱い試合ですかね。自分がやってきたこと、たとえば格闘技であったり、そういうバチバチしたものって自分にはすごい得意分野なので、ストロングスタイルというものは自分が一番出せるスタイルであるなと思っています」

――松本都&彩羽匠組vs朱里&安納サオリ組というカードについてはどうですか。

「ものすごくいいカードだなと思うんですけど…あれ?とも思いました。ストロングスタイルって言われたときに、みやここちゃんってストロングスタイルだったっけと思って(笑)。最近見た写真で竹串みたいなのが額に刺さってて、あれはメチャメチャ衝撃的だったんですけど(笑)。みやここちゃんにはストロングスタイルというよりは、自分の道を突き進んで突拍子もないことやっているイメージがあります。だからちょっと不安でもありますね。でも、異質なものが入るから逆におもしろいってところも確かにありますね」

――松本選手がストロングスタイルをテーマに選んだカードで、本人以外の人選ではブレてはいないかなとも思えますが。

「そうですね。彩羽選手とは昨年末にSareee選手の自主興行でのタッグマッチで当たってるし、Marvelous(マーベラス)、waveでも何回か試合をしています。安納ちゃんともOZアカデミーでシングルやりましたし、タッグマッチで当たったこともあります。やってて楽しい2人なので、すごく楽しみなんですよね。みやここちゃんとは久しく絡んでないと思います。やったことはあるんですけど、記憶がないくらいけっこう前。UFCにいく前だと思います。やっぱりこの試合ではバチバチな熱い試合を見せたいなと。もちろん女子ならではの華やかさも。カッコよくて華やかで、でもバチバチした熱い試合。そういう試合を見せたいと思います。そのなかで、みやここちゃんが対戦相手でどうなるんだろうっていう気持ちもあります」

――そこでどうなるのか、見る方は楽しみです。

「そうですね!」

――現在欠場中ですが、リアルジャパンは初代タイガーマスク選手が起ち上げた団体です。タイガーマスクについてはいかがですか。

「やっぱりすごい人っていう印象が大きくて、映像を見させていただいたときに動きがものすごくて、ホントにすごい人だなっていうのが率直な印象です」

――もしも現在の女子プロ界でタイガーマスクを選ぶとしたら、朱里選手が適任かなと個人的には勝手に考えたりもするんですよ。

「え、ホントですか!?」

――格闘技のベースがあったりとか、蹴りのスピード、キレを考えたら現代の“女子タイガーマスク候補”かなと。朱里選手のなかにタイガーマスク的な資質があるのではないかなと思うんです。

「考えたことなかったですね。でもそう言ってもらえるのはメチャメチャうれしいです!」

――そういった意味でも今回の参戦に朱里選手はバッチリ適しているかと思います。

「スタイルからしたら、そうかもしれないですね」

――今回はリアルジャパン参戦ですが、その後はどうですか。格闘技の方に再び出るのか、それともプロレス専念?

「いまのところはプロレスを頑張っていく予定です。今後の気持ちなんてどうなるかわからないですけど、いまはプロレスを頑張って最高に楽しんでいます」

――格闘技を経験したうえで、あらためてプロレスの魅力とはなんだと思いますか。

「うまく言えないんですけど、格闘技は格闘技の素晴らしさがあって、プロレスにはプロレスの素晴らしさがあって。プロレスって勝っても負けても、なにかを訴えられるというか、すごい温かいなって思います」

――プロレスを通じてなにかを訴えられるし、そこに対する反応が温かく感じると。

「そういうのってあると思います。お客さんの反応とかも含めて、プロレスと格闘技って全然違うんですよね、それだけに、こんどのリアルジャパンではお客さんの反応が楽しみです」
(聞き手:新井宏)

【全対戦カード】
《メインイベント タッグマッチ 60分1本勝負》
藤田和之(第14代レジェンド王者/はぐれIGFインターナショナル)&杉浦 貴(プロレスリング・ノア)
vs  
スーパー・タイガー(リアルジャパンプロレス)&関本大介(大日本プロレス)

《セミファイナル 国際ビジネス大学校 Presents シングルマッチ 30分1本勝負》
船木誠勝(フリー)
vs
澤田敦士(フリー)

《第4試合 UWAアジアパシフィックヘビー級選手権試合3WAYマッチ 30分1本勝負》
[王者]将軍岡本(第3代UWAアジアパシフィックヘビー級王者/ブードゥー・マーダーズ)
vs 
[挑戦者]間下隼人(リアルジャパンプロレス)
vs 
[挑戦者]岩崎孝樹(ガンバレ★プロレス)

《第3試合 6人タッグマッチ 30分1本勝負》
アレクサンダー大塚(AO/DC)&鈴木秀樹(フリー)&ロッキー川村(パンクラスイズム横浜)
vs 
雷神矢口(浅草プロレス)&タカ・クノウ(フリー)&関根“シュレック”秀樹(ボンサイブルテリア)

《第2試合 一般社団法人国家資格対策センター Presents スペシャルタッグマッチ 30分1本勝負》
朱里(MAKAI)&安納サオリ(フリー)
vs
松本都(崖のふち女子プロレス)&彩羽匠(Marvelous)

《第1試合 タッグマッチ 30分1本勝負》
日高郁人(プロレスリングZERO1)&石切(ランズエンドプロレスリング)
vs
伊香保京介(ランズエンドプロレスリング)&最上九(2AW)

※出場選手は変更となる場合があります。

イベント情報

『初代タイガーマスク 佐山サトル ストロングスタイルプロレス Vol.5』

 日時:3月19日(木)18:30試合開始
 会場:後楽園ホール(東京都)

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