京都フィルが「東村山音頭」をリモート演奏、YouTubeで動画を公開「一万人の東村山音頭」の完成を目指す
京都フィルハーモニー室内合奏団と全国のテレビ関係者たちで構成する一般社団法人「未来のテレビを考える会」は、同会にて展開する「未来の大人活動」の一環として「リモートハーモニープロジェクト」を立ち上げた。
第一弾として始まったのが「1万人の東村山音頭」。新型コロナウイルスの感染拡大防止で外出自粛が長期化する中、「音楽で気持ちを一つにできないか」をスローガンに「東村山音頭」をリモート演奏する追悼動画をYouTubeで公開。この動画をもとに、多くの人たちからの合唱や合奏した音源映像を募集して「一万人の東村山音頭」を完成させていきたいという。
今回公開された動画では、オンラインで京都フィルハーモニーが「志村けんの全員集合 東村山音頭」をクラシックのアレンジで奏で、リモート演奏。「みんなを楽しませてくれた志村けんさんに感謝の気持ちを込めて音楽でお返ししたい。コメディタッチでみんなを笑わせたあの東村山音頭がアレンジによってしっとりした美しい曲に。ここまで違った味わいになるのか‥…を感じて欲しい。」と京都フィルメンバーでクラリネット奏者の松田学は語る。
クラシックが身近なものになるように、音楽の裾野を広げる活動をしてきた京都フィル。 「演奏者として今この時にやれることはなんなのか?」とみんなで考え「もっと音楽を愛してもらいたい。そして元気付けたい。」との想いを形にするべく、京都フィルメンバーとさまざまな演奏家とともにオンライン会議ツールDingTalkLiteを活用してリアルタイムでのリモート収録を行った。
楽団の有志たちが集い、追悼と感謝の意をクラシックの音にのせて届けようと動き出したこの取り組みは、志村けんさんの「全員集合」をキーワードに1万人の音を「集合」させて重ねるべくスタートした。このような取り組みの是非についてはメンバー内でもさまざまな議論もあったが、長時間にわたるミーティングを重ねた末、一致団結した。
「リモート演奏によってプロとしての演奏クオリティを下げてしまわないか」などの懸念もあったが複数ビデオチャットの音質の良さに定評があり、リアルタイム収録が可能なオンライン会議ツールDingTalkLiteを使うことによりメンバーが集合して録音できることを知り、課題を解決。緊張感の高まる中、それぞれがベストの音を目指して演奏し、収録を終えた。
京都フィル理事の小林明氏は「クラシック界のみならずエンターテインメント全体でコロナによるダメージは危機的状況です。そんな中で京都フィルができることは何か?完璧な中での収録ではないのは承知の上ですが、その分団員とも新しいコミュニケーションも取れました。リモートで収録してここまでのクオリティになるとは思っていませんでしたが、 みんなを存分に楽しませてくださった志村さんに感謝の思いを込めてメンバーも演奏しました。年末までになんとか一万人の歌声や演奏を集め、一つの動画にして発表したいですね。」と新しい取り組みに手応えも十分の様子。
京都フィルから紡がれた東村山音頭のメロディが、どんどん広がって1万人の奏でる音が重ね合わせられた時、新しいクラシックの形が生まれることだろう。
現在、リモートハーモニーwebページにて東村山音頭の音源データ、楽譜データの配布、 収録マニュアルのアナウンスを行なっている。
【京都フィルハーモニー】リモートで「東村山音頭」を演奏してみた