仮想劇場「THEATRE E9 Air」第一弾で、京都のコントユニットが「妄想コント」に挑戦!
今回も上演(?)されるコント『体操のお兄さん~フィナーレ』を演じる「THE GO AND MO’S」の黒川猛。
新型コロナによる非常事態宣言が解除されつつあるものの、感染予防対策や、すぐに上演できる作品がないなどの理由で、即時再開とはなっていないのが各劇場の現状。そんな中、京都の劇場「THEATRE E9 KYOTO(以下E9)」が、劇場を使わない作品を発表する仮想空間「THEATRE E9 Air」を立ち上げることを表明。そのこけら落としとして、京都のコントユニット「THE GO AND MO’S(以下GOMO)」が『THE JOKE AND MO’S vol.3 妄想コント』を上演する。
E9芸術監督・あごうさとしの呼びかけで「4月29日午後2時に、観客全員がその場で深呼吸をすることで〈演劇公演〉を成立させる」という実験演劇『無人劇』を行ったE9。その頃ちょうど「劇場を一切使わないで、何かできることはないか」と考えていたというGOMOの作家・黒川猛が、E9に今回の企画を持ちかけて実現したという。
THE GO AND MO'S『THE JOKE AND MO'S vol.3 妄想コント』舞台監督の大鹿展明による妄想の舞台美術案(公演ブログより)。
まずGOMOサイドは、上演する予定のコントのあらすじ、出演する俳優やスタッフの名前をブログで公表。そしてツイッターの「#これは妄想コントの妄想稽古です」のハッシュタグで、随時公演の進捗状況を報告する。観客はその情報を元に、どのようなコントができるのかを想像。そして最終日の5月31日に、黒川&GOMO制作の丸井重樹が「妄想ポストパフォーマンストーク」を配信することで、公演を完結させる……という流れだ。
「せっかくなら人が多い方が面白いし、観客にも伝わりやすい」(黒川)ということで、知り合いの演劇関係者に片っぱしから呼びかけた結果、「MONO」の土田英生や「ヨーロッパ企画」の本多力など、40名もの人々が参加を表明。彼らもまたハッシュタグで、それぞれの妄想稽古の模様をフリーダムにつぶやいているので、黒川はもちろん、観客の妄想も当初の予想を超えて広がるという状況になっている。
コント『くノ一』の妄想稽古の様子(公演ブログより)。
黒川からは、以下のようなコメントが届いた。
31日のトークは、決して答え合わせではありません。それぞれが妄想したコントをより楽しんでもらうために「あそこははしゃぎすぎたよなー」とか、反省や感想を2人で言い合うだけです。お客様が妄想したことが、全部正解です。だから本当に自由に想像して、自分の頭の中で存分にコントを楽しんでもらえたらと思います。
同じ情報を与えても、考えることは十人十色。ハッシュタグを通じて「この役者さん、このヒントからこんなことを妄想するんだ」ということを楽しみながら、観る側も自由に想像の翼を広げて、飛び切りのコントを創造してみてはいかがだろう。そしてこれに刺激を受けて「THEATRE E9 Air」で、奇妙で愉快な実験演劇が続いていくことも、同時に期待したい。
【動画】「妄想コント」Trailer
文=吉永美和子
公演情報
THE GO AND MO'S『THE JOKE AND MO'S vol.3 妄想コント』
■脚本・構成・演出:黒川猛
■構成:中川剛
■音楽:Nov.16
■映像収録・編集:岸本康
■制作他:丸井重樹
■日時:2020年5月31日(日) 14:00~
※ご予約をいただいたお客様に、vimeoの限定URLとパスワードをお送りします。
※映像はLIVEではありませんが、限定公開は15時で終了します。
※当日「THEATRE E9 KYOTO」には誰もいません。くれぐれも劇場へは来ないでください。
■料金:
500円
1,000円(500円+投げ銭500円)
3,000円(500円+投げ銭2,500円)
5,000円(500円+投げ銭4,500円)
10,000円(500円+投げ銭9,500円)
※代に“投げ銭”を上乗せした券種をご用意いたしました。投げ銭分及び必要経費を除く収入は、すべてTHETRE E9 KYOTOへの寄付となります。
■予約・公演サイト:https://askyoto.or.jp/e9/ticket/20200531(THEATRE E9 KYOTO)
■公演サイト:https://mproduce.wixsite.com/gomo/jam03(THE GO AND MO'S)