「神のテノール」ジョン・ヴィッカーズさん逝去

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「Very Best of Jon Vickers 」ジャケットより

「Very Best of Jon Vickers 」ジャケットより

ジョン・ヴィッカーズ(テノール)逝去

20世紀を代表するカナダのテノール、ジョン・ヴィッカーズが7月10日に逝去した。88歳だった。

ヴィッカーズは1926年生まれ、1954年のオペラデビューから、30年以上にわたり世界的に活躍した。ワーグナーの作り出した英雄的な役どころで活躍したことから、またその深い信仰からも「神のテノール」と称された。1988年にはオペラの舞台から引退していた。

カナダでのデビューから数年でロイヤル・オペラ、バイロイト音楽祭、メトロポリタン歌劇場など世界の舞台に登場した。日本では、1979年の「ピーター・グライムズ」がいまも名演として語り継がれている。

声量を活かして「ニーベルングの指環」ほかワーグナー作品などでヘルデンテノールとして活躍したほか、歌曲や宗教作品などのレパートリーでも見事な歌唱を聴かせた、、一時代を作った名歌手だった。

日本の音楽ファンにはレコーディングでの印象がより強いだろう。大量のディスコグラフィの中でも、ヘルベルト・フォン・カラヤンとの「フィデリオ」、「カルメン」、「トリスタンとイゾルデ」などは今も名演として高く評価されている。また、当時カラヤンが積極的に取り組んだ彼自身の演出によるオペラ映画として遺された「オテロ」では彼の歌のみならず演技も遺されている。彼の逝去を惜しみつつ、数多く遺された録音や映像に触れてみては如何だろうか。

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