吉田都・新芸術監督とチコちゃんが共演 新国立劇場バレエ団『ドン・キホーテ』3大スペシャル配信が決定
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撮影:瀬戸秀美
2020年10月23日(金)より古典バレエ『ドン・キホーテ』で幕を開ける新国立劇場2020/2021シーズン。吉田都の新国立劇場バレエ団の芸術監督としての初作品となる本作が、オンライン有料配信されることが決定した。
セルバンテス著『ドン・キホーテ』のエピソードが原作である本作は、床屋のバジルと町娘キトリの恋物語が、陽気に賑わうバルセロナの町で繰り広げられる。闘牛士や町の女たちによるスペイン舞踊、風車のエピソード、ドン・キホーテの夢の中で繰り広げられる美しい群舞、そして最終幕の恋人たちによるグラン・パ・ド・ドゥまで、古典バレエの美しさとバラエティに富んだ踊りの数々を堪能できる人気演目だ。陽気で力強さに溢れる本作では、充実した新国立劇場バレエ団のソリスト達と定評ある美しいコール・ド・バレエによる、古典レパートリーならではの充実した舞台を披露する。大原永子前舞踊芸術監督の任期最後のシーズンの2020年5月に上演中止なったが、吉田都・新芸術監督にそのまま引き継がれ、新しいシーズンの船出を華やかに彩る。
撮影:瀬戸秀美
この度、劇場だけでなく映像でも楽しめるよう、本作のオンライン有料配信が行われることが決定した。NHKエンタープライズが主体となる「チコちゃんといっしょに課外授業製作委員会」と新国立劇場の共催により人気番組「チコちゃんに叱られる!」のチコちゃんと共に届ける。今回の企画では、吉田監督が主役2人を指導するリハーサルの生配信など、様々な特典映像をつけて配信を予定しており、詳細は9月中旬以降に配信公式ホームページ他で情報発信される。
吉田都舞踊芸術監督からのメッセージ
吉田都 (C)Tamaki Yoshida
新国立劇場バレエ団との新しいシーズンが、まもなく始まります。就任するシーズン最初の演目にと、早くから準備を重ねていたピーター・ライト版『白鳥の湖』の新制作は、コロナ禍により<延期>という選択をいたしました。しかしその代わりに、この5月に上演が予定されていたバレエ『ドン・キホーテ』を、大原永子・前舞踊監督から<バトンを引き継ぐ>形で上演できることを、嬉しく思っています。より多くのダンサーたちにチャンスを与えるキャスティングも、そのまま引き継ぎ、この楽しいバレエの上演に向けて、稽古場での指導も行っております。
新国立劇場バレエ『ドン・キホーテ』は、モスクワ・ボリショイバレエ団で活躍し、芸術監督も務めたA.ファジェーチェフによるものです。彼によると、『ドン・キホーテ』はクラシックの粋を集めた舞踊芸術の華麗な祭典であり、プティパのバレエ作品の中でも最もモスクワらしい作品なのだそうです。そして、この「モスクワらしさ」は、1869年にモスクワで初演されたからとか、A.ゴルスキーが挿入した珠玉の舞踊シーンがあるからではなく、何よりモスクワ派のバレエとボリショイの舞踊手に特有の、屈託のない大らかさ、遊びの感覚、即興的な自由がこの作品に溢れているところから生まれてくるそうです。皆さまには見どころがたっぷりの、オーソドックスな古典バレエの世界を楽しんでいただけるものと思っております。
これからも、多くの方々にバレエという芸術に触れ、楽しんでいただけるよう、新国立劇場バレエ団のみんなと共に努力してまいります。こういう時に劇場に来ていただけることは、ダンサーにとっては何よりの励みとなります。観客の皆様には「日常が戻って来た!」という安心感を得ていただけることを、心より願っております。