RIZIN新王者・朝倉海が連続参戦 RENAが実力査定の一戦に臨む
フジテレビでの生放送が行われる「Yogibo presents RIZIN.24」(9月27日、さいたまスーパーアリーナ)。大会開催が迫るが、9月13日と15日には続けざまに会見が行われ、さらなる対戦カードが発表となった。先月RIZINバンタム級王者となったばかりの朝倉海が連続出場、RIZIN女子の開拓者であるRENAの参戦も新たに発表となった。
朝倉海「僕がこの大会を盛り上げたい」
8月10日の「RIZIN.23」で扇久保博正に初回TKO、悲願の王者となった海のわずか1ヵ月半での連続参戦が決まった。
「正直、今回は見送ろうと思ったんですけど、社長から『協力してほしい』と言われて、ちょうど1年前も同じようなことがありましたけど、RIZINが困っている時こそ、チャンピオンとして盛り上げるのが責任だと思うので、出場を決めました」
そう話した海は、昨年8月に堀口恭司をアップセットで撃破した後、続く10月にも連続出場。大勝負後のコンディションが懸念されたが、さらなる強さを見せ佐々木憂流迦を初回TKOに降した。今回はそれに似たシチュエーションでの参戦となる。
「(今回)やらなければそれ以上のことは起こらないと思うけど、年末に向けて盛り上げるには挑戦することも必要かなと思うので、僕がこの大会を盛り上げたいと思います」
昨今、海はインタビューで“使命”という言葉を用いるが、RIZINを背負っているという責任感、そして使命感に駆られ、今回の出場を決めた形だ。
対する昇侍(しょうじ)は高校球児から航空自衛隊を経て格闘家となり、2006年10月にはパンクラスで3秒のKO記録を打ち立て(跳びヒザ蹴り)、08年1月にはパンクラスの初代ライト級王者に輝いた。13年6月にはUFCで“ザ・コリアン・スーパーボーイ”の異名を取るチェ・ドゥホと年間最高試合とも言われる激闘を繰り広げており、そのストライカーぶりには定評がある。「一発を持っていて、海に真っ向勝負できるのは昇侍しかいない」とRIZIN榊原信行CEOも期待を掛ける。
「地上波放送で僕の熱い戦いを世間に届けたい」と話す海は目論見通りの熱闘、そして勝利を得ることができるか。
▼RIZIN MMAルール(61.0kg)5分3R ※肘あり
朝倉海(トライフォース赤坂/RIZINバンタム級王者、元THE OUTSIDER 55-60kg級王者)
vs
昇侍(トイカツ道場/元パンクラス・ライト級王者)
RENA2020年第1戦、ベテラン実力者・富松に挑む
またRENAvs富松恵美の一戦も決定。RENAは昨年自身の念願だった米マジソン・スクエア・ガーデンでの試合を実現させるもリンジー・ヴァンザントにスリーパーで一本負け。しかし大晦日リベンジ戦に臨むと3Rにマウントからのパウンドでリベンジを果たした。今回はそれ以来、今年初の試合となる。
RENAは「MMAの舞台で試合をしている以上いずれ富松選手や黒部(三奈)選手、前澤(智)選手という実績のあるベテラン選手のみなさんに挑戦したい気持ちはあったものの、今回は時間が短く、せめてもう少し準備期間がほしいというのが正直な気持ちでした」と自身の気持ちを吐露。
「でもそのMMAにチャレンジするきっかけをくれて、私の第2の格闘技人生の扉を開いてくれたRIZINは、私にとってシュートボクシングと同様に大事な大事な守るべき場所です。そのRIZINがコロナ禍で大変な状況にあるのであれば、いま私にできることは戦うことしかないので今回思い切って出場を決めさせて頂きました」と海同様の使命感で参戦を決断したという。
対する富松はプロレスラーとしてデビューするも病気に苦しめられ引退。その後転身した総合格闘技でも2008年のWINDY智美戦で再起不能と言われる大怪我を負うが、そこからも復帰し、14年にはDEEP JEWELSストロー級暫定王座を獲得した。柔術黒帯に加え打撃も磨きを掛け、19年にも前澤智の保持するDEEP JEWELSアトム級王座に挑戦と、国内女子MMAにおいて第一線の実力を有している。
立ち技選手としては申し分ないRENAだが、MMAファイターとして現在どのポジションにあるのかは見えていない部分がある。12年8月に対戦しシュートボクシングルールで降したハム・ソヒが現在のRIZINチャンピオン。RENAにとってクリアすれば、確実にそこへ繋がる一戦となる。あるいは富松がプロレスから20年続くキャリアの厚みを見せ、それを阻むのか。
▼RIZIN 女子MMAルール(53.0kg)5分3R ※肘あり
RENA(SHOOTBOXING/シーザージム/シュートボクシング女子世界フライ級王者)
vs
富松恵美(パラエストラ松戸/元DEEP JEWELSストロー級暫定王者)
元十両・貴ノ富士、江幡ツインズ兄がRIZINデビュー
また昨年9月に付け人への2度目の暴力行為が発覚し10月に引退した大相撲の元十両・貴ノ富士のMMAデビューが決定。「スダリオ剛」の名でプロレスラーのライディーンことディラン・ジェイムスと対戦する。大相撲からの格闘技転向は話題こそ提供すれど大きな成果を残すには至ってないが、“大和魂”エンセン井上に師事するスダリオはその潮目を変えることができるのか。
また昨年大晦日に那須川天心との対戦で話題を呼んだ江川塁の双子の兄・睦(むつき)もRIZIN初参戦。Bigbangの元王者で現在はRISEを主戦場にする良星(らすた)と対戦する。塁は8月の「RIZIN.22」で再びRIZINに参戦し初白星を上げたばかり。今度は睦が続き、兄弟での連勝を狙う。
▼RIZIN MMA特別ルール(120.0kg)3分3R ※肘あり
スダリオ剛(フリー)
vs
ディラン・ジェイムス(ランズエンドプロレスリング)
▼RIZIN キックボクシングルール(55.0kg)3分3R
江幡睦(伊原道場本部/WKBA世界スーパーバンタム級王者)
vs
良星(平井道場/RISEバンタム級1位、元Bigbangスーパーバンタム級王者)