『ゴルゴ13』のさいとう・たかをがキャラデザインを担当 和歌山県を題材にした舞台『火具鎚(カグツチ)のうた』の上演が決定
舞台『火具鎚のうた』
和歌山市と和歌山市観光協会が中心となって文化芸術体験の機会を創出するプロジェクト「WAKAYAMA SOUNDSCAPE 2020」より、舞台『火具鎚のうた』(かぐつちのうた)が和歌山城 西の丸広場にて上演することが決定した。
本作は、1,400万年前に紀伊半島で起こった地球最大規模の噴火から着想を得たストーリーを「劇団5454(ランドリー)」の「ト音」にて数々の賞を受賞した脚本家・春陽漁介が描き下ろした“未来の和歌山市”を題材にした物語で、キャストには和歌山児童合唱団や和歌山県在住の若手俳優らを中心に起用されている。
また、本作の主人公であるミーコ・カイ・ソラのキャラクターデザインを和歌山県和歌山市出身で不朽の名作『ゴルゴ13』の作者として知られる、さいとう・たかをが担当している。
(左から)カイ・ミーコ・ソラ キャラクター
さいとう・たかを コメント
私は1936年、和歌山県で産声を上げました。生誕の地でもある和歌山には想い入れ深く、今回のオファーも快く引き受けさせて頂きました。
和歌山の古くから伝わる歴史的逸話、さらには雄大かつ神秘的な自然を多くの方々、特に若い世代にも知って頂ける良い機会なのかとも思いながら、キャラクターデザインをしました。
『火具鎚のうた』という舞台作品にて、和歌山の魅力的な「歴史」「自然」が末永く伝承されていく事を心から願っております。
■ミーコ
ミーコ
カイ、ソラとは幼馴染。とても怖がりの女の子。
普段は天真爛漫だが、それは恐怖心の裏返し。人一倍恐怖心を感じやすいキャラクター。
■カイ
カイ
ソラの兄でミーコとは幼馴染。勉強はあまり得意ではないが、三人の中では記憶力を持っていて、誰も覚えていないようなことを覚えている。三人の中では一番勇気のあるキャラクター。
■ソラ
ソラ
カイの弟でミーコとは幼馴染。勉強がとても得意で、論理的。非科学的なことは絶対に信じない。冷静沈着だがどこか可愛げのあるキャラクター。
西暦2100年、世紀末を迎えた和歌山市。現代と大きく変わらないように見える世界だが、地球の温暖化は止まらず、百年前にも流行した終末思想がインターネットをにぎわせている。そんな未来に暮らす高校生のミーコとソラは、ある日を境に全く同じ夢を見始める。赤く燃え上がる空に「火具鎚(カグツチ)」という言葉(うた)。カイの弟で秀才のソラは、ふたりの話を信じようともしない。一方で、その現象は日に日に世界へと広がっていく……最初は一蹴していた科学者も、悪質な噂だと批判したメディアも、今ではその究明に真剣だ。
徐々に曖昧になっていく “現実” と “夢” の境界が消え去る時、主人公の3人は、“記録” ではない “記憶” を見ることになる。
それは、誰のための、誰の予言なのか?
再び、「火具鎚のうた」が流れ始める。
ステートメント
ヒト科/人類は、火を道具として操ることで
自分たちだけを自然摂理から切り離し、
人間(人と人との間=社会)となった。
火は鉄を生み、鉄は武器となり、
それは、さらなる大火を生み続けた。
そうして、道 “具” としての “火” は
いつしか、人間があつかえる限界を遥かに超え、
この星を幾度も滅ぼすほど、強く大きな力を持った。
それこそが、太古の昔から語り継がれてきた「火具鎚」であり、
八百万の神々が、驕り高ぶった人間へと振り下ろす鉄 “鎚” だ。
火を生む環境破壊。
本末転倒な核兵器。
心を失わせる炎上。
これは、あらゆる火を起こし、自らのみならず
すべてを焼き尽くさんとする人間の業に警鐘を鳴らす歌だ。
レーザーやLEDなどの最先端機材を駆使し、新歌劇として上演される本作は、全国から視聴できるよう映像配信される予定。本公演は公式サイトにて2021年3月16日(火)正午公開予定。今後の展開に期待しよう。
公演情報
会場:和歌山城 西の丸広場
振付:野口量
振付:森井淳
Space Design:YAMACHANG
写真:Iori Takano
脚本・演出:春陽漁介
児童合唱:和歌山児童合唱団
混声合唱:The Metropolitan Chorus of Tokyo
作曲:松下耕
作詞:みなづきみのり
「カグツチ」
作曲:松下耕
作詞:みなづきみのり