伊原六花・天翔愛がジュリエット役に挑む決意とは ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』インタビュー

インタビュー
舞台
2021.4.21
(左から)天翔愛、伊原六花

(左から)天翔愛、伊原六花

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新キャストによる2年ぶりの上演が発表されたミュージカル『ロミオ&ジュリエット』で、新たにジュリエットを演じる伊原六花と天翔愛の対談がビジュアル撮影の合間を縫って実現。大好きなミュージカルへの思い、大役を担う決意──ピュアな想い溢れるふたりのフレッシュなトークをお届け!

ーーおふたりがこうして揃うのもまだ新鮮な感じですか?

伊原:そうですね。歌稽古は始まっていて、ロミオとジュリエットふたりで、というのはあるんですけど。

天翔:バラバラにお稽古しているので、ジュリエット同士で一緒になることは今までほとんどなかったですよね?

伊原:はい。それに今日の撮影も最初にご挨拶してからはロミオとジュリエットのペアで一緒に進めていたので、なかなかお話できなかったよね。

伊原六花

伊原六花

天翔:フフフッ(笑)。

伊原:ホントについさっきふたりきりになれて、すごく初歩的なところからお話しさせてもらって。「好きな食べ物なんですか?」とか(笑)。

天翔:(笑)。やっとここからって感じです。

ーーではお互いの印象は……。

伊原:天翔さんは私に持ってないモノをたくさん持ってるなぁって思いました。まず……「品」。話し方だったり姿勢とかからも、すごく素敵な女性だなって感じています。お芝居のお稽古が始まっていないので役や作品について話し合うことはまだできていませんが、たくさんお話しして、お互い持っているものが違うと思うのでそれを活かし、刺激し合いながら創っていけたらなと思っています。

天翔:私は俳優さんたちとご一緒させていただくこういう現場も本格的にお芝居する現場も本当に初めてで、何から話しかけていいのかわからなかったし、何をすればいいのかもわからなくて固まりがちだったんですけど、伊原さんのほうからフランクに話しかけてきてくださったのですごく安心しました。撮影でも初めてのことが多かったですが、伊原さんは慣れてらっしゃってポーズとか表情とかホントに素敵で……。

天翔愛

天翔愛

伊原:いやいやいや(照)。

天翔:私、お写真を撮る間もすごく勉強させていただいて、これからも……ホントに全部が初めてのことばかりなので、もっともっと身近にいてくださる先輩として学ばせていただきたいなという気持ちでいっぱいになりました。

伊原:でも本当に私たち、真逆……だと思わない?

天翔:思います! 思います!(笑)。

伊原:天翔さん、私が欲しいなって思うモノを持っているし、素敵だなって思うところがたくさんあるので、私のほうが年上ではありますが、自分自身まだ舞台の経験もあまりないですし、「一緒に」本番を目指せたらなっていうのが一番の願いです。

天翔:私も伊原さんは自分にはないところ……自分の思いを発信していく力とか、前向きなところがすごく素敵だなと感じています。私ももっとそういう部分を身につけられたらと思いますし、勉強させていただきながらたくさん吸収していけたらいいなぁと思います。

(左から)天翔愛、伊原六花

(左から)天翔愛、伊原六花

ーー新たなジュリエットを演じていく同士、高め合い、手を取り合って……の日々が始まりますね。改めて本作へ出演が決まったお気持ちをお聞かせください。

天翔:はい。私にとってオーディション自体が初めてだったので、決まった時は驚きと同時に、世界中で愛されているこんな素敵な作品で初舞台、初めてのお芝居をさせていただけることに、喜びと感謝の気持ちでいっぱいになりました。『ロミオ&ジュリエット』という作品はまさに憧れであり、この舞台を観て「自分も舞台に立ちたい」と思ったきっかけの作品でもあったので、本当に運命を感じたというか、とても貴重なご縁をいただいたという気持ちです。個人的にも本当に大好きな作品なんです。毎日不安もあるんですけど、それ以上にときめきが大きいのでもうドキドキとワクワクで「楽しい!」って思いにあふれています。先輩方に囲まれて私が最年少、すべてのことをみなさんに学ばせてもらいながら、とにかくやるしかない。自分の感性を信じ、一生懸命大事に頑張りたいです。

ーー熱く燃える想いが伝わってきます。

天翔:猪突猛進(笑)。そんな気持ちでいっぱいです。

伊原:私も『ロミオ&ジュリエット』は好きな作品で、劇場で観ることはできていなかったんですけど……元々いろんな舞台稽古の映像を見るのが好きだったりして(笑)、そういうところでもたくさん触れていた中の一作でした。そこに自分が参加できるなんて思ってもいなかったし、決まった時は「まさか、本当ですか!?」ってなかなか実感が湧かなかったです。でもこうして実際に動き出し、中に入って作品の全貌に改めて触れてみると「シェイクスピアの作品をこんな斬新な演出で!」という部分もすごく心にビビビッときています。今はちょっとずつ自分ならこうしたいな、こうできるかなっていう思いも芽生えてきているので、それを実現させていくのもすごく楽しみです。

ーーおふたりともミュージカル自体、大好きなんですよね。

伊原:はい。宝塚や劇団四季……ほかにもいろいろ観劇しています。私が感じているミュージカルの一番の魅力は、劇場に行って、あの空気感を感じ、ベルが鳴って幕が上がった瞬間にもう日常を忘れられるっていうところ! 役者さんもセットも演出も作り込まれていれば作り込まれているほど没頭してしまいますし、観ている間は何も考えずに物語の感情になれるのが素敵で。だからこそ自分が舞台に立つときもしっかりその世界観に入らなければ、きっとお客様にもそれが伝わってしまうと思うので……そこを大事にしていきたいです。自分のペースもつかみ、みなさんとも話し合いながらいい作品創りができたらなって思います。

伊原六花

伊原六花

天翔:私は小さい頃からミュージカルなどの芸術作品が本当に好きだったので……よく宝塚を中心に観に行っていたんですが、やっぱりミュージカルならではの魅力は作品に合わせて作られた楽曲と、映像とは違う生で役者さんの感情や気迫とかを感じられるところだなと思います。そして自分もそこに呼応して泣いたり笑ったり感動したりを体験できる。それに同じ作品でも俳優さんたちが生み出す空気から日々違うモノが受け取れるので、何回でも観に行きたい! って思える新鮮さがあるのもポイント。私も今回初めてステージに立ちますが、お客様に「観てよかった」と心に残る感動や真実の愛っていうものを心に持って帰っていただけるよう、とにかくジュリエットになりきっていきたいです。

ーー『ロミオ&ジュリエット』、個人的にお気に入りのシーン、演じるのが楽しみなシーンをあげるとしたらどこでしょう?

伊原:私は「ひばりの歌声」が大好きで。

ーー寝室での別れの場面。

伊原:ホントに数日の間で「いつか出会えたら」と願っていた人と出会い、その人と両想いになって恋におちて、でもその彼は従兄弟を殺めてしまい追放が決まり……人生の波という波がそこに集中している。その中でジュリエットも考えて、きっとこのシーンで一歩大人になるというか、無垢な少女だったところから少しずついろんなことを知って女性としてひとり立ちしていく。その様子がクッキリと見えるシーンだなって思うので……ひばりの歌も含め、その前後のシーンが大好き。あれが女の子から女性になる瞬間なんだなって思います。

天翔:(頷く)。私は「エメ」のシーン、大好きです。初めてジュリエットが恋という気持ちを体験して、そしてロミオも同じ気持ちで……ふたりはあの場面で最初に愛を誓うじゃないですか! その心の盛り上がりだったり、真実の愛の形が本当に凝縮されたような歌。テンポも歌詞も……ずっと「愛」という意味の「エメ エメ…」と繰り返すところがとってもロマンチックだなって。

伊原:そうなのっ!

天翔:そこにあるのは幸せな想いだけ。私が観客として観ていて、一番ガーッと気持ちが入る場面です。ロマンチックな感動を受け取れるあのシーン、あの空間がホントに大好き。私にとってまさにこの作品の“推しポイント”です(笑)。

天翔愛

天翔愛

ーージュリエットのように愛のパワーに突き動かされる生き様、憧れますね。

伊原:私もジュリエットと同じ一目惚れタイプなので、自分が好きになって相手も好きになってくれる喜びはちょっとわかります(笑)。それに恋って自分たちの思いだけじゃ上手くいかないこともあるから、あんな風に周りに引き裂かれそうになったら「そうだよね。ふたりでどこかに逃げたくなるよね。わかるよ!」とも思います(笑)。でもそれも受け止めて次に進んでいこうと思えるジュリエットの強さ、勇気はすごいなって……。そこを私もお芝居で伝えられたらって思います。

天翔:愛のパワー……私は本当の恋愛はちょっとまだ、あれですけど……。

伊原:可愛い(笑)。

天翔:(照)。私は家族が大好きなので、家族が私にくれる愛情も大切だし、私自身も家族のために全てを捧げたいって思えるくらいの気持ちがあって、それはやっぱり「愛してる」っていう気持ちなんだと思います。そういう愛する人に背中を押されたり愛情をもらうのってすごく自分の原動力になると思うので、「愛の力」は私自身も日々実感することが多いですね。今回はそれをしっかりお芝居へと取りこんでいきたいです。

伊原:全部、楽しみだね。

天翔:楽しみです!

(左から)伊原六花、天翔愛

(左から)伊原六花、天翔愛

取材・文=横澤由香  撮影=中田智章

公演情報

ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』
 
原作:ウィリアム・シェイクスピア
作:ジェラール・プレスギュルヴィック
潤色・演出:小池修一郎(宝塚歌劇団)
 
出演:
ロミオ:黒羽麻璃央/甲斐翔真(Wキャスト)
ジュリエット:伊原六花/天翔愛(Wキャスト)
ベンヴォーリオ:味方良介/前田公輝(Wキャスト)
マーキューシオ:新里宏太/大久保祥太郎(Wキャスト)
ティボルト:立石俊樹/吉田広大(Wキャスト) 
キャピュレット夫人:春野寿美礼 
乳母:原田薫 
ロレンス神父:石井一孝 
モンタギュー卿:宮川浩 
モンタギュー夫人:秋園美緒
パリス:兼崎健太郎 
ヴェローナ大公:岡幸二郎 
キャピュレット卿:松村雄基
死:小㞍健太/堀内將平(Wキャスト)
 
R&Jダンサー:
新井智貴 KOSUKE 酒井航 高木勇次朗 谷森雄次 徳永大輝 
仲田祥司 永松樹 早川一矢 松平和希 矢内康洋 渡辺謙典
伊藤香音 井上真由子 北田涼子 弓野梨佳 今野晶乃 斎藤葉月 
齊藤恕茉 七理ひなの 杉原由梨乃 谷さくら 平井琴望 森本さくら
 
スウィング:竹廣隼人 本田大河 魚澄陽香 樽谷笑里奈
 
公式サイト:www.rj-2021.com
公式Twitter:@musical_RJ
企画制作:TBS/ホリプロ/梅田芸術劇場
 
<東京公演>
日程:2021年5月21日(金)~6月13日(日)
会場:TBS赤坂ACTシアター
 
一般発売日:2021年4月10日(土)より発売中
料金:S席13,500円 A席9,000円 B席5,500円
お問合せ:梅田芸術劇場 0570-077-039(10:00~18:00)
主催:TBS/ホリプロ/東宝/梅田芸術劇場
 
<大阪公演>
日程:2021年7月3日(土)~7月11日(日)
会場:梅田芸術劇場メインホール
 
一般発売日:2021年4月10日(土)より発売中
料金:S席13,500円  A席9,000円  B席5,500円
お問合せ:梅田芸術劇場 06-6377-3800(10:00~18:00)
主催:TBS/ホリプロ/東宝/ABCテレビ/梅田芸術劇場
協力:FM802/FM COCOLO

<名古屋公演>
日程:2021年7月17日(土)~7月18日(日)
会場:愛知県芸術劇場 大ホール
 
一般発売日:2021年 5月22日(土)10:00~
料金:S席14,000円  A席9,500円
お問合せ:中京テレビ事業 052-588-4477 (平日 11:00 17:00 /土・日・祝日 休業)
主催:中京テレビ放送
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