浦島坂田船「この先もまた突っ走っていきます」 希望の旗も掲げられた春ツアーファイナル・無観客配信ライブをレポート
浦島坂⽥船
浦島坂田船 Spring Tour 2021 花(HANA)〜桜花再凛〜 ONLINE LIVE
2021.4.25(sun)
うらたぬき、志麻、となりの坂田。、センラの4人からなる男性ボーカルユニット・浦島坂田船が、4月25日に無観客配信ライブ『浦島坂田船 Spring Tour 2021 花(HANA)〜桜花再凛〜 ONLINE LIVE』を開催した。
コロナ禍にあってわずか2公演で幕を閉じてしまったツアー『浦島坂田船 Spring Tour 2020 ―花(HANA)―』の内容をもとにした構成のツアー『浦島坂田船 Spring Tour 2021 花(HANA)~桜花再凛~』を3月から行っていた彼らだが、3月6日の徳島公演、3月7日の愛媛公演は緊急事態宣言延長により、ツアーファイナルである4月25日の福島公演は2月13日に発生した福島県沖地震の影響により、中止を余儀なくされた。だが、転んでもただでは起きないのが浦島坂田船である。本来であれば、福島公演を行うはずだった4月25日。花の季節にぴったりな楽曲がふんだんにちりばめられた配信ライブは、とても美しく、ひとつの旅をしめくくるのに相応しいものとなった。
浦島坂⽥船
オープニングムービーそのまま、ツアーのテーマである“花魁”姿で、花街を思わせる絢爛なステージセットに表れた4人。扇を手に舞うひとりひとりにスポットライトが当たっていく、という演出も粋だ。
1曲目は「返り咲」。ステージ上の階段も使い、雅やかに扇をひらりひらりとさせながら、画面の前にいるcrew(浦島坂田船ファンの呼称)ひとりひとりに届くように歌を届ける4人の姿に、早くもグっときてしまう。<夏が過ぎ、秋に泣き 冬の中凍えながら また出会う夢を見て> <あなたと咲かせましょう 恋という名の花>と切に願ってきた、この1年。少しの希望が見えたり、また打ち砕かれたり、その繰り返しの中でお互いに募らせてきた想いがどんどん溢れ出てくる。
浦島坂⽥船
ダンサーとともに躍動しながら、時折カメラに目線を向けながら魅せた「花鳥風月」や、色気ある歌声、それぞれのイケボで口にする殺し文句も刺激的な「花魁俺嵐コンフュージョン」、そして<浦島坂田船!>という歌詞アレンジにもテンションが高まる「千本桜-guitar rock arrangement ver.-」。和情緒が浦島坂田船にはよく似合う。さらに、挑発的なフレーズ&歌声が映える「Peacock Epoch」、吐息でも心拍数を上昇させる「ホエールホール」と、halyosyワールドで輝きを放つ4人から、ひとときたりとも目が離せない。
シルエットが障子に浮かんだドキドキの生着替えを経て、和風な羽織りをまとった4人が歌ったのは、アダルティなナンバー「Boohoo」だ。ファルセットもラップもダンスも4人そろって完璧にきめてきた挙句、うらたぬきととなりの坂田。、志麻とセンラの濃密な絡みまであるなんて反則だ。
うらたぬき、志麻
となりの坂田。、センラ
タイトル通りのダークファンタジーな世界観の中で、うらたぬきととなりの坂田。が絶妙なコンビネーションを発揮した「ダークサイドファンタジー」。志麻とセンラの振付が、本家との驚きのシンクロ率を見せつけ、息ぴったりにしなやかな歌声を重ねた、「極楽浄土」。ユニット曲もまた楽しい。
再び4人そろって歌ったのは、前山田健一が作詞・作曲を手がけた展開目まぐるしい「飲めや 歌えや 踊れや 騒げ」。crewがいれば振ってくれるペンライトのごとく、客席で瞬く色とりどりの光も賑やかだ。
幕間ムービーでは、色にまつわるお題に瞬時に答えていくゲーム『浦島坂田船 色とり忍者』に興じる4人。となりの坂田。がお仕置きの足ツボマッサージを3回も受けるいっぽう、志麻はノーミスにもかかわらずなぜかお仕置きを受ける羽目になったり(笑)。
うらたぬき
志麻
ソロコーナーでは、2020年春のツアーで2公演のみ着ていた黒のレザージャケットにそれぞれがお召し替え。キレッキレに踊りながら「スカーレ」を歌ったうらたぬき。「ダスティピンク」の甘美が過ぎる歌声、表情でしびれさせた志麻。「Iʼm Your Tamer」で、椅子を使ったダンスも華麗にこなしたとなりの坂田。。「脳内シェイカー」の飲み会コールとパラパラをかっこよく仕上げて、コロナ退散祈願までしてくれたセンラ。エンターテイナーな4人が集まっている浦島坂田船はやっぱり最強だ。
4人での楽しいMCタイムに続いたのは、ラブとピースがあふれる「SWEET TASTE PRESENT」。コミカルな歌い方や動きに、どうしたって頬が緩む。かと思うと、「グッド・バイ」では歌声にアンニュイな雰囲気をまとわせるものだから、翻弄されてしまう。
となりの坂田。
センラ
バンド&ダンサーを紹介してからの「花吹雪」では、だいぶ動きの激しいダンスナンバーをさらりとこなして、画面の前にいるcrewを煽る4人。ここまで曲数を重ねてなお、タフネスすぎる。 「まだ完全燃焼できていないんじゃないですか?」といううらたぬきの一声が導いたのは、「完全燃焼〜春祭り〜」。<愛すべきステージ>に立ち、ありのままの自分を解き放て!とメッセージする4人の姿はとても凜々しい。
うらたぬきととなりの坂田。、志麻とセンラが、背中合わせになったり肩を組んだりして歌う場面も見られた「花や、花」。うらたぬきと志麻、となりの坂田。とセンラがジャレ合ったり、メンバー同士ですれ違いざまにタッチしたりしながら、あらためて無双のチームワーク、グループ力を見せつけた「合戦」。この時間がずっと続けばいいのに。そう願うcrewが多かったのではないだろか。
センラ「いろんな制限はあっても、人前でステージに立てて楽しいツアーでした。ファイナルにこうしてオンラインライブができたし、自分は幸せ者です」
センラ
となりの坂田。「人前に出ることができなくてつらく哀しい1年でしたけど、楽しい春ツアーができました。これからも浦島坂田船が続けばいいなと思います」
となりの坂田。
志麻「去年はライブをする機会がまったくなかったわけですけど、今回は13公演まわらせてもらって、みんな若返った気がします(笑)。この先もまた突っ走っていきます」
志麻
うらたぬき「有観客ライブもやれて、無観客ライブもやれて、たくさんの人に観てもらえたツアーだったんじゃないかなと思います。コロナ禍だからこその正解を見つけ出して、これからも一緒に歩んでいきましょう」
うらたぬき
そう挨拶をして、最後のナンバーは「そらに、ひらり」。「また絶対に会おう!」と、指切りげんまんの小指をうらたぬきが差し出したが、メンバー、crewの想いはひとつだ。
ライブ終了後には、2021年夏ツアー開催を発表した彼ら。希望の旗は、しっかりと掲げられた。
文=杉江優花 撮影=堀卓朗(ELENORE)
セットリスト
2021.4.25(sun)
01. 返り咲(浦島坂⽥船)
02. 花⿃⾵⽉(浦島坂⽥船)
03. 花魁俺嵐コンフュージョン(浦島坂⽥船)
04. 千本桜-guitar rock arrangement ver.-(浦島坂⽥船)
05. Peacock Epoch(浦島坂⽥船)
06. ホエールホール(浦島坂⽥船)
07. Boohoo(浦島坂⽥船)
08. ダークサイドファンタジー(うらたぬき&となりの坂⽥。)
09. 極楽浄⼟(志⿇&センラ)
10. 飲めや 歌えや 踊れや 騒げ(浦島坂⽥船)
11. スカーレ(うらたぬき)
12. ダスティピンク(志⿇)
13. Iʼm Your Tamer(となりの坂⽥。)
14. 脳内シェイカー(センラ)
15. SWEET TASTE PRESENT(浦島坂⽥船)
16. グッド・バイ(浦島坂⽥船)
17. 花吹雪(浦島坂⽥船)
18. 完全燃焼〜春祭り〜(浦島坂⽥船)
19. 花や、花(浦島坂⽥船)
20. 合戦(浦島坂⽥船)
21. そらに、ひらり(浦島坂⽥船)
全ライブ写真は【こちら】