早見沙織バースデーイベント2021『Living 』昼の部レポート ゲストの悠木碧と10年来のコンビでゆったりトーク

レポート
アニメ/ゲーム
2021.5.31
 撮影:荒川潤

撮影:荒川潤

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5月29日に30歳の誕生日を迎えた早見沙織が、オンラインでのバースデーイベント『HAYAMI SAORI Birthday event 2021 Living』を開催。ゲストに親交の深い悠木碧を招いてリビングルームにいるようなリラックスした雰囲気で進むイベントというコンセプトだが、“縁の深い人”からの祝いメッセージなどのサプライズに、9曲ものライブパートと内容はボリューム満点。本人の発言、周りの人の言葉、そして歌から歳を重ねながら深みを増していく魅力が感じられるものになっている。ここでは、2部構成で行われたこの日のイベントから、昼の部の様子をレポートする。

※通常SPICEでは出演者や表現者には「さん」を付けないのですが、今回はお誕生日というお祝い事なので、特別に「さん」を付けさせていただきます。

10年来のコンビで送るイベント「はやみんって言ったの、たぶん『あおさお』1回目とかじゃない?」

開始の挨拶と合わせて、ソファなどリビングルームで「くつろぐような感じでのんびりできれば」と今回のイベントの方向性を説明する早見さん。つづけて今回のイベントに名付けた「Living」について説明。アルバムや1stコンサートのタイトルにもつけた“Live Love Laugh”のように「生きていく・人生」という意味、そして音楽の「ライブ」などいろいろな意味もかかったものだと紹介した。

撮影:荒川潤

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リラックスムードのなか、早見さんが「私がいちばん安心するこの方を」と昼の部・夜の部ともにゲスト出演する悠木碧さんが登場。「皆さんこんにちは~」と画面に向かって呼びかけたあとで「こんにちはやみん」とあいさつし直し「はやみんって言ったのたぶん『あおさお』1回目とかじゃない?」とセルフツッコミ。どちらも今から2011年に始まったラジオのことで、「こんにちはやみん」は超!A&G+で2011年から続いている早見さんの冠番組『早見沙織のふり~すたいる♪』の「こんばんはやみん」をもじったもの。『あおさお』は同じく2011年から2016年まで配信された早見さんと悠木さんがパーソナリティを務めたインターネットラジオ『あおい・さおりの新番組(`・ω・´)』のことで、二人の付き合いの長さや親しさがうかがえるやりとりが展開した。

撮影:荒川潤

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誕生日イベントということでバースデーケーキが登場すると「ハッピーバースデーの歌」でお祝い。ここでも悠木はファンの呼び方に合わせて「ハッピーバースデー ディアはやみん」と誕生日を祝福した。

ケーキが一度退場すると、早見が「今回、配信中に1個お願いを叶えてもらいたいことがございまして」と切り出し、16時10分に「#早見沙織のリビング」をつけて一斉に「お誕生日おめでとう」をツイートしてほしいとお願い。祝福メッセージだけでなく、「今食べたいものでもなんでもいい」と補足しつつカウントダウンを開始。悠木さんもその場でツイートに参加するなど、たくさんのメッセージが投稿されて感謝した。11分になると悠木さんが「この後だって、おめでとうはいくつあってもいいものですから」とフォローしつつ、この企画のために「珍しく腕時計をつけてきた」と明かした。参考までに、16:10にハッシュタグ付きで投稿されたツイートを数えたところ650近く。前後1分のツイートを合わせると700を超える大盛況。タイムラインには「日本のトレンド」に入ったというツイートもあった。

サプライズで届いたお祝いメッセージ 日高里菜からの愛があふれる3分30秒

続いて、早見さんと縁の深い人物からお祝いのボイスメッセージが紹介された。一人目は後輩でもある日高里菜さんから。高校生だった日高さんが相談にのってもらったことや、早見さんが大学を受験した当日に収録で一緒だったことなど思い出を交えながら祝福メッセージを約3分30秒に渡って熱く語った。

撮影:荒川潤

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悠木さんがツイッターのコメントを踏まえつつ「初手でガチな方が来た」とツッコむなど、愛のあふれるメッセージに早見さんは「私もこれくらいのちゃんとした長さをとらないとなと思った」と感激していた。次の人物からのメッセージに進む前に、早見さんが公式ツイッターで募集していた『今までの人生におけるピンポイントな質問!』を紹介するコーナーへ。ファンからの質問を紹介する前に悠木さんが質問を送っていたという裏話が明かされる。公式フォームに「悠木碧」さんからの質問が届いているから本人かを確認してほしいと聞かれたと早見さんが明かすと、悠木さんはツイッターで毎回「@staff_aoi」とつけられていたから参加していいと思ったと弁明しつつ「みさおさんからそのLINEが来たときに勘違いだったんだと思って超恥ずかしくて(笑)」と振り返った。

このコーナーで取り上げられたのは、ファンからの「幼稚園のお遊戯会で何を演じられたか覚えていらっしゃいますか?」「初めて『絵が独特』と言われたのはいつですか?」というものに加えて“悠木碧【公式】”さんからの「パートナーにするなら何ポケモン?」という3つ。それぞれの回答や補足情報はぜひ配信で確認してもらいたい。

続いて、再び関係者からのメッセージ紹介へ。まず堀江由衣さんから共演した『魔法つかいプリキュア』や、文化放送でよく遭遇するといった話なども交えながら、早見さんの人柄の良さが語られ、最後にお願いとして「(有観客でライブをするときは)是非、私も観に行かせてください」と歌手活動への期待を寄せた。思わぬ先輩からのメッセージに感激する早見さんに、畳み掛けるように紹介されたのが木村良平さんからのメッセージ。2009年4月に放送されたTVアニメ『東のエデン』で共演した際に印象に残っていたという「まっすぐな背筋」の話や、ライブを観ての感想などを交えながら誕生日を祝福した。メッセージを聞き終えた早見さんは、悠木さんと堀江さん&木村さんに関する思い出を語りながら先輩からの温かいメッセージに感謝した。

坂本真綾からのメッセージに感激「誕生日って…ありがてえな…」(早見)

続いて用意された企画は「パーティーゲームで遊ぼう」というコーナー。『キャットアンドチョコレート』というカードゲームで対決することに。山札から引いた3枚の「アイテムカード」を使って、「イベントカード」に書かれている問題を解決するシナリオを考えるというもの。早見さんは“映画の”“新聞”“1億円”を使って「親友が『芸人になる』と言い出した。でも向いてない」という問題に挑戦。悠木さんは“めがね”“口紅”“メジャーリーガー”というアイテムで「ハチに襲われそう!」という問題に対処。初挑戦の早見さんと経験者の悠木さんがどのような展開を考えたのか。どちらが勝ったのかはここでは伏せるが、ともに頭の回転が早い二人の性格や発想力が見える好勝負になっていた。

撮影:荒川潤

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撮影:荒川潤

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そして、昼の部のトークコーナーでは最後となる4人目の祝福メッセージ紹介。坂本真綾さんからのメッセージに、早見さんはカップに入っていた飲み物を飲んでいたところに声が聴こえた瞬間、目を見開いて驚きを表した。ライブを観たという坂本真綾さんから早見さんへの「なんでもできる人はなんでもできるんですね」という言葉に恐縮し、「いちばんの魅力は素直なところ」と言われて照れつつ、最後まで聞き終わると早見さんは「誕生日って……ありがてえな……」とポツリ。二人とも憧れている先輩からのメッセージに感謝しながら、「よりここ数年 私、真綾さんの自然体の素晴らしさを感じる」と語った。

カバー2曲を含む全9曲のミニライブ

イベントはここから後半戦へ。悠木さんにはバースデー記念のイラストを描いてほしいとお願いしつつ、ギターとピアノ2人の演奏をバックに早見さんのアコースティックライブがスタート。

撮影:荒川潤

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ファンから募ったリクエストの結果を踏まえた選曲で「little forest」「yoso」、久々の歌唱となる「SIDE SEAT TRAVEL」、最多リクエストだったという「やさしい希望(Bossa Nova)」と持ち歌を披露した。続いて、幼少期に観ていた『ポンキッキーズ』で「ずっと聴いていた」という斉藤和義の「歩いて帰ろう」をカバー。ゆったりと歌い上げた前の曲からテンションを高めに切り替えて、クラップしながら披露した。続いて2曲目のカバーは「ライバル!」(TVアニメ『ポケットモンスター』OPテーマ)。悠木さんに「バトルしようぜ!」という一言を依頼すると、熱量のこもったセリフをきっかけに、演奏と歌声も相まってジャジーな雰囲気で朗々と歌い上げた。

撮影:荒川潤

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歌い終わって、早見さんから「あおいちゃんポケモン出てたからさ」と、『ポケットモンスター ベストウィッシュ』アイリス役のことに触れられた悠木さんは「このときは見てた時期のやつだからさ、ちょっと泣くよね。これを大人になってさ、聴くし歌ってるんだよね。友達が壇上でポケモン歌ってるヤバ。めっちゃエモいっす。ありがとうございます!」と絶賛した。

撮影:荒川潤

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続いて披露されたのは、以前早見さんのピアノ弾き語りでも披露されたことのある「琥珀糖」。「ギターとやるのは人生で初めて。ドキドキなんですが、これも私の大好きな曲」という早見さんが、しっとりと透き通るような歌声を響かせた。その後は笑顔を交えながらライブでは初披露という「PLACE」を、そして昼の部のラストナンバー「NOTE」で締めくくった。

悠木碧、感涙「まだ昼の部なのにな……」

最後に、悠木さんを壇上に招いて二人で挨拶へ。早見さんが悠木さんの顔をまじまじと見つめ「もしかして、泣いて…」と指摘すると、悠木さんは「2曲目くらいでうるっときちゃって」と明かし「みさおさんみたいに優しい人が、自分のやりたいことをちゃんと表現できる世界であることが嬉しくて」と説明しつつ「まだ昼の部なのにな……」とボヤく一幕も。

撮影:荒川潤

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また、ライブ中に悠木さんが描いたイラスト(夜の部で完成のため、途中経過が見られるのは逆にレア!)披露、そして受注販売される今回のイベント記念グッズの紹介、さらには早見さんが現在新曲を鋭意製作中で2021年中にデジタル限定リリースが予定されていることと、それとは別にアニメタイアップ曲も予定されていると発表された。

最初から最後まで、先輩後輩問わず届いたメッセージからも感じられる早見さんの人柄、そして前日に「ライブパートのセトリ、普通のライブではできなさそうなラインナップ…(笑)かつミニライブと言えない曲数!これを誕生日にできるなんて…楽しいです」と予告していた歌も含めて、早見さんの魅力の詰まったイベントだった。

そして、強く伝わってきたのは早見さんにとっての悠木さんの存在の大きさ。イベント冒頭で話に出た『あおさお』や、寿美菜子さんを加えた“ことはゆ”でのラジオなどを聴いていた人にはおなじみのことではあるだろうが、こういった場面で思いを伝える姿を見ると、同業者であり同世代の友人でもあり、互いの活動やクリエイティブにも影響しあっているのだと改めて感じられる。

二人の衣装について、スカートが薄い紫色のノースリーブワンピースの早見さんと、悠木さんの白いブラウスと淡い緑色のスカートという組み合わせになっていることも、『Living』のタイトルロゴを思わせ、二人揃っての『Living』だったのだなと思わせられた。年齢の10の位が一つ増え、30歳になってからもますます充実した活躍を見せてくれるのだと、ファンならずとも期待せざるを得ない。

撮影:荒川潤

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ここでレポートした昼の部だけでなく、夜の部もアーカイブが公開されている。そちらでは、早見さんがシックな黒いロングドレスで登場。瀬戸麻沙美さん、能登麻美子さん、下野紘さん、水樹奈々さんがお祝いメッセージを寄せているほか、サプライズでイギリスにいる寿美菜子さんとのビデオ通話も行われた。

ライブのセットリストも「Akasaka5」からスタートし、カバー曲では「ルージュの伝言」(松任谷由美)「葛飾ラプソディー」(堂島孝平)を披露するなど、違った雰囲気のものになっている。リアルタイムで観られなかった方も、気になったほうを(もちろん両方でも)ぜひ観て楽しんでもらいたい。

文:藤村秀二 撮影:荒川潤

イベント情報

早見沙織 HAYAMI SAORI Birthday event 2021 Living 【Streaming+(配信)】

アーカイブ販売中!
5/29(土)昼の部16:00/夜の部19:00
アーカイブは6/5(土)23:59まで
<出演>
早見沙織
<スペシャルゲスト>
悠木碧
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