おっちゃん&ミンジュの怪しいK-Pop喫茶[第9話] 夜明けのハーフ芸人
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シャノン・ウィリアムズ(公式HPより)
ミンジュ「わっ、ねえねえ、外人が韓国語で歌ってるよ」
おっちゃん「そらK-Popも国際的になったからな。Youtubeを覗いたら山ほど素人外人が…」
ミンジュ「ちゃうねん、これMVやし、どう見てもプロやで」
おっちゃん「ホンマか? 韓国版ジェロかクリス・ハートでも現れたんかな(どれどれ)」
おっちゃん「あー、こりゃシャノン・ウィリアムズやんけ。IUの歌真似で有名になった」
ミンジュ「ロビン・ウィリアムズ? ポパイの物真似で有名になった?」
おっちゃん「どんな耳しとるんや? この可憐な美少女が、どうやったらあの団子っ鼻のおっさんに見えるゆうんや」
ミンジュ「いやー、ウチもまさかと思うて二度見しちゃった(えへへ)」
おっちゃん「シャノン・ウィリアムズは父親がイギリス人、母親が韓国人のハーフで、12歳の時にSBS『驚く大会スターキング』に出演して、その美貌と歌唱力で大注目となったそのスジでは有名な娘やで」
ミンジュ「あー、カン・ホドンが司会してる番組ね」
おっちゃん「うむ。その後2014年にJTBC『Hidden Singer』に出てIUの物真似を披露。これまた大きな話題になったんや」
ミンジュ「『Hidden Singer』て素人が衝立の向こうでゲスト歌手の物真似をして、誰が本物か当てる番組やったっけ?」
おっちゃん「そうそう。それでIUの真似をする素人として出演し、評判になった訳や」
ミンジュ「なるほどー。確かにこれほどの美貌と歌唱力なら、世間が放っておかないよね」
おっちゃん「まぁそやな。ところが、デビューまでの道のりはそう順風満帆て訳でもなかったんやで。
もともと彼女はデビュー前の5年間、コアコンテンツに所属しておった」
ミンジュ「コアコンテンツちゅうと、かの悪名高き…(おぞぞ)」
おっちゃん「そうや。3年前、当時人気絶頂のT-araを擁しておりながら、いじめ問題の処理が悪すぎてガタガタになったしまうた企画社や。挙げ句に今年事務所をたたんでもうた」
ミンジュ「ほな、シャノンちゃんも路頭に迷うとるの?」
おっちゃん「いやいや。彼女はデビューする前に事務所を辞めとるんや」
ミンジュ「それはよかった。そんな事務所じゃ、デビューしたってロクなコトはないもんね」
おっちゃん「本人もそう思うたんやろな。独立して自分の音楽ブランド会社dap soundを設立したんや。で、その後は音楽活動に対するすべてを企画・プロデュースしとるちゅう話や」
ミンジュ「わ、思いもかけず実業家」
おっちゃん「これに際しては、CUBEエンタの音楽監督や、人気ディオDAVICHのブレインなど、人脈を駆使してスタッフを集めたらしい。
デビュー曲『夜明けの雨』は、プロデューサーがインディーズバンドRocoberryで、編曲はドラマ『匂いを見る少女』のOSTで知られるイ・ユジン、振り付けは世界的な振付家イアン・イーストウッドなどが参加しとるらしい」
ミンジュ「ウチ、ダンスはよお判らんねん」
おっちゃん「イアン・イーストウッドはSHINeeのテミンのソロ『怪盗(Danger)』の振り付け師や」
ミンジュ「ぴゃー、そら凄いやん」
ミンジュ「確かにダンスには、シャノンの曲と共通点があるかも」
おっちゃん「ちょっとヴォーグっぽい、独特の雰囲気があるよね。
シャノンのこのMVには別バージョンもあって、デビュー曲としてはかなりな力の入れようや」
ミンジュ「うむ、かっこええ。このあとダンサーたちがゾンビ化する訳やね」
おっちゃん「は?」
ミンジュ「ポルシェを降りたのは、おにいを捜しに隣町から乗せて貰ったのに、そのドライバーがゾンビ化したからやろ?
で、これからどうしようかと雨の中佇んでいると、近寄ってくる街の人たち。すなわちゾンビ。
このゾンビダンサーに襲われてあわやって時に、赴任初日から盛大に遅刻したせいでゾンビにならずにすんだ新米警官が現れて、彼女を助けてくれるんや」
おっちゃん「わぁ懐かし。『バイオハザード2』やないか。…てか古すぎ!
まぁ確かにクレア・レッドフィールドに髪型似てるけども」
ミンジュ「えー? おっちゃんゾンビ好きやから、絶対そうゆうMVやと思うたんやけどな」
おっちゃん「ゾンビより普通に美少女が好き。はーいっ!」
ミンジュ「まぁ『バイオハザード』は置いといて、こおゆう外人然としたルックスの娘が韓国語で歌うのはちょっとインパクトがあるね。
アメリカ籍とかカナダ籍の韓国人が渡韓して来て歌手になるのはよくあるけど」
おっちゃん「少女時代のティファニーやf(x)のクリスタル、ソロ歌手やとエイリーとかやろ。あれは血統的にはガイジンちゃうからな」
ミンジュ「そこゆくとハーフ芸人は珍しい」
おっちゃん「ハーフやけど芸人ちゃうわ! この顔が植野行雄やアントニーに見えるか? せめてベッキーとかマギーてゆえや」
ミンジュ「ハーフ芸人やん」
おっちゃん「…」
ミンジュ「とにかく、この路線はオシャレでカッコええけど、一般受けせんのやないかな? もっと身近な親しみの持てる外人像で迫った方がよくね?」
おっちゃん「身近で親しみの持てる外人? 難しいことゆうね」
ミンジュ「そおかなぁ? 女子高生コンセプトにもリアリティが必要やて前回あんなに力説したの、おっちゃんやんか。
それと同じで、外人にもリアリティが必要やないかと思うただけや」
おっちゃん「あー、なるほど、そうゆう路線ね。安心して下さい、それならもうやってます」
ミンジュ「は?」
おっちゃん「今年になってシャノンがリリースした曲が、まさに等身大の女子高生像や(ほれ)」
ミンジュ「あら可愛いやない」
おっちゃん「どや? 女子高生、ベッド、制服、テニスルック、猫耳、パンチラとそそる要素は全て抑えた上にガイジンちゅう強力なフォーマットやど」
ミンジュ「まさに満艦飾な感じはあるね」
おっちゃん「NG集もついててジャッキー・チェン的要素も加えてあるし」
ミンジュ「それ、いらんやろ(呆)」
おっちゃん「とにかく、シャノンは今最高に、若くて綺麗なハーフ枠のアイドルなんや。今年は強力な新人や少女時代が目立ってたけど、来年は絶対シャノンの時代が来るから」
から~んころろん
おっちゃん「へい、らっしゃ…」
客「マスター、たたたたいへんや!」
おっちゃん「どないした? モランボン楽団がミュージックバンクで1位にでもなったか?」
客「ちゃうねん、が、外人の娘が韓国のMVに出てるねん。それがめっちゃ若くて可愛いんや」
おっちゃん「なんや、そんなことか(笑)」
ミンジュ「判ってるで。ポパイの物真似で有名になったロビン・ウィリアムズやろ?」
客「はぁ? ミンジュちゃん、曲が売れなさすぎて心の病にでもなったんか?」
ミンジュ「失礼やな(ぷんすか)」
おっちゃん「すまんすまん。ミンジュが言いたかったのはシャノン・ウィリアムズのことや。どうせ彼女が出とるMVを観たんやろ?」
客「シャノンて誰?」
おっちゃん「あら、ちゃうの?(かくん)」
客「ワシがゆうてるのはこのMVのことやで(ぽちん)」
おっちゃん「おわーっ、な、なんじゃこりゃー?(驚愕)」
客「人気ラッパーMCモンのアルバムに収められた曲のティーザーや」
ミンジュ「これは…まるで天使やないの」
客「びっくりするくらい可愛いやろ? それだけやなく、口パクのシンクロ度からしてこの子自身が歌うてる可能性も充分あるんや」
ミンジュ「とすると、恐るべき新人歌手…てか、この子は誰なん? エヴァちゃん?」
客「エヴァちゃんちゃうがな。ランドセル背負ってないやろ。
この子はパク・カビゆうキッズモデルで、カナダと韓国の2重国籍。カナダ名はベイリー・アン・ボーと言う。
エヴァちゃんより一歳若い2009年生まれや」
ミンジュ「しえーっ(くてくて) ウ、ウチより20歳近く若い…」
おっちゃん「ま、負けた(がっくり) ハーフ芸人じゃシャノン最強思うてたのに、こんな伏兵がおったとは」
客「芸人ちゃうけどな」
おっちゃん「若さと美しさの競争が、ハーフ界においてもこれほど激しいとなると、シャノンもさらなる飛躍をせねば生き残ってゆけまい」
ミンジュ「てゆうと?」
おっちゃん「カビちゃんの持ってない魅力で勝負するしかない。すなわちセクシーや。脱いで脱いで見せまくるんや!」
ミンジュ「(こけっ)結局そうなるんかい!?」
客「もおハーフとか関係ないやん(呆)」