安藤亮司(演出)、出演者の朝田淳弥・井深克彦に独占インタビュー 劇場でひと笑いしたくなる、舞台『素敵なカミングアウト』
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舞台『素敵なカミングアウト』
父の再婚を巡るワンシチュエーションコメディ、舞台『素敵なカミングアウト』が2021年10月30日(土)~11月3日(水・祝)浅草花劇場にて上演される。
母に先立たれバラバラ状態になった苫米地家が父の再婚の知らせを受けて、久しぶりに集まるが、父がまさかのカミングアウトをしたことを発端に、誤解とウソが次から次へとタイミングよく(?)どんどん重なり大騒ぎになっていく爆笑のストーリーだ。
今回、演出を務める安藤亮司、次男・苫米地次郎役の朝田淳弥、ホテルコンシェルジュ・京本真佐史役の井深克彦に公演についてメールインタビューを実施した。
ーー2019年に本作を演出された安藤さん。今回、再演となりますが、前回、はじめて台本を読んだとき、どう思われましたか?
安藤:面白いの一言です。今回、再演となりますが、またお声がけいただいて大変光栄です。父親役を演じる黒田アーサーさんをはじめ、前回とまた違う個性豊かな役者さんが揃っているので、早く稽古が始まらないかなと毎日ワクワクしています。
ーー今回の再演にあたって演出面で何か新しく考えていることはありますか?
安藤亮司
安藤:もちろんあります。今はまだ秘密ですが(笑)。
ーー朝田さん、井深さんは今回、初参加となります。出演が決まったときはどんなお気持ちでしたか。
朝田:コメディ作品に出演するのは今回が初めてなので、決まった時は素直に嬉しかったです。と同時にワクワクが止まりませんでした。関西出身だからかもしれませんが、お笑いには敏感なもので(笑)。普段の生活ではツッコミをすることが多いのでそこを演技にも活かしていきたいです。
井深:タイトルにもある、 “カミングアウト”を自分自身したことがあるので、なんだか縁を感じました。
ーーお二人の役柄についてお聞かせください。その役柄と自分に共通点はありますか?
朝田:僕が演じるのは苫米地家の次男です。名前は次郎。いかにも次男っぽい名前をしています(笑)。家族想いで責任感がある一面を持っているかと思えば、少しばかり自分勝手で悩み事は一人で抱え込もうとしてしまう、どこか長男っぽい性格で、今回の苫米地家の騒動にさらに波風を立ててしまう人物です。
次郎は悩みことを一人で抱え込む癖があるのですが、そこは僕も一緒です。心配や迷惑を他人にかけるよりはいいのかもしれないと思ってしまいがちで。でも、最近はそんな悩みもなるべくオープンにしようと心掛けています。そもそも心配や迷惑はかけるためにあるのだと知ったので。持ちつ持たれつつってやつです。
朝田淳弥
井深:僕が演じる京本真佐史は、ホテルのコンシェルジュです。苫米地一家の抱えるトラブルを解決するために奮闘するのですが、それを楽しんでいるようなキャラクターです。共通点は……京本のお節介なところや、野次馬なところが自分と同じだと思います。僕としては、京本のようにどんな状況でも機転を効かせられるようになりたいですね。
ーー本作に参加するにあたって、楽しみなことはありますか?
朝田:普段演じている舞台とは違いコメディだからこその独特のテンポ感があると思うので、そこが新鮮で楽しみです。演じながら自分で笑わないように必死に耐えようと思います。
井深:コメディ作品に参加したことがあまりなかったので、自分にとってたくさんの学びがあると思います。先輩方のお芝居から吸収させていただこうと思っています。
ーー安藤さんは、朝田さん、井深さんと仕事をされるのは初めてですか? お二人の印象はいかがでしょうか。
安藤:お二人と仕事をするのは初めてですが、以前から出演された作品を観劇したこともあり、存じています。二人ともとても素敵な役者さんで一緒に作品を作ることができ、ワクワクしています。公演が終わった後は、朝田くん、井深くん含め、全キャストがお客様に愛されているといいなと思っています。
ーー黒田アーサーさんなど、他の出演者の印象はいかがですか?
舞台『素敵なカミングアウト』相関図
安藤:では、黒田さんの印象を……。黒田さんとは初めてお仕事させていただきますが、僕も昭和の演劇をギリかじっている者として、妄想にも近い勝手な印象で、なんと言いますか……最初は、怖いギンギンギラギラの先輩俳優さんのイメージ(良い意味で! ホントに良い意味で‼)でした。ですが、お会いしたら、頭も身体もとっても柔らかい、とても優しい方でした(こちらももちろん良い意味です)。今はそんなギャップにメロメロです。
朝田:黒田アーサーさんは今回が初共演なのですが、ダンディな印象があります。自分の父とは真反対なので(笑)、そんなアーサーさんの演じる父・俊彦が築く苫米地家がどうなるのか今から楽しみです。高橋龍輝さん(父の再婚相手・川島ケンジ役)は別舞台で一緒になったことがありますが、同じ役(ダブルキャスト)だったので、本作で初めて芝居で絡むことができます。あの時は、僕が一方的にアドバイスをもらう側だったので、今回は同じ舞台に立つ役者として熱を高め合いながら良い作品を作れるように頑張りたいです。川村海乃さん(次郎の婚約者・城ケ崎舞子役)とは約1年ぶりの共演で、その他の共演者の方は今回が初めましてなので、早く苫米地家のような、いい関係性を築けるようになりたいです。
井深:黒田アーサーさんは、ビジュアル撮影のときに初めて直接お会いしたのですが、とても優しそうな方だなと。高橋さんとノリノリでカップル撮影されていたところを見かけたのですが、お茶目で可愛い方だなと思いました。
ーー本作で気に入っているシーンやキャラクターの台詞はありますか?
安藤:シーンはさることながら、僕はこの話のストーリー展開がお気に入りです。全てのキャラクターに恋しています。
朝田:集合写真を撮るシーンがあるんですが、そこで、言われるがままに動くシュールな苫米地家がお気に入りです。まだ稽古前ではありますが、台本を読みながらこんな風に動くのかなと想像しただけでにやけてしまいます。
井深:京本としては、終盤で家族との向き合い方を話すシーンです。台本を読みながら(たしかに……)と考えさせられました。
井深克彦
ーー本作は家族をテーマにしていますが、ご自身のご家族についてもお聞かせください。家族の思い出で何が一番印象に残っていますか?
安藤:僕の家は父親の躾がとても厳しかったので、そこが心に強く残っています。今は、自分にも娘ができたことで、どれだけ両親に愛されて育てられたかを、やっと分かって来た……今日この頃です。親孝行をもっとしなければと、今さら焦っています。
朝田:家族旅行で行った淡路島ですかね。特にその中でも、歩いて通れるトンネルがあってそこで撮った動画があるのですが、いつ見ても笑えます。他の人に見せてしまうと多分母が怒っちゃうような動画ですが(笑)。
井深:僕が中学3年生になるまで、毎年、年末に家族旅行でスキーに行っていたのが一番の思い出です。あの頃、楽しかったなぁとたまに思い出したりします。
ーー本作のタイトルは『素敵なカミングアウト』。タイトルにちなんで、まだ公表していないことがあれば教えてください。
安藤:今、絶賛稽古中でして、家に帰ったら台本を開いて演出の予習復習をするのですが、演出を考えてる時間よりも、セリフを読んでニヤニヤしている時間の方が圧倒的に長いことは内緒です。
朝田:今の家に引っ越してきて2年半くらい経つのですが、この前、初めてベランダを掃除しました。放置していると、こんなにも汚れてしまうんですね(笑)。これからはこまめに掃除しようと誓いました。ちなみに今は、キャンプ用の椅子を置いてそこで寛げる場所を作りました。
井深:割と隠し事はしないタイプなので、公表していないことはあまりないかもしれないですね……。強いて言うなら、5年彼氏がいないです。(公表済み)
ーー最後に読者に向けてのメッセージをお願いします。本番に向けての意気込みや、この作品を観て感じ取って欲しいことなど、なんでも。
安藤:こんな時期です。劇場にお越しの皆様にただただ笑って、笑顔になって帰っていただきたいなと思っております。お待ちしております。
朝田:改めまして、苫米地次郎役を演じさせていただきます朝田淳弥です。コメディ作品には初挑戦ですが何よりも全力で楽しみたいと思います。本作は、家族や家族のような関係性にある身近な人物は仲がいいからこそ疎かにしてしまいがちですが、改めてそのような関係性にいる方を大切にするべきだということを笑いを交えながら教えてくれるような作品です。ぜひこの作品でひと笑いしに来て下さい。僕は全公演、自分で笑わないように必死に耐え抜きたいと思います。それでは劇場でお会いできることを楽しみにしています。
井深:コロナ禍で、家族と思うように会えなくなってしまった方や、心も身体も疲れてしまっている方も多くいらっしゃると思います。そんな方々がクスッとできたり、なんだか心が温まるような。家族っていいな、と思えるような。そんな作品に出来たらと思います。