『及川浩治ピアノ・リサイタル~オール・ショパン・プログラム~』 がオンライン配信決定
及川浩治 (C)Yuji Hori
2021年9月26日サントリーホールにて、『及川浩治ピアノ・リサイタル「ショパンの旅」1999年オリジナル版』が開催されたが、このたびコンサートから厳選された珠玉の名曲を、11月12日(金)にオンライン配信することが決定した。約1時間弱にまとめられたプログラムで、自宅で気軽にショパンの名曲を楽しめるオンライン・コンサートとなる。
アーカイブ配信のため、配信期間中は何度でも演奏を聴くことが可能だ。凝縮されている分、内容は充実している。《ノクターン第20番「遺作」》、《別れの曲》、《バラード第1番》など、ショパンの人生にとって重要かつ誰もが聴きたい名曲がよりすぐられた。
本来オーケストラとともに演奏される《ピアノ協奏曲第2番第2楽章「ラルゲット」》の貴重な独奏版の演奏も選ばれており、聴きごたえも十分だ。さらにコンサート本編のプログラムにはなかった“あの名曲”の演奏も…?!こちらは実際の配信でお確かめいただきたい。
「ショパンの旅」は、ショパン没後150年のアニバーサリー・イヤーとなった1999年に、及川自身が企画し、全国で3万5千人以上を動員した伝説のコンサートだ。その後も形を変えながら、及川がライフワークのように続けてきたが、今年、22年ぶりにオリジナル版が復活した。
コンサートでは、いまやベテランの域に達した及川が、22年の間に多様なショパン作品を演奏する中で培ってきた奏法や研究の実績と成果をみせるように、より芳醇なショパンの世界をつくり上げた。及川が熱演した全17曲はショパンの儚くも濃密な生涯を見事に描き、サントリーホールの聴衆を大きな感動が包み込んだ。
及川浩治 (C)Yuji Hori
及川浩治 (C)Rikimaru Hotta
本コンサートは新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言を受け、収容率の制限がかけられる形での開催となった。鑑賞を希望していながら、来場が叶わなかった人には待望の配信となるだろう。また、大ホール公演であるために、会場では見えなかった細かな指づかいや演奏者の表情を間近で“体感”できることも魅力だ。情熱のピアニスト・及川浩治が全身全霊で届ける、美しく深遠なショパンの世界を自宅で堪能してほしい。