わかぎゑふが『12人のおかしな大阪人』2021年版を、[枚方市総合文化芸術センター]開館記念で上演

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2021.11.18
(左)『12人のおかしな大阪人~2021』企画・上演台本・演出のわかぎゑふ(右)『12人のおかしな大阪人~2021』公演チラシ。

(左)『12人のおかしな大阪人~2021』企画・上演台本・演出のわかぎゑふ(右)『12人のおかしな大阪人~2021』公演チラシ。

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三谷幸喜の傑作法廷喜劇『12人の優しい日本人』のパロディとして、1995年に「G2プロデュース」で上演された『12人のおかしな大阪人』。升毅や生瀬勝久など、当時関西を拠点としていたスター俳優たちを集めて、本家の芝居よろしく、12人の陪審員が有罪/無罪をめぐって議論を交わす芝居を展開……するかと思いきや、ダジャレと冗談がこれでもかと飛び交い、マシンガントークで話がどんどん脇道に反れていくという、笑いに強い関西の俳優たちの魅力が詰まったコメディとなった。

『12人のおかしな大阪人~2021』出演者。(上段左から)うえだひろし、内山絢貴、大江雅子(下段左から)大熊隆太郎、木内義一、古場町茉美。

『12人のおかしな大阪人~2021』出演者。(上段左から)うえだひろし、内山絢貴、大江雅子(下段左から)大熊隆太郎、木内義一、古場町茉美。

その後長らく、ソフト化も再演もされてなかったが、2020年にほとんどのオリジナルキャストがそろったリモート朗読が無料配信され、大きな話題に。そして当然のように上がった「ぜひ舞台で見たい」という声に応えるかのように、オリジナルキャストの一人・わかぎゑふの演出で、次世代の関西の俳優たちによって上演されることになった。

『12人のおかしな大阪人~2021』出演者。(上段左から)茂山宗彦、ドヰタイジ、早川丈二(下段左から)古川剛充、ボブ・マーサム、前田晃男。

『12人のおかしな大阪人~2021』出演者。(上段左から)茂山宗彦、ドヰタイジ、早川丈二(下段左から)古川剛充、ボブ・マーサム、前田晃男。

会場は、今年の8月30日にオープンした[枚方市総合文化芸術センター]。約1,500席の大ホールと、約300席の小ホールを備えており、すでに「青年団」のような小劇場劇団から、『ソーホー・シンダーズ』のような商業演劇まで、様々な公演が行われているが、この舞台によって「面白い企画をやってくれる劇場」として、一気に認知度が上がるに違いない。

『12人のおかしな大阪人~2021』日替わりゲスト。(左から)東野ひろあき、桂九雀。

『12人のおかしな大阪人~2021』日替わりゲスト。(左から)東野ひろあき、桂九雀。

仕掛け人のわかぎからは、以下のようなメッセージが届いた。

1995年の初演時、関西の小劇場はイケイケの時代だった。小劇場を見るのが一種のブームで、若者のステイタスのようなものだったのだろう。
そんな中で人気劇団から集められた12人の役者、私も出演者のひとりだった。は即完売したらしい。
ところが本番5日前に阪神・淡路大震災が起き、芝居そのものが出来るかどうかの事態になった。稽古もできずバタバタの中「12人とも生きてたんだから芝居しよう」と結束し本番に臨んだのだ。
その時から私たちの絆は特別なものになったと言ってもいい。「泣いてばかりいたけど、芝居を見て元気になった」というお客様にも後押しされた。寄せ集めのカンパニーだったが、あの時のメンバーは今も別の次元で結束しているように思う。
2020年、コロナ禍で世界が止まった時。その一人が「12人、オンラインで読めへん?」と言い出し、ほぼオリジナルメンバーが集まった。あの時、震災で繋がった私たちが、厄難で再び集結したのだ。自然というか、必然的な感じだったように思う。
今回、新たに「次の12人」を選んで上演する。演劇人の誰もが芝居の出来ない辛酸を舐める時期を過ごした。「芝居がしたい」という気持ちを持って、それぞれの劇団から一人ずつ来てもらった。
あの時の私たちのように、同じ痛みを抱えて結束してくれた今回の12人の俳優。この公演が、彼らが今後乗り越えて行く試練の後押しになれば幸いだ。
いま、関西で最も活きのいい『12人のおかしな大阪人』をお楽しみください。
 

ちなみに前述の『12人のおかしな大阪人』リモート朗読は、現在もYou Tubeで視聴することが可能。小劇場のみならず、新劇から伝統芸能の役者までそろったユニークなラインアップの中で、誰がどの役をするか? を想像しながら予習をするのも、面白いかもしれない。

『12人のおかしな大阪人』を読み合わせてみたん会

公演情報

枚方市総合文化芸術センター 開館記念
枚方市文化芸術アドバイザーわかぎゑふ企画
『12人のおかしな大阪人~2021』

 
■企画・上演台本・演出:わかぎゑふ(枚方市文化芸術アドバイザー)
■脚本:東野ひろあき
■出演:うえだひろし(リリパットアーミーⅡ)、内山絢貴(劇団五期会)、大江雅子、大熊隆太郎(壱劇屋)、木内義一(テノヒラサイズ)、古場町茉美(Z system)、茂山宗彦(茂山千五郎家狂言師)、ドヰタイジ(STAR☆JACKS)、早川丈二(MousePiece-ree)、古川剛充(ゲキゲキ/劇団『劇団』)、ボブ・マーサム(THE ROB CARLTON)、前田晃男(ボラ☆ボラ)
■日替わり出演:東野ひろあき(27日)、桂九雀(28日)
■日時:2021年11月27日(土)・28日(日) 27日…14:00~/18:00~、28日…13:00~
■会場:枚方市総合文化芸術センター 関西医大 小ホール
■料金:一般3,000円、高校生以下2,000円
※一部公演前売完売。当日券の有無については公式サイトでご確認ください。
 
■主催:枚方市、枚方市総合文化芸術センター指定管理者 アートシティひらかた共同事業体
■問い合わせ:072-845-4910(枚方市総合文化芸術センター本館) ※9:30~20:00、第4火曜休館
■公式サイト:https://hirakata-arts.jp/event/detail_351.html
 
※この情報は11月16日時点のものです。新型コロナウイルスの状況次第で変更となる場合がございますので、公式サイトで最新の情報をチェックしてください。
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