『New Music Wednesday [Music+Talk Edition]』今週のトップソングは3年ぶりのアルバムをリリースしたクリープハイプ、カバーアーティストは(sic)boyが飾る
New Music Wednesday [Music+Talk Edition]
毎週水曜日に、その週の新曲を中心に更新されるSpotifyのプレイリスト『New Music Wednesday』。このプレイリストの中身をさらに深掘りするSpotify公式ポッドキャスト『New Music Wednesday [Music+Talk Edition]』では、プレイリストだけでは知ることのできないエピソード、そしてSpotifyのエディター(プレイリストを構成している人たち)のこだわりなどを紹介していく。この番組をチェックすると話題の新曲が知ることができて、今の音楽シーンがまるわかり! ポッドキャストはあなたの通勤、通学、スキマ時間に無料で聴くことができるので是非チェックを! ナビゲーターは竹内琢也。SPICEでは番組でピックアップされた楽曲を掲載。今週は『New Music Wednesday』のトップにピックアップされたクリープハイプや、カバーを飾っている(sic)boyの楽曲を中心に11曲を紹介。
クリープハイプ「ポリコ」
今週の『New Music Wednesday』の1曲目にピックアップされたのはクリープハイプ。2018年9月発売の『泣きたくなるほど嬉しい日々に』以来約3年3ヶ月ぶり、6枚目となるニューアルバム『夜にしがみついて、朝で溶かして』を12月8日(水)にリリースしました。今回のアルバムには、『東京国際映画祭』コンペティション部門にも選出された映画『ちょっと思い出しただけ』の主題歌「ナイトオンザプラネット」をはじめ、過去最多の全15曲が収録されています。Spotifyでは、ボーカルの尾崎世界観による全曲解説を聴くことができる『Liner Voice+ クリープハイプ「夜にしがみついて、朝で溶かして」』も同日から展開。その中で今回「ポリコ」はポリティカル・コレクトネス、いわゆる「ポリコレ」のポリコだと言及しています。そしてクリープハイプの公式HPでは昨年『破局』で『第163回芥川賞』を受賞し、来年1月に初長編『教育』を刊行する作家、遠野遥(とおのはるか)によるライナーノーツが公開されています。そこでは、「「ポリコ」を聴いて思ったのは、相手を傷付けたり、見下したりするのが目的としか思えないようなやり方で「正しさ」を振りかざす人々の醜悪さだ」「というようなことをまず考えたが、「ポリコ」からは自分の外部へと向かう苛立ちのほか、自分に向かう苛立ちも感じられ、解釈の幅のある楽曲だと思った」と述べられています。使えない言葉が増えていく世の中に違和感を感じながら、その言葉たちを無理に排除せず、変換できるように、言葉を信じ言葉を疑う。クリープハイプらしい言葉の言い回しで繰り広げられる歌詞に注目です。
(sic)boy「水風船 feat. AAAMYYY」
Spotify次世代アーティスト応援プログラム『RADAR:Early Noise 2021』にも選出されている(sic)boyが、12月8日(水)に待望の2ndアルバム『vanitas』をリリースし、このプレイリストのカバーを飾りました。リル・アーロン、フェム、アリス・ロンギュ・ガオ、ウェス・ピリオドなどの海外アーティストや、AAAMYYY(Tempalay)やGottz(KANDYTOWN)、釈迦坊主といった国内アーティストを迎えた11曲が収録されています。プロデューサーにはKMが参加。『New Music Wednesday』にはAAAMYYYとの「水風船」がリストインしています。そして(sic)boyはヒップホッププレイリスト『+81 Connect』のテーマソング企画にも参加。プロデューサーKMによるトラックにのせて様々なアーティストがラップをする企画で、既にAwich、LEX、Daichi Yamamoto、Leon Fanourakis、BIM、Elle Teresaの楽曲が公開されており、今週その第7弾「mad tokyo psychic(Theme of +81 Connect)」も公開されました。
Eve「藍才」
Spotifyの『海外で最も再生された日本の楽曲』ランキングで、「廻廻奇譚」が1位を獲得しているEVEが8ヶ月ぶりとなる新曲「藍才(あいさい)」を12月3日(金)にリリース。『New Music Friday Japan』にリストインした曲の中でもパフォーマンスが高く今回もリストインしています。この曲は同日から全国で放送スタートしている、Spotifyまとめ2021のテレビCMで使われており、Eve本人が出演して、ナレーションも担当しています。12月17日(金)放送開始のSpotifyプレミアムトライアルのテレビCMでも使用される予定です。そしてこの楽曲のリリースに伴い特設ページもオープンしています。
ずっと真夜中でいいのに。「猫リセット」
ずっと真夜中でいいのに。の新曲「猫リセット」が12月2日(木)にリリースされました。Eveに続きこちらも『New Music Friday Japan』でパフォーマンスが高く、今回もリストインしています。求人検索エンジンのIndeedとのMVコラボレーション企画「真夜中の仕事でいいのに。」を通じて、この曲のMV制作に携わるクリエイターの求人がIndeed上で募集され、その後選ばれた2名を含む総勢11名のクリエイターで制作されたMVも公開になっています。2022年2月16日(水)にリリースされる新作ミニアルバム『伸び仕草懲りて暇乞い(のびしぐさこりていとまごい)』に収録予定です。ずっと真夜中でいいのに。は現在全国ホールツアー『果羅火羅武〜TOUR』を開催中で、12月31日(金)には『COUNTDOWN JAPAN 21/22』への出演も決定しています。Spotifyではプレイリスト『Teen Culture』のカバーも飾っています。
サカナクション「プラトー」
サカナクションが2022年3月30日(水)にリリース予定のコンセプトアルバム『アダプト』から、「プラトー」を12月3日(金)に先行配信しました。こちらも先週の『New Music Friday Japan』でのパフォーマンスが良かったそうです。サカナクションはコロナ禍において、ミュージシャンとしてどのように状況に適応していったのか、適応していくのかを作品や活動として表現する第1章「アダプト」と、その作品や活動を経て、どのようにこの時代に応用していくのかを示す第2章「アプライ」という2つのシリーズの大型プロジェクトを始動。「プラトー」はプロジェクトのコンセプトを集約した楽曲になっており、曖昧な時代に表現者として作品を作る意味、意義を突き詰めながら生み出された楽曲になります。そしてこの「プラトー」は、ミュージックライブビデオが公開されています。この映像は11月20日(土)、21日(日)の2日にわたって配信されたオンラインライブ『SAKANAQUARIUM アダプト ONLINE』のライブ映像と、スタジオレコーディング音源で構築されたもので、MUSIC(音楽)とVIDEO(映像)の間にLIVE(ライブ)が加わるという観点からミュージックライブビデオというあらたなスタイルで制作された作品です。バンドは今後、表現の場をオンラインライブからアリーナツアー『SAKANAQUARIUM アダプト TOUR』に移行する予定。オンラインライブと同様の、大がかりな仕掛けを予定しているようです。Spotifyではプレイリスト『J-Rock Now』のカバーも飾っています。
Aimer「残響散歌」
Aimerの「残響散歌」が12月6日(月)から配信が開始されました。来年1月12日(水)にリリースとなるシングル『残響散歌/朝が来る』からの先行配信となります。同楽曲は12月5日(日)から放送開始になったテレビアニメ『鬼滅の刃』遊郭編のオープニングテーマです。Aimerは「朝が来る」でエンディングテーマも務めており、12月13日(月)にはミュージックビデオがプレミア公開される予定です。Spotifyではプレイリスト『Women's Voice』のカバーも飾っています。
ジュース・ワールド、ジャスティン・ビーバー「Wandered To LA」
2019年に亡くなったラッパー、ジュース・ワールド。命日の12月8日(水)から2日後の12月10日(金)に、没後2作目となるアルバム『Fighting Demons』のリリースが予定されています。既にアルバムからは「Already Dead」が公開されており、先週12月3日(金)にアルバムからの2作目として、ジャスティン・ビーバーとのコラボソング「Wandered To LA」が公開、『New Music Friday Japan』にもリストインしていました。Spotifyではグローバルのプレイリスト、『Today's Top Hits』のTOP10にいきなり入るなどヒットの予感大です。
シザ「I Hate U」
シザが12月3日(金)に新曲「I Hate U」をリリースしました。シザはこの夏、SoundClould上でデモ曲3曲を公開しており、この「I Hate U」はそこで公開されていたうちの1曲で今回正式にリリースとなりました。配信開始後、SpotifyのUSチャートではトップに立つなど注目度は非常に高いです。シザは2017年リリースの『Ctrl』以来のセカンドアルバムのリリースが待たれていますが、この曲がアルバムに収録されるかは分かっていません。
LAGHEADS「Try (feat. kiki vivi lily)」
LAGHEADS(ラグヘッズ)が12月8日(水)に「Try(feat. kiki vivi lily)」をリリース。バンドとして初めてのシングルがSpotifyで配信され、『New Music Wednesday』にリストインしています。まだ情報がほとんど公開されていませんが、米津玄師、嵐、あいみょん、KIRINJIなどの名だたる有名ミュージシャンのライブ、レコーディングで活躍する若手実力派ミュージシャンが結集したバンドで、Spotifyエディトリアルチームもかなり注目しています。LAGHEADSは今回のkiki vivi lilyに加え、HIMI、DinoJr.(ディノジュニア)をゲストボーカルに迎えたアルバム『What is "LAGHEADS"?』を来年1月19日(水)にリリース予定です。
TENDOUJI「Stupid!!」
TENDOUJIが12月8日(水)に、2021年2枚目のアルバム『Smoke!!』をリリースしました。4月にリリースされたアルバム『MONSTER』と同時に制作された作品。『New Music Wednesday』にリストインしている「Stupid!!」、パワーポップな「Young love」、ドラムのオオイナオユキが初めて曲作りと歌唱にトライした楽曲「Blur blur」、日本語のワードを初めて取り入れた「HELLO」、ライブでもすでに公開されているツインボーカル曲「Feelin’」など、先行配信含む全10曲が収録。『Smoke!!』を引っ提げ開催されるツアー『Smoke“EASY PUNK PARK on Smoke!!”』ではHump Back、ドミコ、No Busesなどと対バンすることが発表されています。
テーム・インパラ「No Choice」
オーストラリアのミュージシャン、ケヴィン・パーカーによるバンド、テーム・インパラの新曲「No Choice」が12月7日(火)に公開されました。テーム・インパラは、最新アルバム『The Slow Rush』のデラックス・ボックスセットを来年2月18日(金)にリリース予定で、Bサイド曲やリミックスが収録される模様。この新曲もこのデラックス盤の中に収録されるものとみられます。
文=竹内琢也、Y.SHOGO