和楽器バンド、恒例の大新年会・武道館で希望を鳴らす「今年こそは長い闇を抜けて、みんなで笑い合える日が必ずくるはず」

レポート
音楽
2022.1.20
和楽器バンド

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『和楽器バンド 大新年会2022 日本武道館 ~八奏見聞録~』
2022.01.09(sun) 日本武道館

和楽器バンドが1月9日(日)日本武道館にて、『和楽器バンド 大新年会2022 日本武道館 ~八奏見聞録~』を開催した。今年4月でデビュー満8年、メンバー8名、オフィシャルファンクラブにも“真・八重流”と名付けていたりと和楽器バンドに縁深く大切にしている、末広がりで縁起の良い“8”の数字に恵まれた今年の新年会。初春の歓びを表すように、そしていまだ長い闇の続く世に希望の光を放つように、8人の激しく美しく艶やかな奏でが、日本武道館から世界に鳴り響いた。

紫のペンライトの光が会場を美しく彩る中、OP映像からステージ奥のふすまに8人のシルエットが映り、メンバーがステージに登場。シンバルカウントから「和楽器バンド『大新年会』、武道館行くぞ!」と黒流(和太鼓)が煽り、1曲目「戦-ikusa」の攻撃的な演奏でライブがスタート。勢いそのまま「白斑」に続き、武道館のステージを広く使ったダイナミックかつ繊細な演奏とパフォーマンスで魅了すると、鈴華ゆう子(Vo)の美しく力強い歌声が伸びやかに響き、観る者を圧倒。「みんなで一緒にリズムを作っていきましょう」の呼びかけに手拍子を合わせた「情景エフェクター」、「お手を拝借!」と縁起良い三本締めで始まった「起死回生」で一体感を生むと、会場がどんどん熱気を帯びていく。

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「新年明けましておめでとうございます! 和楽器バンド大新年会は年に一度の祭典のような感じで、デビュー時から続けてきました。今年も日本武道館という聖地で、みなさんとこの日を迎えられることを本当に嬉しく思います」

鈴華が新年の挨拶と大新年会を無事開催出来た喜びを告げると、和太鼓の響きに乗せた町屋(Gt&Vo)のアコギの調べで静かに力強く始まり、ゆったりと壮大な世界観を描いた「オキノタユウ」、鈴華の踊るような鍵盤の音色や町屋とのツインボーカルが新鮮に響いた「シンクロニシティ」と続き、武道館にきらめく星空に包まれて祈るように歌った「Starlight」を披露。バンドセットと和楽器の八奏による美しいアンサンブルと表現力豊かなボーカルで、めくるめく楽曲世界を変幻自在に描いていく和楽器バンド。絢爛豪華なステージや演出、才色兼備なメンバーの勇ましく艶やかなパフォーマンスも唯一無二だ。

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MCでは2021年は過去最大となる、30公演を行った全国ツアー『8th Anniversary Japan Tour -Infinity-』を完遂したことを報告し、「こういう状況でも、みなさんのおかげで無事に乗り越えられたことに感謝します。ありがとうございました!」とファンへの感謝を伝えた鈴華。「今日は懐かしい曲も含めて、たっぷり和楽器バンドを浴びて下さい!」と始まった中盤戦は、ステージに雪が舞い降る中で叙情的な楽曲世界を丁寧に描いた「細雪」、壮大な演奏に鈴華の感傷的なハイトーンボイスが映える「Eclipse」と続き、メンバーセッションへ。神妙かつ情緒ある和の調べが新年会にもぴったりだった、いぶくろ聖志(箏)、神永大輔(尺八)、黒流による「Nine Gate」。山葵(Dr)のビートに鈴華が艶やかな舞を魅せた「嶺上開花」、蜷川べに(津軽三味線)の三味線と町屋のエレクトリックシタールの息の合った弦楽器アンサンブルの美しさに息を呑んだ「河底撈魚」と続く、和楽器バンドならではの独創的なパフォーマンスからは、他のバンドにない魅力や強さの秘密が垣間見えた。

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鈴華が和傘を回して華麗に舞い踊るパフォーマンスで魅せた「吉原スメント」は撮影OK、新年会恒例である山葵と黒流の“ドラム和太鼓バトル”は事前に配布されたハリセンで観客も参戦と、いまだライブに様々な規制がある中でも、みんなに楽しんでもらおうと趣向を凝らした演出で大いに盛り上げた後半戦。「月打 ~GACHIUCHI~」と名付けられたドラム和太鼓バトルでは、白熱したドラムと和太鼓の打ち合いから、ステージ後方に巨大和太鼓が登場。まさに月が昇るように、せり上がりで高く上がっていく巨大和太鼓を、山葵と黒流が筋肉美を見せながらガチで打ち合うパワフルなパフォーマンスに、興奮する観客の鳴らすハリセンの音がどんどん大きくなっていくのも面白かった。

スクリーンに映るリズムゲーム風の映像に合わせてハリセンを鳴らし、会場中でビートを作った「名作ジャーニー」で沸かすと、ライブはクライマックスへ。明るい曲調に全員がタオル回しを合わせ、ステージ上のメンバーも楽しそうな笑顔を見せた「セツナトリップ」から、三味線のイントロとパワフルな歌声で始まった本編ラストとなる曲は「千本桜」。渾身の歌と演奏に特効の銀テープと音玉も放たれ、賑やかに派手やかに咲き乱れたこの曲で、新年会は大団円の終幕を迎えた。

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BGMで流れる「暁ノ糸」に合唱代わりの手拍子を合わせ、再びメンバーをステージに迎えたアンコール。「いまを最高のものにするため、私たちはエンターテイメントを止めずに届け続けます。いまを楽しく生き抜いていきましょう!」と鈴華が力強く告げると、「8人が集まって、一番最初に音にした曲です」と「六兆年と一夜物語」を披露。疾走感あるロックテイストと情緒ある和テイスト、そして圧倒的な歌の力が融合した、和楽器バンドの原点といえるこの曲で再び熱気を生むと、ラストは「武道館ひとつになって! 拳を上に挙げて、ついて来て下さい!」と「暁ノ糸」で会場中の心を重ね紡ぎ、フィニッシュ。今年こそは長い闇を抜けて、みんなで笑い合える日が必ずくるはず。激しく気高く華やかに、音楽の力を信じて希望を鳴らした和楽器バンドの大新年会は、ここからの末広がりな幸福を期待させてくれる、新年の幕開けにふさわしい一夜だった。
 

取材・文=フジジュン 撮影=上溝恭香

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セットリスト

和楽器バンド 大新年会2022 日本武道館 ~八奏見聞録~
2022.01.09 日本武道館
00.Overture〜八奏見聞録〜
01.戦-ikusa-
02.白斑
03.情景エフェクター
04.起死回生
05.オキノタユウ
06.シンクロニシティ
07.Starlight
08.細雪
09.Eclipse
10.Nine Gates
11.嶺上開花
12.河底撈魚
13.吉原ラメント
14.ドラム和太鼓バトル 月打〜GACHIUCHI〜
15.名作ジャーニー
16.セツナトリップ
17.千本桜
EN1.六兆年と一夜物語
EN2.暁ノ糸

放送情報

和楽器バンド 大新年会 2022 日本武道館~八奏見聞録~
WOWWOWプラス独占放送
OA日 :2月27日(日)19:00~
放送局:https://bit.ly/3GYjCNP
※放送は予告なく変更する可能性がございます。
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