大阪中之島美術館、大阪の魅力を探る記念展『みんなのまち 大阪の肖像』開催、佐伯祐三展の実施やテナントも決定

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2022.2.3
『みんなのまち 大阪の肖像』展告知チラシ(第1期)

『みんなのまち 大阪の肖像』展告知チラシ(第1期)

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4月9日(土)から10月2日(日)までの期間、大阪中之島美術館にて開館記念展『みんなのまち 大阪の肖像』が開催される。同会場は構想の発表から約40年、準備室の設置から約30年を経て、2月2日(水)に開館を迎えた新設の美術館で、合わせて今回入居するテナントも決定した。さらに2023年4月15日(土)から6月25日(日)には、特別展『佐伯祐三 ―自画像としての風景』も開催されることが発表された。

●大阪の魅力を深掘りする、大阪中之島美術館開館記念展『みんなのまち 大阪の肖像』

小出楢重「街景」1925年 大阪中之島美術館蔵[第1期出品]

小出楢重「街景」1925年 大阪中之島美術館蔵[第1期出品]

2022年4月9日(土)から10月2日(日)まで、第1期と第2期に分けて行われる開館記念展『みんなのまち 大阪の肖像』は、新たな美術館が誕生した都市「大阪」をテーマとする展覧会。

小石清「クラブ石鹸」1931年 大阪中之島美術館蔵[第1期出品]

小石清「クラブ石鹸」1931年 大阪中之島美術館蔵[第1期出品]

明治以降、時代が移り変わる中で大阪は、近代化の道を歩み、戦禍を耐え、そして世紀を超えて現在もなお、個性豊かな活気あふれる大都市であり、「みんなのまち」であり続けている。

本展では、絵画、写真、ポスターをはじめ、大阪中之島美術館の多岐にわたるコレクションを中心に、大阪府市内外の博物館・美術館や企業などからの出品を加え、大阪の魅力を広く深く掘り起こす。

第1期 「都市」への道標。明治・大正・昭和戦前

片岡敏郎「赤玉ポートワイン」1922年 サントリーポスターコレクション(大阪中之島美術館寄託)[第1期出品]※前期展示(5月15日まで)

片岡敏郎「赤玉ポートワイン」1922年 サントリーポスターコレクション(大阪中之島美術館寄託)[第1期出品]※前期展示(5月15日まで)

2022年4月9日(土)から7月3日(日)に行われる第1期は戦前編。「「都市」への道標。」として、大阪中之島美術館が所在する中之島を起点に、明治維新とともに近代都市へと歩む大阪の表情を展示する。

前田藤四郎「デパート装飾」1930年代 大阪中之島美術館蔵[第1期出品]※後期展示(5月17日より)

前田藤四郎「デパート装飾」1930年代 大阪中之島美術館蔵[第1期出品]※後期展示(5月17日より)

大正期には日本一の人口を誇り「大大阪」と呼ばれるまでに成長する中で、独自の発展をとげた大阪の芸術。経済の興隆、鉄道網の発達、デパートや娯楽施設の誕生、さまざまな産業がモダンアートの発展に刺激を与えた。

この躍動する時代を、「第1章 おおさか時空散歩-中之島からはじめよう」「第2章 胎動するランドスケープ」「第3章 パブリックという力場」「第4章 商都のモダニズム」「第5章 たなびく戦雲」という構成で、絵画、写真、ポスターをはじめとする作品・資料約270点によって展示する(5月17日(火)より展示作品の一部が変わり、後期展示となる)。

川瀬巴水「大阪道頓堀の朝」1933年 大阪中之島美術館蔵[第1期出品]※後期展示 (5月17日より)

川瀬巴水「大阪道頓堀の朝」1933年 大阪中之島美術館蔵[第1期出品]※後期展示 (5月17日より)

第1期のみどころとしては、中之島をはじめ「水都」を描いた佐伯祐三の風景画など名品の数々が集結する点が挙げられる。また、戦前のレトロなポスターを多数出品、山田伸吉の「キネマ文字」など当時ならではの独特の書体にも注目だ。さらに、大阪を代表する日本画家の北野恒富のポスター原画など、有名画家たちのマルチな才能にも出会える機会となっている。

第2期 「祝祭」との共鳴。昭和戦後・平成・令和

松下電器産業株式会社 「ナショナルテレビ 嵯峨(TC-96G)」1965年 パナソニックミュージアム蔵[第2期出品]

松下電器産業株式会社 「ナショナルテレビ 嵯峨(TC-96G)」1965年 パナソニックミュージアム蔵[第2期出品]

2022年8月6日(土)から10月2日(日)まで行われる第2期の戦後編は、「「祝祭」との共鳴。」として、焼け野原から人々が力強く立ち上がった戦後復興期から70年万博、そして現代へと、新しい何かを求め新しい何かに翻弄されながら、起伏の激しい時代を生きるまちとその表情を展示する。

早川良雄「第11回秋の秀彩会」1953年 大阪中之島美術館蔵[第2期出品]

早川良雄「第11回秋の秀彩会」1953年 大阪中之島美術館蔵[第2期出品]

当時の新しいライフスタイルを表現する憧れの的となった家電や工業化住宅。モノが溢れだしたこの時代には、芸術活動もさらに活発化。広告は華やかな戦いの場となり、デザイナー同士で表現を競い高め合う場面もみられた。

1970年代の実物大工業化住宅(イメージパース)積水ハウス株式会社[第2期出品]

1970年代の実物大工業化住宅(イメージパース)積水ハウス株式会社[第2期出品]

人々を熱い渦に巻き込んだ日本万国博覧会を経て、世紀を超えて大都市としての歩みを続ける大阪の発展と変貌の道のりを、絵画、ポスター、家電、実物大工業化住宅など作品・資料約300点によって辿ってゆく。詳細は続報を待とう。

展覧会のメインビジュアルは『EXPO2025』のシマダタモツが担当

『みんなのまち 大阪の肖像』展告知チラシ(第2期)

『みんなのまち 大阪の肖像』展告知チラシ(第2期)

『みんなのまち 大阪の肖像』展のメインビジュアルを担当したのは、『2025年大阪・関西万博』のロゴマーク最優秀作品を手掛けた、TEAM INARI代表シマダタモツ。

大阪の個性を表現するため、ユニークな大阪府のフォルムを二分し、それぞれが外側へ伸び伸びと拡がるイメージを一期と二期で分担した(コンセプトより抜粋)。観る者によっては、「懐かしい大阪」や「まだ知らない大阪」を発見する機会となること間違いなしの展覧会。約1世紀半の間に大阪が見せた多彩な「肖像(かお)」を紹介し、大阪をめぐる時空の旅へ誘ってくれるだろう。

●佐伯芸術の本質にせまる特別展『佐伯祐三 ―自画像としての風景』

先行チラシ

先行チラシ

そして早くも、大阪中之島美術館2023年度の特別展の開催が決定。大阪出身の洋画家、佐伯祐三の国内最大級のコレクションを誇る本館で、東京会場からの巡回展として佐伯祐三展が開催される。

佐伯祐三「レストラン(オテル・デュ・マルシェ)」1927年 大阪中之島美術館蔵

佐伯祐三「レストラン(オテル・デュ・マルシェ)」1927年 大阪中之島美術館蔵

本展では、画家が描いた大阪、東京、パリの3つの街に焦点を当て、代表作120点超を一堂に展観し、その造形性を再考。生涯にわたって通底する佐伯芸術の魅力を再発見する機会となるだろう。

●ミュージアムショップ、ショップ、レストラン、カフェレストランが出店

大阪中之島美術館(内観)

大阪中之島美術館(内観)

さらに大阪中之島美術館のテナントスペースに入居する事業者が発表された。入居するのは、ミュージアムショップ、ショップ、レストラン、カフェレストランの4軒だ。

ミュージアムショップdot to dot todayは、自由な視点でセレクトしたプロダクトをはじめ、大阪に縁のあるアーティストとのコラボグッズや、ここでしか出会えないユニークなオリジナルグッズが購入できる。

デンマーク発のインテリアプロダクトブランドであるHAY OSAKAのショップには、ライフスタイル全体をコーディネートできるアイテムが揃う。なお、本ショップは、東京に続いて国内直営2号店、関西初の旗艦店となる。

そして、フランス料理lerestau K’art(ルレストカール)と、カフェレストランMusée KARATO(ミュゼカラト)。これら2店舗は、大阪の名店リュミエールをはじめ、数々のレストランを展開するリュミエールグループの新業態として誕生。それぞれ「美と健康のフランス料理」、「美と健康の美味しいカフェ」として、2022年春に開業する。

いずれのテナントも、美術館のついでではなく、訪れること自体が楽しみとなるような、素敵なお店ばかり。1階、2階の無料入館が可能なエリアにあるので、気軽に立ち寄ってみてほしい。

展覧会情報

大阪中之島美術館開館記念展『みんなのまち 大阪の肖像』
会期:
第1期 「都市」への道標。〈明治・大正・昭和戦前〉:2022年4月9日(土)〜7月3日(日)
第2期 「祝祭」との共鳴。〈昭和戦後・平成・令和〉:2022年8月6日(土)〜10月2日(日)
開館時間:10:00〜17:00(入場は16:30まで) 月曜日休館(5月2日を除く)
※災害などにより臨時で休館となる場合があります。
会場:
第1期:大阪中之島美術館 4階展示室
第2期:大阪中之島美術館 5階展示室
観覧料:一般 1200円(1000円)/高大生 800円(600円)/小中生 無料
*税込み価格。カッコ内は20名以上の団体料金。
*第1期+第2期セット券も販売。(一般 2000円/高大生 1200円/小中生 無料/
団体料金は各200円引き|第1期の会期終了までの限定販売)
*開館記念特別展 『モディリアーニ ―愛と創作に捧げた35年―』との相互割引も実施。
主催:
第1期:大阪中之島美術館、読売新聞社
第2期:大阪中之島美術館、NHK大阪放送局
特別協力:第2期:積水ハウス
ホームページ:https://nakka-art.jp(大阪中之島美術館公式ホームページ)

展覧会情報

特別展『佐伯祐三 ―自画像としての風景』
会期:2023年4月15日(土)〜6月25日(日)
会場:大阪中之島美術館 5階展示室
主催:大阪中之島美術館、読売新聞社
巡回情報:東京会場 2023年1月21日(土)〜4月2日(日)
東京ステーションギャラリー(東京・千代田区丸の内)
公式ホームページ:https://nakka-art.jp

テナント情報

〔ミュージアムショップ〕dot to dot today
開業日:2022年2月2日(水)
営業時間:火~日 10:00〜18:00
*月曜日定休(祝日の場合は翌平日/イベント開催などによっては営業)
URL:https://dottodot.today/
 
〔ショップ〕HAY OSAKA
開業日:2022年3月18日(金)
営業時間:月・日 11:00〜17:00/火~土 11:00〜20:00
*不定休
URL:https://www.hay-japan.com/
 
〔フランス料理〕lerestau K’art[事前予約制]
開業日:2022年4月下旬予定
営業時間:ランチ 11:00〜16:00(Lo15:00)/ディナー 17:00〜21:00(Lo19:00)
*日曜日・月曜日定休/席数12席
 
〔カフェレストラン〕Musée KARATO
開業日:2022年4月下旬予定
営業時間:11:00〜21:00(終日営業/Lo20:30)
*定休日なし/席数86席 内テラス席20席

開催中展覧会情報

大阪中之島美術館 開館記念『Hello! Super Collection 超コレクション展 ―99のものがたり―』
日時:2022年2月2日(水)~3月21日(月・祝)
場所:大阪中之島美術館 4、5階展示室
公式サイト:https://nakka-art.jp
開館時間:10時~17時(入場は16時30分まで)
休館日:月曜日(3月21日(月)を除く)
観覧料:一般1,500円(1,300円)高大生1,100円(900円)〔日時指定事前予約《優先》制〕
( )内は20名以上の団体料金(いずれも税込)
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