丸美屋食品ミュージカル『アニー』2022 アニー役 山崎 杏・山本花帆 開幕直前インタビュー
丸美屋食品ミュージカル『アニー』2022 アニー役 (左から)山崎 杏・山本花帆 Annie2022ⒸNTV
【THE MUSICAL LOVERS】ミュージカル『アニー』第44回
丸美屋食品ミュージカル『アニー』2022 アニー役 山崎 杏・山本花帆 開幕直前インタビュー
日本テレビ(関東ローカル)『シューイチ×アニー涙と笑いの舞台初日に完全密着!』
2022年4月29日(金・祝)15:50~16:20 ※再放送:5月4日(水・祝)6:00~6:30
2022年の丸美屋食品ミュージカル『アニー』がまもなく開幕する。東京公演は2022年4月23日(土)~5月8日(日)、東京・新国立劇場 中劇場で26ステージ上演される予定だ。夏には宮城・大阪・金沢・名古屋への巡演も予定されている。
2022年は「アニー生誕100年」の年である(物語の中で、アニーの出生証明書に「誕生日は1922年10月28日」と記されていることに基づく)。そんな記念すべき“アニー・アニバーサリー・イヤー”にアニー役をWキャストでつとめることとなったのが、山崎 杏(チーム・バケツ)と山本花帆(チーム・モップ)だ。開幕が迫る中、2人から話を聞くことができた。インタビューの模様を、孤児たち&ダンスキッズの稽古場写真とともにお届けする。(2022年4月12日、リモート取材)
【生年月日・出身地】2012年1月11日生まれ・10歳(4月から小学校5年生)、東京都出身。
【レッスン歴】バレエ:3歳から/ミュージカル(歌・演技・ダンス):4歳から。
【経歴】『アニー』が大舞台初挑戦 ※公演中止:ミュージカル『冒険者たち~この海の彼方へ~』ジャンプ役(2021年)。
【アニーを目指したきっかけ】小学校1年生の時に、劇団四季出身の両親が『アニー』を観させてくれて、いつか出演したいと思っていた。
【アニーに似ているところ】強気なので、ペパーとのケンカの立ち向かい方。
【生年月日・出身地】2011年7月4日生まれ・ 10歳(4月から小学校5年生)、東京都出身。
【レッスン歴】 歌:7歳から/バレエ:5歳から/ダンス:6歳から
【経歴】東宝ミュージカル『マリー・アントワネット』マリー・テレーズ役(2021年)、ミュージカル『ホイッスル・ダウン・ザ・ウィンド~汚れなき瞳~』チャリティ役(2020年)。2021年スターダストプロモーション主催「第2回スター☆オーディション」審査員特別賞。
【アニーを目指したきっかけ】以前モリー役を受けたが第一次審査で落ちてしまい、悔しくてリベンジした。
【アニーに似ているところ】考え方が明るくてポジティブなところ。
Annie2022ⒸNTV
■アニーを目指したきっかけ
ーーミュージカル『アニー』を最初に観たのはいつですか。
山本花帆 2016年、私がまだ幼稚園の頃でした。あまりよく覚えていないのですが、2019年の『レ・ミゼラブル』で私と同じくリトル・コゼット役を演じることになる桑原愛佳ちゃんがモリー役で出ていた組だったと、お母さんが教えてくれました(※編集部註:この時のアニー役は河内桃子)。でも、私自身がアニー役を本格的に目指そうと思ったのは、2019年に岡菜々子ちゃんのアニーを観たことがきっかけです。
ーーとびきり歌の上手な岡さんのアニーを見て、刺激を受けたんですね。杏さんは?
山崎 杏 私が初めて観たのは2018年、宮城弥榮ちゃんのアニーでした。弥榮ちゃんは(私の両親が運営するミュージカルスクールの主催する)『冒険者たち』というミュージカル(2017年)にジャンプという役で出演していました。その関係もあって観に行ったのです。
ーーそういう繋がりだったのですね。その宮城弥榮さんは、杏さんも出演する予定だった、2021年の『冒険者たち』で主人公ガンバ役を演じる予定でしたが、公演が中止になって残念でした。
稽古場より Annie2022ⒸNTV
■オーディションは楽しく臨む
ーー『アニー』のオーディションの際、審査書類に「アニー役以外に選ばれても出演しますか」という質問項目があったと聞きます。それぞれ、どう回答しましたか。
山崎 「出演します」と答えました。
山本 私もです。他の役でもいいと思っていました。
ーーそれは、『アニー』という作品そのものが好きだったということですか。
山本 アニー役にこだわっていたわけではなく、舞台に立つだけで幸せだから……舞台に立てればいいな、と思っていました。
山崎 私も舞台に出られるだけで嬉しかったし、そもそも孤児たちが歌う「フリードレス(Fully Dressed)」という曲が大好きで、すごく楽しい曲だから、もしアニーになれなくても、それができるなら出たいと思っていました。
ーーたしかにアニー役になると「フリードレス」には参加できませんよね。ところで、オーディションのほうは、いかがでしたか。順調に進めたのでしょうか。それとも「もうダメかもしれない」と思う瞬間がありましたか。
山崎 二次審査は、審査員がいないカメラの前で動画一発撮りでした。でもセリフが飛んじゃいそうになって……。なんとかうまくカバーできたものの、焦っている顔がちょっと見えちゃったかもと思い、最終審査に行けるか行けないかが、半々の気持ちでした。でも、最終の歌の審査には個別に呼ばれて。あの時、私の受験番号は「D-1」だったけれど、私の次に呼ばれた番号が、かなり離れた番号でした。そして、花帆さんも呼ばれていました。「えっ、じゃあ私、けっこう実力あるってことなのかな。もしかしたら受かるのかも」と思い始めて。そうしたら本当に受かってしまって。予想的中なところもあったけれども、本当にビックリしました。
山本 私の場合、歌の練習はたくさんしてきたので自信がありました。でも、ダンスが苦手で。ダンス審査では、めっちゃドキドキしてたんですよ。広崎うらん先生がその場で振付した動きを覚えるのですが、私の番号が「D-10」で、D組の一番最後だったんです。順番が回ってくるまでの間に振りが飛んじゃいそうになり、不安で不安でしょうがなかった……。「やるなら早くやってーッ!」って。そうしたら本当にだいぶ振りが飛んじゃって(笑)。でも「楽しまないと受からない」と思ったから、振りを間違えても、とにかく笑顔で楽しくやり切りました。そうしたら受かったので、ホッとしました。
ーーちなみに歌の審査では、何を歌ったのですか。
山崎 「二人でいればいい(I Don’t Need Anything but You)」と「メイビー(Maybe)」でした。
山本 私も同じです。
ーーこれからアニーになりたい子たちに、オーディションについてのアドバイスはありますか?
山崎 オーディションはとにかく楽しく。努力はもちろん必要だけど、「こうしなきゃ」「あれしなきゃ」と考えちゃうと、結局アニーの本当の気持ちになれなかったり、やりたいことができなかったりするから、とにかく思い切って悔いのないように楽しくやるのが一番大事かな、と思います。
山本 そう。努力もレッスンも本当に大切だけど、思い切り楽しんだ方が自分も楽しいだろうし、観ている相手も楽しくなるから、とにかく楽しんでいれば、どうにかなる!
稽古場より Annie2022ⒸNTV
■2人のアニーは仲良しで気が合う
ーー杏さんは先ほど「歌の審査に花帆さんも呼ばれていた」と仰って、周りをよく見ていたようですが、2人はオーディションの時から、お互いをライバルとして意識していましたか。
山本 自分を出すのに精いっぱいだったから、ライバルとしては特に意識していませんでした。周りを見るヒマなし(笑)!って感じです。
山崎 私は、周りが見えていました。最終審査まで残っている子は全員ライバルだと思っていて。でも、お母さんからは「他の人と比べなくていいから、とにかく自分が楽しみなさい」って言われました。ただ、花帆ちゃんの歌を聴いたら、やっぱり自分も頑張らなきゃって発奮しました。
ーー杏さんはもともと花帆さんのこと「歌が上手い」と思っていたんですね。
山崎 すごい思ってて(山本「そんなことないよ~」のジェスチャー)。だから歌の個別審査の時も、尊敬していた花帆ちゃんが呼ばれるのは当然だと思っていました。
山本 (大照れ)
山崎 そこに、まさか自分も呼ばれるなんて……、「ヤッター」っていう気持ちもありました(笑)。
ーー同じアニー役として仲間になった今は、お互いをどういう気持ちで見ていますか。
山崎 花帆ちゃんは、優しいし、面白いし、可愛いし、なんか本当に「2人で受かることができて良かったなぁ」って思っています。
山本 嬉しい~(歓喜)! そんなこと言われるの初めてかもしれない。私も(同じように)思ってるよ~。
ーー普段お互いに伝え合ったりはしない?
山本 いやぁ、なんか恥ずかしいじゃないですか。
ーー花帆さんから見て、杏さんはどんな人ですか。
山本 杏ちゃんの第一印象は、しっかりしていて、すごく良くできる子だと思っていました。今は、良くできるのは最初の印象通りだけど、とにかく面白い。
山崎 (大笑い)
ーー2人とも「面白い」って言い合っているけど、どんなところが面白い?
山本 私が笑うと、杏ちゃんも笑うんですよ。そういう部分が面白いなって(満面の笑み)。
山崎 2人とも面白い子同士だから、気が合う、というか。
山本 そう、気が合うの!
山崎 ね、気が合うんですよ。皆でお互いにニックネームをつけたんですが、私は“あんこ”って呼ばれていて。
山本 (ボソッ)あんこがあるのは冷蔵庫。
ーーおいしゅうなれ。(※NHK『カムカムエヴリバディ』参照)
山崎 花帆ちゃんは“かーちゃん”って呼ばれているんですよ。ある日、かーちゃんが「あんこ、上着忘れてるよ」って言ってくれたんですけど、でもその日、私は上着を着ていなかったんです。「上着? 持って来てないよ」って話になって(爆笑)。
山本 あのあとは、2人でずーっと大爆笑して、ヘトヘトで帰ったもんね(笑)。
山崎・山本 (共鳴しあうようにケラケラ笑い続けながら)私たちゲラなんです。
ーー花帆さんは一体何を見たのでしょうね。
稽古場より Annie2022ⒸNTV
■笑いっぱなしの稽古場
ーー演出の山田和也さんは「アニーは楽観的で明るいだけではなく、ずる賢い、生意気な部分もある」ってよく言っています。お2人それぞれ、自分にもそういう部分はあると思いますか。
山崎 (挙手)すっっっっごいあります! もう「ワル賢い」ってよく言われて……。盗む、とか犯罪はしてないですけど、まさにアニーみたいな感じ。
ーー山田さんにドッキリを仕掛けるとか。
山崎 そこは大丈夫です、絶対にしないです。
ーー花帆さんは?
山本 「ワル賢い」というのは、ないかな(笑)。
ーー稽古場の様子を教えていただけますか。
山崎 (元気よく挙手)大人キャストさんやスタッフさん、皆さん優しいかたばかりです。そして孤児の子たちはすっごい面白い。でもみんな、人の話はしっかり聞いています。モリーも可愛いし、「アニーになれて本当に良かったな」っていつも思っています。
ーー孤児の子たちとは、いい感じですか。
山崎 ダフィとかモリーとか、すごく年齢の差があるけど、でもみんな親しくしてくれるから、同じ歳の子みたいに話しています。
山本 (嬉しそうに)チーム・モップもそうだよ~。
稽古場より Annie2022ⒸNTV
ーー山本さんは稽古場の印象、いかがですか。
山本 新鮮だなって思うのは、スタッフさんにもみんなニックネームがあること。すごく話しやすくて、いいなって思います。
山崎 そうなんです。(昨年出演するはずだった)『冒険者たち』では、スタッフさんにニックネームがなかったから、“スタッフさん”としか呼べなかったんですよ。でも『アニー』では皆にニックネームがあることで、話しやすくなって、仲良くなれます。
ーー演出の山田さんのことは“和也”とか呼んだりするの?
山崎・山本 いえいえ、山田さんは“山田さん”(笑)。
ーーマルシアさんは“マルちゃん”って呼んでいたりするの?
山崎・山本 マルシアさんも“マルシアさん”。アンサンブルキャストの丸山田加賜さんが“マルちゃん”だから。
ーーウォーバックスの葛山信吾さんは?(※葛山の葛、正しくは下部「ヒ」)
山崎・山本 “葛山さん”。(※葛山の葛、正しくは下部「ヒ」)
ーー大人キャストは割と、そのままなのね(笑)。
山本 ただ、「さん」付けでも親しく話してくれるから、仲良くなれます。
ーー(犬の)サンディとは、もう仲良くなれましたか。
山本 うまく行っています。いまも後ろにサンディがいます。
ーーイエヤス~、メープル~(※いずれもサンディ役を務める犬の名前)。
山崎 来ないですね。
ーーアニーじゃない私(※アニーになりたい歴35年)には反応しないようですね……。
山本 今、稽古しているんだと思います(フォロー)。
稽古場より Annie2022ⒸNTV
■これが2022年の『アニー』です
ーーそれぞれのチームの座長として、チームの自慢できるところを教えていただけますか。
山崎 チーム・バケツは、皆元気で、すごく楽しいチームです。最近、最年長のダフィ役の“七緒ちゃん”(神澤七緒)がまとめてくれるようになって、しっかりもしてきたし、すごく自慢のチームです。
稽古場より Annie2022ⒸNTV
山本 チーム・モップは、皆穏やか〜で、おっとりしています。だけどダフィ役の“ミサキング”(岩淵心咲)と、ジュライ役の“桜ちゃん”(小林 桜)が中心になって、チームワーク抜群なところが、自慢です。皆で力を合わせて、稽古を頑張っています。
稽古場より Annie2022ⒸNTV
ーー2022年の『アニー』、「ココを見てほしい」という注目ポイントはどこですか。お誘いのメッセージとともに、どうぞ。
山本 一人ひとりが輝いているので、皆を観てほしいです。もちろん、私も頑張ります。「また明日から頑張ろう」と思ってもらえるように、「Tomorrow」の歌詞「明日はいいことがある」が響くように皆で演じるので、ぜひ観に来てください。
山崎 今、頑張って稽古していて、チームワークもすごく良くなってきています。自分の出ていない場面を観ていても、上達しているのが感じられます。一番観てほしいのは、一人ひとりの心の動き。そこを注目してもらえると、お話がより面白くなると思います。楽しい舞台になるので、ぜひ観に来てほしいです。
稽古場より Annie2022ⒸNTV
ダンスキッズも復活します、お楽しみに! Annie2022ⒸNTV
取材・文=ヨコウチ会長
オフィシャル写真提供=日本テレビ Annie2022©NTV ※転載・転用禁止
公演情報
日本テレビ(関東ローカル)『シューイチ×アニー涙と笑いの舞台初日に完全密着!』
2022年4月29日(金・祝)15:50~16:20 ※再放送:5月4日(水・祝)6:00~6:30
アニー:山崎 杏 / 山本 花帆
ウォーバックス:葛山 信吾( ※葛山の葛は正しくは「ヒ」です )
ハニガン:マルシア
グレース:笠松 はる
ルースター:財木 琢磨
リリー:島 ゆいか
アニー役:山崎 杏(ヤマザキ アン)
モリー役:新谷 彩羽(アラヤ イロハ)
ケイト役:山口 菜々美(ヤマグチ ナナミ)
テシー役:小田島 優月(オダジマ ユヅキ)
ペパー役:深澤 七子(フカザワ ナナコ)
ジュライ役:黒川 明美(クロカワ メイミ)
ダフィ役:神澤 七緒(カンザワ ナオ)
アニー役:山本 花帆(ヤマモト カホ)
モリー役:成瀬 みずき(ナルセ ミズキ)
ケイト役:久住 星空(クズミ セイラ)
テシー役:北村 栞(キタムラ シオリ)
ペパー役:シーセン きあら(シーセン キアラ)
ジュライ役:小林 桜(コバヤシ サクラ)
ダフィ役:岩淵 心咲(イワブチ ミサキ)
(以上、Wキャスト)
磯部 ちひろ(イソベ チヒロ)
合田 晴音(ゴウダ ハノ)
齋藤 日南(サイトウ ハルナ)
平山 明香里(ヒラヤマ アカリ)
渡邊 杏奈(ワタナベ アンナ)
高嶋 悠花(タカシマ ハルカ)
鳥塚 美羽(トリヅカ ミウ)
三輪 駿斗(ミワ シュント)
山田 紗良(ヤマダ サラ)
伊藤俊彦、鹿志村篤臣、後藤光葵、丸山田加賜、矢部貴将、太田有美、木村つかさ、濵平奈津美、横岡沙季
■スタッフ
脚本:トーマス・ミーハン
作曲:チャールズ・ストラウス
作詞:マーティン・チャーニン
翻訳:平田 綾子
演出:山田 和也
音楽監督:小澤 時史
振付・ステージング:広崎 うらん
■協賛:丸美屋食品工業株式会社
【東京公演】
■会場:新国立劇場 中劇場
■日程:2022年4月23日(土)~5月8日(日)
※当初の発表では5月9日(月)までの上演期間でしたが、変更になりました。5月8日(日)16時チーム・モップの回が東京公演千穐楽となる予定です。
■料金:全席指定:8,700円(税込)
※4月25日(月)・4月27日(水)は「スマイルDAY」特別料金6,700円(税込)
■発売中
■問合せ:キョードー東京 TEL:0570‐550‐799
宮城、大阪、金沢、名古屋公演あり
■あらすじ:1933年12月、真冬のニューヨーク。1929年に起こった世界大恐慌が色濃く残り、誰もが希望を失っていた中で、ニューヨーク市立孤児院には前向きな11歳の少女、アニーがいた。アニーは孤児院を脱走し、犬のサンディと出会うが、警官に補導され連れ戻される。そこにやって来たのが大富豪ウォーバックスの秘書グレース。彼女の取り計らいにより、アニーはウォーバックス邸でクリスマス休暇を過ごすことになる。ウォーバックスはアニーを気に入り、養子にしたいと願うが、アニーが「普通の子と同じように両親と暮らしたい。父さんと母さんを見つけ出したい」と望むので、ウォーバックスは5万ドルの賞金を用意し、アニーの両親を公開捜索する。しかし名乗り出てくるのは、両親になりすまそうとする賞金目当ての悪人ばかり。さらには孤児院長ハニガンと、その弟ルースター、ルースターの恋人リリーも悪事を企んで……。アニーはいったい、どうなってしまうのか。
■公式サイト:https://www.ntv.co.jp/annie/