前田美波里「待ちに待っていた」ブロードウェイミュージカル『ピピン』インタビュー
――今回は主演が新たに森崎ウィンさんになりました。
期待しています。彼だからこそできる動きがあると思うので。その話を彼にしたら「え、(初演より)もっとやるんですか!?」って驚いていたから、「それができちゃうものなのよ、私ができたように」って(笑)。
――前田さんも、空中ブランコは最初はできないと思われましたか?
『ピピン』のワールドツアーが日本で上演したときに観劇したんですよ。それでマネージャーと「すごいね」「やるって言ったらバーサしかないよ」「リーディングプレイヤーの役をやりたいけど無理だしね」「日本じゃできないわね」なんて話をしていたんですね。そしたら1年も経たないうちにバーサの役でオファーが来て、「え! あの役ですか!?」って。でもせっかくお声をかけてくださったので。この年齢になると、スケジュール的に無理じゃない限りはやるって決めているんです。だってもうあと何年生きられる? そう思えば、大切なことだから。
前田美波里
――初演の「委ねる」にいたるまでは長い道のりでしたか?
そうですね。「楽しむ」なんてところまではいかないですよね。危ないことですから。一人でできることでもないし。でも今回は、怖さも知っているけど楽しさが随分勝ってます。
――演出のダイアン・パウルスさんの印象をお聞かせください。
じっとしていらっしゃらない方ですね(笑)。彼女は、「『ピピン』をやりたいけどお金がない、じゃあ集める!」って資金を集めてこの作品をやっていらっしゃるので。まさに(ピピンのように)自分で切り拓いている方です。演出という意味では、『ピピン』は日本でもいろんなカタチで上演されていますが、特にテーマがわかりやすいようにつくられているんじゃないかなと感じています。それはダイアン・パウルスさんのパワーですよ。
初代ピピン役の城田優と森崎ウィンは『SHOWTIME』(2021年)で共演。劇中歌「コーナー・オブ・ザ・スカイ」をふたりで披露した。