前田美波里「待ちに待っていた」ブロードウェイミュージカル『ピピン』インタビュー
努力すれば、なにかは返ってくる
――前田さんは、ご自身が愛するミュージカルや舞台を一心に追ってこられて、まさにピピンが目指している人生を送っているように思います。
そうですね。2年前、緊急事態宣言が出て劇場がクローズしてしまったとき、私が出演していた『Endless SHOCK 20th Anniversary』も公演中止になりました。そのときに「私って、舞台がなくなっちゃったら人生終わりじゃない!?」って気持ちになったんですよね。「舞台に立っているからこそ自分は輝けるし、生きていけるし、幸せなんだ」ってことを、こんなに感じたことはなかった。当時は「あと10日経ったらできるかもしれない、いや、もう10日経ったらできるかもしれない」という気持ちでいました。それで私が「早くやりたい!」「このステージに立ちたい!」ってしつこく言うものだから、(座長である堂本)光一さんが「美波里さんって本当に舞台がないとダメなんですね」って(笑)。やっぱり、舞台がないとなんのために生きているかわからないです。それほど好きです。“演じる”という意味では映像も舞台も同じなんだけれども、私にとっては舞台が最高です。
前田美波里
――ピピンは自分探しの旅に出ますが、前田さんご自身も悩んだり考える時期はありましたか?
名前ばっかり有名になっちゃって、気が進まないまま映画に出演したこともありました。自分の顔が大写しになるのが嫌でね。でも舞台では、観客がアップにして観たり、引いて観たりするでしょう。監督の世界じゃなくて、観客自身の世界で。いいパフォーマンスをしていればアップになっちゃう。それがいいんですよ。それが好きなんです。まな板の上に立って、演出家に料理されて、それをお客様がおいしそうに食べて下さるのがなにより幸せです。
――ずっと舞台に立ち続けて新鮮でいられますか?
一か月の公演でも毎日違いますしね。昨日よかったと思ったら今日は違ったりするし。観客の皆さんと同じ空気を吸いながら、「今日のこの人たちの中で何を表現したらみんな満足してくれるかな、驚いてくれるかな」というのがあります。舞台は生もので、「ちょっと待ってください、もう一回やります」はできない。なにかあったときに対処するのは自分ですから、「どうするか」ってことを毎日毎日考えないと。
――毎日毎日考えることは、すごく大変なことのように感じます。
だから面白いんですよ! 人生ってその繰り返しなので、そこでくよくよしていたってしょうがないじゃないですか。やり遂げちゃわないと。スルーするのは簡単だけど、なんの肉にも骨にもならない。努力すればなにかは返ってくるし。だから面白いんじゃないかなと思います。
――最後に、読者の方に一言お願いします。
お子さんからお年を召した方まで、年齢問わず観ていただきたい作品です。観て損はないですよ!
前田美波里
ヘア&メイク=矢野トシコ〈SASHU〉
スタイリング=松田綾子〈オフィス・ドゥーエ〉
衣装クレジット=赤ワンピース:DUEdeux/ピアス、リング:ともにウノアエレ(ウノアエレ ジャパン)
取材・文=中川實穗 撮影=池上夢貢
公演情報
東京公演:
【日程】2022年8月30日(火)~9月19日(月・祝) 全25公演
【会場】東急シアターオーブ(渋谷ヒカリエ11階)
大阪公演:
【日程】2022年9月23日(金・祝)~9月27日(火) 全6公演
【会場】オリックス劇場
【脚本】ロジャー・O・ハーソン
【作詞・作曲 】スティーヴン・シュワルツ
【演出】ダイアン・パウルス
【振付】チェット・ウォーカー (in the style of Bob Fosse)
【サーカス・クリエーション】ジプシー・シュナイダー(Les 7 doigts de la main)
【出演】
ピピン:森崎ウィン
リーディングプレイヤー:Crystal Kay(クリスタル ケイ)
チャールズ:今井清隆
ファストラーダ:霧矢大夢
キャサリン:愛加あゆ
ルイス:岡田亮輔
バーサ(Wキャスト) :中尾ミエ / 前田美波里
テオ(Wキャスト):高畑遼大 / 生出真太郎
加賀谷真聡 神谷直樹 坂元宏旬 茶谷健太 常住富大 石井亜早実
永石千尋 伯鞘麗名 妃白ゆあ 長谷川愛実 増井紬
スペシャルゲスト
ローマン・ハイルディン ジョエル・ハーツフェルド デミトリアス・ビストレフスキー モハメド・ブエスタ エイミー・ナイチンゲール
※やむを得ない事情により、出演者が変更になる可能性がございます。
【】発売中
【公式HP】https://www.pippin2022.jp
【お問い合わせ】キョードー東京 0570-550-799(平日11:00-18:00/土日祝10:00-18:00)