弦楽四重奏団クロノス・クァルテットが19年ぶりジャパン・ツアー開催 記者発表会見をレポート
“弦楽四重奏の百科事典”のように
つづくクーパースウエイトは「フィフティー・フォー・ザ・フューチャー」について説明した。
ジャネット・クーパースウエイト:「フィフティー・フォー・ザ・フューチャー」は、正式には「フィフティー・フォー・ザ・フューチャー:クロノス・ラーニング・レパートリー」といいます。若い音楽家たちがクロノス・クァルテットの考え方や弦楽四重奏の多様な可能性を学ぶためのプロジェクトです。
エグゼクティヴ・マネージャー:ジャネット・クーパートウエイト
私たちが作曲家に委嘱し、その作品をコンサートで初演し、録音をウェブサイトにアップして、スコアも無料でダウンロードできるようにしています。これまでに2万5千回以上のダウンロードがありました。現在、43作品がウェブ上にあります。秋には50作品が揃うと思います。そして、今回の日本ツアーではそのうちの約10作品を披露します。
デイヴィッド・ハリントン:「フィフティー・フォー・ザ・フューチャー」は、50人の作曲家に50の機会を提供し、50の素晴らしい作品を生み出すプロジェクトです。50人の作曲家を選ぶのは大変な作業でした。私たちをよく知っている素晴らしい人たちと、それだけには限定しないで、クロノス・クァルテットの音楽の幅を広げてくれる新しい人、若い人にもお願いいたしました。
ジャネット・クーパースウエイト:テクニック的にもサウンド的にも多岐にわたるように、作品を集めたいと思ったのです。
デイヴィッド・ハリントン:弦楽四重奏の可能性は限りないのです。音楽学校で教えらえていること以外にも素晴らしいアプローチがたくさんあることを、この50の作品で知ってもらいたいと思っています。弦楽四重奏の百科事典のように。たとえば、望月京さんの音楽には一聴して魅了されました。そして彼女の楽譜を眺めるのも楽しかったですね。彼女とは素晴らしいリハーサルをすることができました。「ボイズ」と題する彼女の作品は、鳥や魚の群れの一体となった動きを表現しています。
芸術監督:デイヴィッド・ハリントン
>(NEXT)音楽界のトップ・ランナーとして世界に思うこと