加藤和樹「誰もが“彼は最強だ”と認めるメレアガンを目指したい」ミュージカル『キングアーサー』インタビュー
――『キングアーサー』はフレンチロックミュージカルですが、同じくフレンチロックミュージカルの『ロミオ&ジュリエット』『1789-バスティーユの恋人たち-』の出演経験がある加藤さんに音楽的な魅力をうかがいたいです。
音楽は『1789』と同じクリエイティブチームということで、感情がとても乗せやすいメロディラインだなと感じています。ダンスとマッチングするようなナンバーが多い印象もありますね。『1789』のときにも感じましたが、感情がどんどん前に進んでいくというか、お客様が一緒に乗っかっていくことができるような音楽という印象です。
――アンサンブルキャスト陣も踊りが素晴らしい方が勢揃いしていますし、ダンスシーンにも期待しています。
そうですね。フレンチロックミュージカルの最大の魅力は、ダンスの華やかさやダイナミックさにあると僕は思っているんです。その表現の仕方も含め、見応えのあるものになるんじゃないかなと楽しみにしています。
――エンターテインメント性が高いナンバーが多そうですね。
はい。ただメレアガンの楽曲については難しそうなものが多くて、気持ちが入り込んでいないと曲に没入するのが難しそうな印象があります。その突破口は、稽古を通して見つけていきたいなと思いますね。
――メレアガンはアーサーに王座と婚約者を奪われ復讐に燃えるという役どころですが、加藤さん自身はすごく穏やかな方ですよね。普段怒ることってあるのでしょうか?
まあ、ありますよ(笑)。人に対して怒ることはないですけどね。僕、スマホでゲームをやることがあるんですけど、ゲームに対して突発的に「なんだよー!」って怒っちゃうことは結構あります(笑)。
――かわいらしいエピソードをありがとうございます(笑)。2021年末〜2022年にかけての『フィスト・オブ・ノーススター〜北斗の拳〜』ではかなり鍛えていらっしゃいましたが、今回はむしろ動けるように絞っていく感じでしょうか?
衣装的に肌が出る面積が少ないので、絞って動きやすい身体にしていきたいなというのは正直あります。『北斗の拳』のときにすごく感じたんですけど、筋肉をつけるとどうしても身体が重くなってしまうんです。今僕がイメージしているメレアガンは、重厚さもありつつ、美しく強い人。誰もが“彼は最強だ”と認めるようなメレアガンを目指したいなと思っています。
――演出は韓国演劇界で活躍されているオ・ルピナさんが務めます。
韓国の第一線で活躍されている演出家さんの一人でもありますし、僕は韓国の役者さんが好きで尊敬している方も多いので、彼らと作品を作っているルピナさんとご一緒できるのは非常に楽しみです。
――稽古が始まったら、どんなことをルピナさんに聞いてみたいですか?
そもそも稽古のやり方も違うと思うので、どのように芝居を作り込んでいくのかということや、韓国の役者さんが大事にしていること、ルピナさん自身が大切にしていることを聞きたいですね。一方的にではなく、お互いに歩み寄りながら作っていきたいなとも思います。海外の演出家の方の場合、どうしても言葉の壁があるんです。もちろん通訳さんはいらっしゃるんですけど、彼女の負担がなるべく少なくなるよう、我々から歩み寄ってやりやすい環境を作っていきたいですね。
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