BAND-MAID、総動員2万人超えの全米ツアーも軒並みSOLD OUT いま最も海外で人気のあるガールズバンドの現在地に1万字超で迫る

2022.10.7
インタビュー
音楽

SAIKI

SAIKI

――『Unleash』はコロナ禍につくった曲から選抜していった感じですか?

小鳩:世界征服へ向けて、モヤモヤしたところを脱出して爆発させたいっていう大きなテーマがあったので、コロナ禍につくった楽曲からよりすぐって、さらにブラッシュアップしたものをレコーディングしましたっぽ。だから、曲ができたタイミングはバラバラだったりしますっぽ。

――「ひと月で書き上げました!」という勢いを感じるけど、実はたくさんつくってきたなかからこのテンションが高くて濃厚な曲たちを選んだという。

小鳩:ほかにも曲はいっぱいあったんですけど、「EPじゃないとできないことがしたかった」ってSAIKIが言ってたっぽね。

SAIKI:そうなんですよ。フルアルバムとなるとストーリー性を大事にして抑揚をつけたくなるんですけど、EPだったらそれはしなくてもいいかなと思ったので、やりたい放題詰め込んで「これが私たちや、どや!」っていうテンションになってます。

――つまり、バランスを考えずにBAND-MAIDの本能をそのままさらけ出すとこうなるということですか。

SAIKI:そうですね。アルバムの制作だと引き算を頼むことが多いんですけど、今回は「こういう曲はもうあるんでいらないです」みたいなやり取りがなかったっていうのは大きかったと思います。

――EPというボリュームなのでこう言ってしまっていいのかわからないですけど、僕はこの作品が過去最高だと思います。

SAIKI:EPとかアルバムとか形態に関わらず気合は入っておりますので、うれしいです。

小鳩:アルバムと言えるぐらいのボリュームだとは思ってますっぽ。

――でも、直球で攻めた作品かと思いきや、時間が十分にあったからこそ細かいアレンジも効いていて。

SAIKI:生真面目さが出てるよね(笑)。

小鳩:そうだっぽね。

――「Balance」ではサックスの音が聞こえるんですが。

KANAMI:ホーンは入れてますね。

――楽器はなんですか?

KANAMI:サックスとかホルンとかトロンボーンとかいろんなホーンを4つぐらい組み合わせてつくった音です。

――なんでこれを入れようと思ったんでしょう。

KANAMI:なんで……? イケてると思ったから……。

――あはは! まあ、そうなんでしょうけど(笑)。

KANAMI:「Balance」に関しては、跳ね系の楽曲が欲しいっていうオーダーがあって。跳ね系のリズムって金物が多いイメージがあったのでそれで入れたんだと思います。いつも「これ、入れたらよさそう!」っていうノリで入れてるんですよね。あと、AKANEに「ドラムとギターは三連感があるのに、ドラムは16分、8分感があるけど大丈夫?」って聞かれたんですけど、そういう新しさを出したいと思ってつくった楽曲でもあります。

SAIKI:近未来感。ちょっと先の未来で流行ってそうな曲、だよね。

――あと、この曲は2Aの後半でパーカッションみたいな音が鳴ってますね。

小鳩:それはサンプルだと思いますっぽ。

KANAMI:全然覚えてない。

――こういうのは全部その場のノリなんですか?

KANAMI:ノリです。でも、最近流行ってる音色はちゃんとチェックしてるし、「Balance」もそれを意識してます。「influencer」と「Corallium」もそうですね。

――そういう細かい音が普通に聴いてたらわからないレベルで入ってますよね。

KANAMI:気づいてもらえてうれしいです。自分では「これ、イケてるな」と思って入れた音がミックスで小さくなってたりして、そうなるとほとんど聞こえないんですよね。

――こういう音ってもっと前に出してアピールしたくなるんじゃないですか?

KANAMI:なりますなります! でもちっちゃくされちゃうんです……。

小鳩:ものによってですっぽ! ちゃんと大きくするのもありますっぽ!

――さも意地悪されたかのように言ってますけど(笑)。

小鳩:「Balance」はけっこう出したっぽね。

KANAMI:「Unleash!!!!!」で猫の鳴き声を入れてたんですけど、それも消されてた。

小鳩:(冷めた声で)あれは消すっぽ。

SAIKI:(冷めた声で)猫関係ないじゃん。

小鳩:たしかに、デモの歌詞は<にゃーにゃー>みたいな猫の歌だったけど!

KANAMI:メンバーみんな猫が好きなんですよ。だから「あ、ここに入れといたらみんな喜んでくれるかな?」と思って……。

SAIKI:AKANEとMISAはめっちゃ喜んでたじゃん。

AKANE

AKANE

――あと、「influencer」ですが、こういう今どきっぽい歌詞はBAND-MAIDにしては珍しいですね。

小鳩:そうなんですっぽ。この曲の歌詞を書こうっていうタイミングで、ちょうどSAIKIとAKANEとテレビ電話をつないでたんですっぽ。それで、「この曲、どんな歌詞にしたらいいと思うっぽ?」って聞いたら、SAIKIから「最近のSNSの女子について書いてほしい」って言われて。

SAIKI:小鳩はcluppoをきっかけにTikTokをはじめたので、すごく詳しいんですよ。「このTikTokerの人がね……」って見せてくれても、こっちからすると「うーん、誰?」って感じで。それで「書いてみてほしいな」と。「タイムリーだし、みんなも面白がってくれるかもしれないよ?」って。

AKANE:単語を出していったよね。裏アカ、闇、映え、映えスポット、みたいな。

小鳩:そこから何人かインフルエンサーの子を調べて、裏アカまで見つけて(笑)。

SAIKI:すごいんですよ! 「この人のブログを見つけたんだけど、裏アカもわかったっぽ!」「こわっ!」って(笑)。

小鳩:あはははは! そういうの見つけるのが得意なんですっぽ。そこからその子の気持ちになってみたり、よく使ってる言葉を調べたりして書きましたっぽ。あと、マウントの取り合いみたいなことをやってる人たちもいて、そういうのも使いましたっぽ。

――<chit chat>っていう言葉が<おしゃべり>という意味で使われてますけど、もしかして<ちっちゃ>とかけてますか?

小鳩:ちょっとかけましたっぽ! これは海外だと最近の若者がよく使う言葉らしくて。

――でも、SAIKIさんの歌い方だと<ちっちゃ!>にしか聞こえないんですよ。

小鳩:言い方も相まって(笑)。

――そして、SAIKIさんもついに単独で歌詞を書きましたね。「HATE?」なんてSAIKIさんのパブリックイメージそのままです。

SAIKI:あはははは! これは浮気性の人に向けてストレートに書きました。

――エグいところまで書き切りましたね。

SAIKI:ちょうど世間で不倫報道が多い時期だったんですよ。それで「何をしてるんだ、この人たちは」って思っちゃって。パートナーを裏切っているとか、クズと言われるような人に向けて書きました。あとは、<I hate you>っていうフレーズが口気持ちいいな、言いやすいなと思って連呼しました。

――そういうことだったんですね。

SAIKI:私、ずっと「ザ・シンプソンズ」を観てるんですけど、キャラクターが汚い言葉をめっちゃ使うんですよ。親子喧嘩のシーンで息子のバートが父親のホーマーに向かって“I hate you! I hate you! I hate you!”って早口で言うシーンがあって、「これは口気持ちいいな」って(笑)。

――自分で書いた詞を歌うのってどうですか?

SAIKI:ラクです!(笑)小鳩の歌詞は知的だったり哲学的だったり、難しい言葉が多いから大変なんですよ。「今まで口にしたことないぞ、この言葉」っていうのもあるので、まずはその言葉の意味を学ぶところから入るんです。でも自分で書いてると、例えば<いらだち>という言葉で終わったとしたら、次は口を開きたいから<な>ではじまる言葉にしよう、みたいなことができるんですよね。

――ところで、タイトルに付いてる「?」にはどういう意味があるんですか?

SAIKI:表記は「HATE」なんですけど、私は「ハテ」って読んでて(笑)。

――ハテ……あ、「はて……?」ってことか!

SAIKI:「私、こんなにヘイトって言ってるけど、はて……?」みたいな(笑)。

小鳩:たしかにSAIKIは、「はて……?」ってよく言うっぽ!

SAIKI:そう。「私、そんなこと言いましたっけ?」みたいな。

小鳩:「知らんけど」に近いっぽね!

SAIKI:そう、そういう意味の「?」です。

KANAMI:そうなんだ~。

AKANE:SAIKIっぽい!

SAIKI:どうしてもちょっとふざけたくなっちゃうというか(笑)。

小鳩:これからは「ハテ?」にするっぽ?

――それだとお給仕の曲紹介のときに締まらないですよ(笑)。

小鳩:たしかにっぽ(笑)。

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