BAND-MAID、総動員2万人超えの全米ツアーも軒並みSOLD OUT いま最も海外で人気のあるガールズバンドの現在地に1万字超で迫る
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KANAMI
KANAMI
――今回、音がよくなったこともあって、ギターのフレーズがすごく前に出てきているように感じます。そこで改めて思ったんですけど、KANAMIさんのギターソロっていい意味で常軌を逸してますよね。素晴らしいです。
KANAMI:どれがよかったですか?
――ええ~! だいたいどれもすごいけど、正直まだ把握しきれてないです。
KANAMI:え~、私も……。
SAIKI:え、「私も」?(笑)
――自分でも把握しきれてないのに人に聞いたんですか!
KANAMI:今練習してる曲しか思い出せない(笑)。
――ギターソロはどうやって考えているんですか?
KANAMI:ノリです……。すべてノリですみません……。サンプルとかも含めて鼻歌でイメージを探してます。
――あんな細かいフレーズが鼻歌で出てくるんですか。
SAIKI:曲作りのときにKANAMIが出してくるメロディも細かいから、もともとそうなんでしょうね。
KANAMI:ピアノ弾いてることも関係あるのかな?
小鳩:あると思うっぽ。
KANAMI:細かいソロは自分でも理解できないので、打ち込んだものをピアノで弾いて理解してからレコーディングします。
――とあるギタリストにギターソロの作り方を聞いたら、自分で歌えるものって言ってました。
KANAMI:ああ、同じかもしれない……次からそう言おう……(笑)。
小鳩:今、ニヤッとしたっぽ(笑)。
KANAMI:ギターソロは歌えるものにしてますね。
――もう遅い!(笑)
KANAMI:だって、みんなノリでしょ? ベースフレーズもノリでしょ?
MISA:私は降りてきた……。
MISA
MISA
――MISAさんは酒を飲みながら弾いてるうちにフレーズが降りてくるんですよね?
MISA:今回の制作ではお酒飲まなかったかもしれない。
――そうなんですね!
SAIKI:コロナ禍で飲む機会が減ったし、家で飲むにも限界があるじゃないですか(笑)。その頃につくってたもんね。だから、MISAはお給仕を再開する前に自宅でお酒のリハビリをしてました。
――どういうことですか……?
MISA:毎日ロング缶を飲み切るっていう。
小鳩:MISAはお給仕中にお酒を飲むじゃないですかっぽ。それでお給仕を再開して急に飲んだら酔っ払っちゃうし、だからといって飲まないと御主人様お嬢様(ファンの呼称)に心配されちゃうねっていうことで、「リハビリするわー」って。
――リハビリって普通逆ですけどね。
小鳩:そうなんですっぽ! 「ねえ、聞いて! 最近毎日ロング缶2本飲めるようになってきたの!」って報告されますっぽ。
――ロング缶2本ですか。もっと飲むイメージでした。
MISA:大酒飲みじゃないんですよ。強いお酒をゆっくり飲むのが好きなんです。
――大人な飲み方をする人なんですね。話は戻りますけど、ベースのフレーズはどうやってつくってるんですか?
MISA:今回は、手癖をなくすために打ち込みでつくることが多かったです。なので、ピアノで弾いたのを聴いてみて、「ここは変えたほうがカッコいいな」と思ったら変えて、みたいな感じでやってました。ベースの師匠の吉田一郎さんに「手癖をなくしたいんですけど」って相談したら、「打ち込みにしたら出なくなる」というアドバイスをもらったのでやってみたら本当にそうで。頭に浮かんだメロディをピアノで弾くと弦を意識しないから全然手癖が出なくて、今まで弾いたことのないフレーズが出てきました。
――印象的なフレーズがいつも以上に多いのはそういうことなんですね。
MISA:「influencer」のベースは全部打ち込みで考えました。
――ドラムも同じですか?
AKANE:ドラムは全部打ち込みでつくってるんですけど、打ち込んでるうちに間違えてリズムが裏になっちゃうことがあって、それを聴いてみたら「あ、裏でもカッコいいかも」っていうことがめちゃくちゃ多くて。
――めちゃくちゃ多いんですか。
AKANE:そうですね(笑)。その間違えが意外とトリッキーでカッコよかったりするから、敢えて自分のドラムは叩かないで打ち込むようにしてます。
KANAMI:あと、AKANEはレコーディング前に全部譜面に起こして一音も間違えないようにしてるよね。
AKANE 私はもう、すっごく細かく一音一音譜面に書きます。それをやらないと覚えられないし、久しぶりにやる曲でも譜面を見るとすぐにわかるんですよ。昔ミュージックバーで働いていたときに初見で演奏することが多かったのもあって、譜面グセがついちゃってるんです。演奏中も譜面がずっと頭の中で流れてるし。
――それは面白いですね。
AKANE:あと、打ち込みをすることで音符の長さをすごく意識するようになりました。たとえば、バスドラが4つ打ちだったとしたら、ちゃんと4分で長さを整えないと雰囲気が出ないってことがわかって、最近、お給仕で4分音符感を出すことを意識するようになったのは打ち込みから学んだことです。
MISA:ベースに関してもうひとつ思い出したことがあるんですけど、ソロをつくるときに一度つくったフレーズを並べ替えたりします。
AKANE:並び替え、あるあるある!
MISA:4小節あったとしたら、そこに別の4小節を持ってきて並べ替えて聴いてみて、「おお、こっちのほうがトリッキーに聞こえるなあ!」ってなったり(笑)。ネタに困ったときによくやります。
――実際に弾き直すとなると大変だけど、データ上だったら簡単ですもんね。そういう独特な工夫で生まれるフレーズもあるのか。今回初めて思ったんですけど、もはや演奏だけでもBAND-MAIDの音だとわかるようなものになっていますよね。
SAIKI:本当ですよねえ。
BAND-MAID
――ロックの人気が世界的に落ちてると言われている中でも、BAND-MAIDだけは「我関せず」というか、自分たちのやりたいことをやって、結果を残していて。それもすごいですよね。
小鳩:そうですっぽね。まあ、メイド服でロックをやるって時点で、周りを意識してたらやれないですっぽね(笑)。
SAIKI:「誰が何を言ってるの?」って(笑)。
小鳩:「ロックの部分を気にする前にメイドを気にしろ」って(笑)。
――(笑)。BAND-MAIDは<日本を代表するガールズバンド>と言われることも多いですけど、<日本を代表するバンド>でいいですよね。
小鳩:ありがとうございますっぽ! 別にガールズバンドって言われることに前ほど抵抗はないですけどっぽ……。
SAIKI:「いいじゃん、バンドで!」って。
――このEPはアメリカへの挑戦状みたいにも聴こえます。
SAIKI:全世界へ向けてたり、お給仕を意識してっていうこともあったので挑戦的に聞こえるかもしれないですね。
――アメリカ人が好きそうだと思いました。
小鳩:たぶん、好きになってくれると思いますっぽ。
SAIKI:全曲愛してほしいですね。
――そして、10月からは全米ツアーが始まります。
小鳩:どうしましょうっぽ!
SAIKI:「本当かー?」って思ってます。AFTERSHOCKなんて特に「本当かー?」って思ってます。
小鳩:本当は2020年から「全米をがっつり回りましょうっぽー!」っていう話になってたんですけど、コロナ禍でダメになって発表もできないまま終わってしまい、その翌年もできずだったんですけど、ようやく今年! なんなら今年の初めの時点でも、「行ける? 行けない? 行けるー!」みたいな感じだったので、本当に行くんでしょうけど、どうしましょうっぽねえ。
SAIKI:過去最大最長なので未知なんですよね。
小鳩:会場も急きょ大きくなったところがあったり追加公演もあって、こんなの初めてで。
SAIKI:キャパも前回の3年前よりも大きくなっているので、「本当にそんなに来る?」みたいな感じはあります。初めてシアトルまでお給仕しに行ったときの感覚と同じです。「本当に人がいるんだろうか?」って(笑)。
小鳩:なので、セットリストもまだ組んでないですっぽ。全米ツアーが久々の有観客お給仕じゃああまりにも心もとないし、日本の御主人様お嬢様は一番近くで待っていてくれた存在なので、アメリカに行く前に観てもらいたいっていうことで日本でも有観客お給仕を組みましたっぽ。
――しかも、そのPRE USお給仕の最終日が渋谷eggmanというのが泣けます。原点を見つめ直してから世界へ行くっていう。
SAIKI:原点を見つめ直すのが好きなので(笑)。過去も大事にしていきたいし、私たちは御主人様お嬢様との仲間意識があって一緒に世界征服を目指しているので、日本を飛ばして先にUSツアーが始まるのは私たちの思いと異なるんですよね。
――なるほど。では、たくさんの思いを背負った全米ツアーでの活躍を楽しみにしています。
KANAMI:頑張ります。
小鳩:大きくなって帰ってきます!
SAIKI:またおもろいハプニングがあるかもしれない(笑)。
AKANE:絶対ある!(笑)
取材・文=阿刀"DA"大志 撮影=大塚秀美
リリース情報
2022年9月21日(水)発売
PCCA-06153/税込5,900円
特殊パッケージ仕様
ポストカード1枚、ポスター型ブックレット封入
※Blu-ray盤のみマルチチャンネル映像対応(一部デッキによっては非対応)
PCCA-06154/税込3,500円
通常仕様
PCCA-06155/税込2,500円
通常仕様
《CD》全8曲収録
04.Sense
05.I'll
08.HATE?
from now on(Music Video)
Sence(Instrumental Music Video)
ライブ情報
2023年1月9日(祝月)