[Alexandros]川上洋平、夢のマイホームが一瞬で沈む韓国パニックムービー『奈落のマイホーム』を語る【映画連載:ポップコーン、バター多めで PART2】
撮影=河本悠貴 ヘア&メイク=坂手マキ(vicca)
大の映画好きとして知られる[Alexandros]のボーカル&ギター川上洋平の映画連載「ポップコーン、バター多めで PART2」。今回は、韓国パニックムービーの名手キム・ジフン監督が手掛け、夢のマイホームが一瞬で地下500mに沈むという斬新な設定が話題の『奈落のマイホーム』について語ります。
『奈落のマイホーム』
――今回は、夢のマイホームが一瞬で陥没穴(シンクホール)に沈むという『奈落のマイホーム』です。
好きでしたね。ジャンルとしてはパニックムービーとかディザスターに入りますけど。ビルが丸ごと地下に陥没するという大胆な設定ではさすが韓国だなと思いました。シンクホールという単語も今回初めて知りましたし。
――確かに。韓国では年間で平均900件以上シンクホールが発生していて、社会問題になっているそうです。
900件!? すごい……。そんな身近な問題ということもあって、韓国で結構なヒット作になったのかもしれないですね。日本にも埋立地はあるし、欠陥住宅の事件はたまに話題になるから他人事じゃない感じで観ちゃいました。
――そうですよね。
大がかりなセットを作りつつ、CGもふんだんに盛り込んで迫力ありましたね。シリアスなテーマをコメディタッチに描いているのが新鮮でした。予告を観た時はそんなに感じなかったんだけど、割としっかりコメディだったから、そこはちょっとびっくりした(笑)。
――笑えるし、ほろりとさせるところもあって。でもパニックムービーとしてちゃんとハラハラするという。
そう。「これは無理でしょ!?」っていう笑っちゃうスリルを久々に感じたところもありました。
『奈落のマイホーム』より
■限られた範囲でスケールを見せるのが上手い
――川上さん、パニックムービーは結構好きですよね。
そうですね。韓国映画だと、ちょっと前に公開された『EXIT イグジット』っていう映画があって。高層ビルで有毒ガスが上昇してくるっていうストーリーで、これも割と新感覚なパニックムービーだったなー。それもちょっとコメディタッチだったんですよね。災害ものにそういうテイストを入れると不謹慎になってしまうこともあるけどね。
――確かに。
韓国は限られた範囲でそれ以上のスケールを見せるのが上手いと感じます。日本映画にも通じるところはあるけどね。窮屈な雰囲気の中でうまく違和感を描くというか。『奈落のマイホーム』はまさにそれでしたね。
『奈落のマイホーム』は、主演のキム・ソンギュンさんがめちゃくちゃザキヤマさんに似てるっていうところもコメディ感を感じる部分ではあって(笑)。
――(笑)コントっぽく見えるところありましたよね。息子が床に転がしたビー玉が、家が斜めだから転がっていく時の反応とか。
「来るーッ!!」って言いそうでしたよね(笑)。
――あははは。
俺、キム代理の役の人、すごく好きです。
――ああ、こじらせ気味の部下という。
三枚目な役でしたが、実はかっこいいですよね。元々モデルをやってた人で背も高いし、男前だったなー。
――良かったですよね。
マンス役のチャ・スンウォンは奥さんの連れ子の息子が実生活で色々問題を起こしたそうですが、その彼が息子を愛する役をやるっていうことで韓国では話題になってたのかもなー。僕はそういう事情を知らないで見て普通に面白かったけど。
『奈落のマイホーム』より