日本のユニークな文化や言語からインスピレーションを受けたアートワークを展示 『AIMAI』開催
『AIMAI ~ Expressions of Vagueness / あいまいさの表現~』
スウェーデンのデザインユニット「クラーソン・コイヴィスト・ルーネ(Claesson Koivisto Rune)」(以下CKR)が、新作のアートワーク作品群を展示する『AIMAI ~ Expressions of Vagueness / あいまいさの表現~』を開催する。10月22日(土)から10月28日(金)まで、7日間限定。
CKRは、1995年にモーテン・クラーソン、エーロ・コイヴィスト、オーラ・ルーネによってストックホルムに設立されたデザインユニット。建築事務所としてスタートしたが、現在では、建築とデザインの両方に同等の重きを置き、複数分野にまたがる案件を扱う事務所として国際的に高い評価を得ている。2004年には、スウェーデンの事務所としては初めて、ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展への出展を果たした。
本シリーズは、昨年ストックホルムで開催された展示『CLAESSON KOIVISTO RUNE IN JAPAN』に向けて構想されたもの。「あいまい」という概念にインスピレーションを受け制作した計7枚のアートワークと、その形状のベースとなった7つのオブジェクト(家具など)を展示する。また、同展示に合わせて、新しいビジュアルブック『CLAESSON KOIVISTO RUNE AIMAI』を発売。2020年2月に築99年の銀行建築をリノベーションして開業した「K5」のデザイン監修を務めて以来、約3年ぶりに来日し、日本のユニークな文化や言語からインスピレーションを受けたアートワークを発表する。物体とアートを対比させながら、あらゆるものの境界を取り除く「あいまい」という概念について、または実物そのものがもつ概念についてを表現する試みとなる。
クラーソン・コイヴィスト・ルーネより
私たちは常に、人間の創作物である「建築」「デザイン」「芸術」の3分野に焦点をあててきました。主な活動は、これまで、そしてこれからも建築とデザインであることに変わりはありませんが、時には芸術作品に着手することもあります。建築やデザインと多くの点で関わりを持ちながらも、芸術は、それ自体が体験の対象であるという点で異なります。
芸術的なインスピレーションは、もちろん人生のあらゆることから受けられます。しかし、インスピレーションの源をあえて1つ挙げるとすれば、日本のユニークな文化なのではないでしょうか。
30年間、毎年日本を訪れている中で、最近になって初めて「あいまい」という日本語を知りました。「あいまい」とは、漠然とした、不明瞭な、あやふやな、という意味で、日本語ではしばしば前向きな、おもむきのある意味合いで使われる言葉です。また、この言葉には、境界線を取り払うことの利点、という意味も込められています。それは驚くべき事実でした。日本では、欧米人の自分とって、翻訳の中で意味が失われてしまうと感じていた多くのことが、突然説明できるようになったのです。その答えは、失われたのではなく、本来あるべき姿、つまり「あいまい」なのです。
2021年に開催されたストックホルムのオークションハウス、Bukowskisによる展示会「CLAESSON KOIVISTO RUNE IN JAPAN」用に、これまで私たちが日本で企画、デザイン、制作した大半の作品を揃えた際(30年以上にわたって生み出した100点以上の作品全てを揃えた展示は初)、「あいまい」を記念したアート・ブリーフを制作しました。
数多くのスケッチ、試行錯誤、話し合い、行き詰まりなどの結果、7つのモチーフからなる作品集が出来上がりました。色や形、大きさ、あいまいさなどを抽象的に表現した作品集としてとらえています。ただし、その出発点は、デザインしたある特定の日本のもの、あるいはその細部や特徴に由来するというところにあります。この作品では、実物を象徴する以上に、その実物の持つ概念を置き去りにして、それがどんなにあいまいであっても、抽象化しようと努めています。
モーテン・クラーソン、エーロ・コイヴィスト、オーラ・ルーネ
『AIMAI ~ Expressions of Vagueness / あいまいさの表現~』は、10月22日(土)から10月28日(金)まで、日本橋兜町の小規模複合施設「Keshiki(景色)」にて、7日間限定で開催。
展覧会情報
会場:兜町第6平和ビル Keshiki 地下1階
会期:2022年10月22日(土) 〜 10月28日(金)
開場時間:12:00〜17:00
主催:Claesson Koivisto Rune、メディアサーフコミュニケーションズ株式会社