朗読劇『青空』新キャストでの福岡公演が決定 浅利陽介・石野真子・村田雄浩・山下リオらからのコメントも到着
左から、浅利陽介、石野真子、村田雄浩、山下リオ 朗読劇『青空』福岡公演キャスト
朗読劇『青空』の東京公演が終了。新たなキャストによる福岡公演が2023年 1月14日(土)・15日(日) ににて上演されることがわかった。
朗読劇『青空』は2018年から毎年上演されてきた、方南ぐみによる作品。戦時中の少年が国の命令に逆らってでも、遊び相手の犬と猫の命を守ろうとする姿を描くことで、戦争の悲惨さ、馬鹿らしさを訴える公演で、『あたっくNo.1』に次ぐ方南ぐみの代表作品だ。
大和少年の遊び相手は柴犬の麦と野良猫の小太郎。1937 年昭和十二年、支那事変。昭和十四年ノモンハン事件。翌年日独伊三国同盟。昭和十六年、真珠湾攻撃と共に太平洋戦争に参戦。この頃の日本は戦争が日常で、戦争をやれば景気が上向くと誰もが浮かれていた時代だった。アメリカの猛反撃がはじまるとアジアの小さな島国・日本は瞬く間に劣勢に立たされたが、国民は日本に神風が吹くと信じていた。政府は鉄砲の弾を作るために国民から鍋やヤカン、鉄などを徴収する「金属類回収命令」を発動し、寒い地域で働いている兵隊の毛皮を作るために「犬と猫を差し出せ」と命令した。お国の命令は「絶対」であり、逆らうことは許されない時代。軍国少年として成⾧した大和にとって、その命令は苦渋の選択となった。そして大和少年が下した結論は、国の命令に逆らってでも犬と猫の命を助けることだった。
渡辺いっけい、益岡徹、モロ師岡、梶原善、飯島直子、安田顕、小池栄子らが参加した東京公演は本日11月13日(日)に千穐楽を迎えた。福岡公演は、東京での好評を受けて行われるもの。新たに、浅利陽介、石野真子、村田雄浩、山下リオが福岡公演だけのキャストとして参加する。
作・演出の樫田正剛氏(方南ぐみ)、キャスト4名のコメントは以下のとおり。
樫田正剛(作・演出/方南ぐみ)
あの時代。空から爆弾が降り注ぎ、武器を持たない子ども、老人、女性、男、動物たちが必死に逃げ回った。社会の教科書では教えてくれない「戦争のバカらしさ」をひとりでも多くの人に知ってもらいたいと願って創った作品です。戦争体験者ではない僕たちは舞台から訴えます、平和と青空、バンザイ。
浅利陽介
当たり前のことが当たり前でなくなってしまう世界は悲しいです。一緒に過ごせる日常に感謝して、みなさんの周りにいる動物
のことを考えていただける機会になれば嬉しいです。今回、久しぶりにお会いできる方もいて、一緒に演じることが今からとて
も楽しみです。劇場でお待ちしてます。
石野真子
いつも何か起きると、当たり前というものも、事も、日常という日々はないのだなぁと思う。
青空がある、それがどんなに素晴らしいことなのか、に気づく。
でも、私は忘れて当たり前のように暮らす。それの繰り返し。
愛おしいすべての事が当たり前のようにそばにある、居てくれる。
奇跡のような日々が続く事を願って。
朗読劇「青空」是非足を運んで頂けたら、うれしいです。
村田雄浩
戦争は無くならないですね、日本は戦後78年を迎えようとしていますが、リアルに戦争を感じる時代になっちゃいましたね…
こんな時だから しっかりと戦争について語り合うべきなのかな…と 思います。
この物語が皆さまの心に深くとどいて永く留まることを祈っております。
山下リオ
幼少期、何匹も犬や猫を拾い、家で飼わせてもらってきた私にとって、大和君を演じられることは運命の様に感じます。人間も動物も、当たり前に生きているだけなのに、それさえ許されない時代があったという事実。今の平和な日本に慣れすぎて、世界でなお続く戦争も、どこか身近に感じられなかった私の心臓がドキっとしました。この作品は、平和を紡いでいくための次世代への手紙だと思います。一語一句、大切に、大切に読ませていただきます。