中川晃教「演劇界に一石を投じる見せ方ができるかもしれない」 ~『Japan Musical Festival 2022 Winter Season』映像クリエイション現場レポート~
中川晃教インタビュー~“競演”と“裾野”~
――まずは今回、一人二役に挑戦することになった経緯を教えてください。
前回Fusion Wallを使ったのは、井上芳雄さんに出てほしいけれど当日は福岡にいる、というスケジュールの都合から(笑)。でもそれが一つの目玉企画のようになり、クリエイターの皆さんから、実はこんな見せ方もできるというお話も伺って。使い方次第で、演劇界に一石を投じる見せ方ができるかもしれない、という思いのなかで生まれた企画です。
――今日は“パガニーニのパートを歌う”というより、“パガニーニを演じている”ように見えました。
企画は『CROSS ROAD』本番中から動いていたので、相葉君や水江君の芝居を見ながら、「自分がパガニーニをやるなら」ってずっと考えていました。二人ともシュッとしていて端正なお顔立ちだから(笑)、あまり血の気を感じさせないようなパガニーニだったけれど、僕がやるなら心の葛藤みたいなものをどう作れるのかな?って。全編演じるわけではないので、役を作り込むというよりはこの1曲の中で、自分の才能に自信のない青年が悪魔との契約によって変化するコントラストをどうつけるか、ということですけどね。悪魔の誘惑に抗おうとするけれども最後には心をひきつけられてしまう、その美しさみたいなものの中にパガニーニ像をどう表現できるかが、今回のゴールなのかなと思ってます。
――パガニーニを体験したことで、悪魔像のほうに変化があったりは?
ありました。気持ちが揺れ動いてるのはパガニーニのほうだから、悪魔は朗々と歌い過ぎずに、むしろ淡々と歌ったほうがいいのかなって今日思って。だから僕がライブで歌う悪魔は、本編とはまたちょっと違うものになるかもしれないなって、今はイメージしています。でも見え方って、声と動きが重なることでも変わるから、Fusion Wallを用いた時にどう見えるかは僕もまだ分からなくて、ゴールを色々と思い描いているような段階ですね。
――早くも2度目を迎える、『JMF』の今後のビジョンをお聞かせください。
ミュージカルシーンにおいて、フェスの形ってまだ固まってないじゃないですか。音楽フェスのように、野外で何万人規模でっていうのも念頭に置いてはいるけれど、実際それができるのかはまだ分からない。そんな中で僕は、色んな方々の興味を引くものがフェスだと思ってるんですよね。俳優、歌手、もしかするとミュージシャンとか舞踊団、色んな方が日本だけじゃなく世界から集まって“競演”して、このフェスをきっかけに裾野が様々に広がっていく、というのが一つのテーマ。出演者の皆さんにとって、色々な経験と発見ができて、楽しみにしてくれてるお客さんがいて、自分を知らない人が知ってくれる機会にもなる、そんな特別な場所と時間になっていったらいいなと思います。
そしてミュージカルの裾野ということで言うと、そこには必ず映像がありますよね。ミュージカル映画とか、テレビのバラエティ番組や音楽番組を通じてお茶の間に広がってきたわけですから。このフェスのなかに映像を使ったクリエイションがあることは、その意味でも大きいんです。
取材・文=町田麻子 撮影=福岡諒祠
公演情報
日程:2022年12月26日(月)~28日(水)
会場:オーチャードホール
■キャスト
●12月26日(月) Day1 企画:ディズニー楽曲
中川晃教 島田歌穂 藤岡正明 真彩希帆 黒沢ともよ 山野靖博 石川新太 山崎大輝
●12月27日(火) Day2一部
中川晃教 島田歌穂 藤岡正明 加藤和樹 伊礼彼方 / 小南満佑子 黒沢ともよ 山野靖博 石川新太
ミュージカル『キングアーサー』より 浦井健治 伊礼彼方/加藤和樹 太田基裕/平間壮一 小南満佑子/宮澤佐江
●12月27日(火) Day2二部
中川晃教 島田歌穂 藤岡正明 加藤和樹 伊礼彼方 / 小南満佑子 黒沢ともよ 山野靖博 石川新太
舞台『魔法使いの約束』より 丘山晴己 中村太郎 矢田悠祐 加藤大悟 橋本汰斗 白柏寿大 新正俊
●12月28日(水) Day3一部
中川晃教 島田歌穂 藤岡正明 May J. 森崎ウィン / 山野靖博 石川新太
ミュージカル『憂国のモリアーティ』より 鈴木勝吾 平野良 久保田秀敏 山本一慶 井澤勇貴 長江峻行 鎌苅健太
●12月28日(水) Day3二部
中川晃教 島田歌穂 藤岡正明 May J. 森崎ウィン / 山野靖博 石川新太
ミュージカル『チェーザレ 破壊の創造者』より 中川晃教 藤岡正明 今拓哉 横山だいすけ 岡幸二郎
音楽監督:島健、園田涼
クリエイティブプロデューサー:上田聡
指揮:井村誠貴
※イベント割適用あり(詳細は公式サイト参照)
※プレミアム席は舞台により近い最前2列の席
①キャストの表情が至近距離で伝わり足音まで聞こえる臨場感あふれる特等席
②「Japan Musical Festival 2022 Winter Season」限定オリジナルチャーム(ステンドグラス)付き付き
③全公演の舞台写真をまとめたフォトブック(非売品)をプレゼント(公演後配送)
お問合わせ:キョードー東京 0570-550-799
主催:日本テレビ放送網株式会社、株式会社 CS 日本、株式会社日テレイベンツ
企画制作:日本テレビ放送網株式会社
文化庁「ARTS for the future! 2」補助対象事業