牧島 輝×有澤樟太郎、相性の良さは「理屈じゃない」~舞台『セトウツミ』ビジュアル撮影レポート&インタビュー
2023年5月に東京芸術劇場 プレイハウス、6月に大阪の梅田芸術劇場シアター・ドラマシティにて舞台『セトウツミ』が上演される。内海想役・牧島 輝と、瀬戸小吉役・有澤樟太郎のビジュアル撮影に密着。インタビューでは、2人の願望から実現したという本作の成り立ちを語ってくれた。
スタジオに入ると、すでに撮影の真っ最中。学ラン姿の牧島と有澤が、横並びで座り談笑していた。階段状のセット、無造作に置かれたスクールバッグ、二人の間にある絶妙な距離感……そこにあるのは、紛れもなく“いつもの河原”の風景だった。
原作は此元和津也による同名漫画。「別冊少年チャンピオン」(秋田書店)で2013年~2017年まで連載された。これまでに映画化、テレビドラマ化されており、舞台化は今回が初めて。塾が始まるまでの時間を暇つぶししている内海(牧島)と、部活を辞めて暇な時間をもてあましている瀬戸(有澤)が主人公。放課後の川辺で、関西弁による男子高校生らしい会話劇が繰り広げられる作品だ。
ツッコミ役を担う内海は、黒縁眼鏡をかけインテリジェンスな雰囲気。「微笑んでみてもらえますか?」の要望に、牧島はほんのわずかに口角を上げた。その笑い方ひとつで、クールかつミステリアスなキャラクター性が垣間見える。
有澤が演じる瀬戸は、ボケ担当でちょっぴりおバカな役どころ。髪をかき上げたスタイルからもヤンチャっぷりがうかがえる。「内海に対抗心を燃やしてください」との指示には瞬時に眉を寄せるなど、豊かな表情変化が楽しい。
スタジオ中から賞賛の声が上がったのは、動きのあるシーン。中でも印象的だったのは、内海が瀬戸にコブラツイストをかけている6巻表紙の再現だ。コミックスと見比べつつ、すぐに同じポーズに。「素晴らしいです!」の声に、笑顔がこぼれる2人。満面の笑みも捨てがたいが、コミックスの内海と瀬戸はシュールな雰囲気。カメラマンから「無表情で!」と声をかけられると、一瞬ですまし顔に変貌する。
数回シャッターが切られた後、小声で「ちょっと待って……」と訴える有澤。中腰の体勢が辛い上、牧島が容赦なく技をかけているらしい。やがて耐え切れずに倒れこんだ有澤を、牧島が満足そうに見下ろしていた。その後、内海が瀬戸を背負うシーンに。先ほどの仕返しとばかりに有澤が「ほれ、そっちや!」と牧島にポージングを指導する様子は、作中の応酬を彷彿とさせた。
撮影終了後には、インタビューに応じてくれた牧島と有澤。本作は、2人が自ら「『セトウツミ』を演じたい」と申し出たことを機に舞台化が実現したという。
>(NEXT)ビジュアル撮影直後の牧島&有澤に直撃!